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ドッペルゲンガー
今日もお疲れ様です。
外にいると、ドライヤーの温風をずっと嫌がらせのように当てられているような気持ちになっている私です。暑すぎますよね💦
23歳の時の話。
会社に勤めていた時に、一つ下の後輩に朝礼の後話しかけられた。
「夕希さん、昨日の夕方ガソリンスタンドにいましたよね?内緒でバイトですか?」
小声で言ってきたのでびっくり。
昨日は日曜日。
当時一人暮らしの私は朝から部屋の掃除をしていて結局外には一歩も出ていなかったから。
「ガソリンスタンドなんて行ってないよ。バイトなんてしないし。それに昨日は家から出てないよ。」
後輩は驚いて続ける。
「えー間違いないですよ。だって話しかけようとしたらものすごい勢いで走って行ったじゃないですか!だからバイトがバレたらまずいから逃げたのかなって!」
「だから、行ってないよ。」
私が真面目な顔して言うと後輩は首を傾げた。
「おかしいなー?確かに夕希さんだったのに。
顔も体型も間違いないのになぁ……?」
そう後輩が言った時にいきなり同期の子が話に入って来た。
「夕希~昨日のサッカーの試合来てたんなら言ってよ~一緒に行ったのにさ~」
私と後輩は目が点👀👀👀👀👀
「どういう事?私サッカーの試合なんか行ってないよ!」
私が同期に言ったら笑いながら
「またまた~嘘つかなくてもいいよ~私が手を振ったらこっち見たじゃん!」
「見てないし。」私は答えた。
会話を聞いていた後輩が同期に話す。
「先輩、それ昨日の何時くらいですか?」
「時間は覚えてないけど夕方だったよ。」
また目が点👀👀👀👀👀👀👀
後輩「先輩、昨日の夕方自分も夕希さんを見たんですよ。」
同期「えー後輩もサッカー観に行ってたんだ!」
後輩「違いますよ。自分が見たのは近所のガソリンスタンドです。話かけようとしたら急に逃げて。でも夕希さんはガソリンスタンドに行ってないって言うし。」
同期「はぁ?じゃあ見間違いじゃないの?夕希はサッカー観に来てたんだろうし。」
私「だから、ガソリンスタンドも行ってないし、サッカーも観に行ってないよ。」
後輩と同期が私の顔を覗き込む。
「私は昨日は1日中家にいたの。だからあなた達が見たのは私じゃないの。人違い。」
けれど2人は引かない。
後輩「いや、間違いないです。だっていきなり逃げたじゃないですか!それで内緒でバイトしてるんだって思ったんですよ。」
同期「夕希~って手を振ったらこっち見た気がしたんだけどな~だから本人に間違いないと思ったんだけど。ただ……。」
少し同期の顔が曇る。
同期「もう一人夕希を知ってる子がいて、その子トイレに行く途中、夕希を見つけて追いかけたらしいんだよ。もう少しで追いつくと思ったらいきなりいなくなって何処に行ったか分からなくなったって言ってた。」
後輩「先輩それやばくないですか?」
同期「ヤバいかも!」
同期「夕希、ドッペルゲンガーかもよ。」
私「ドッペルゲンガーって言われても、他人の空似じゃないの?」
そう言ったのだが、同期も後輩も私だと言って譲らないのだ。
3人で考え込んでいる時に専務が声をかけてきた。
「夕希さん、昨日サッカー観に行ってたんだね。帰る時に君を見かけたよ!君もサッカー好きだったんだね~。」
と言い、笑いながら通り過ぎて行った。
同期と後輩2人が私の顔を見る。
怖っ…でも…
「いや、それ、私じゃないです!!!!!!!」
後日談
この日から何故か会社内で
「給湯室にいたよね!」とか
「さっき何で階段にいたの?」とか
言われるようになってしまった。
会社では頻繁に私に似た私みたいな人が現れるようで違う部署に行った時に「さっき来たじゃん」とか、「声をかけたのに何で逃げるの?」まで言われる始末。
あれは一体何だったんだろう……
ドッペルゲンガーだったのかどうかも分からないけど、不思議な出来事が続いた日々だった。
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