祖父は「のんべえ」

今日もお疲れ様です。

私の未熟な文章に目を通していただいてありがとうございます。　
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ありがとうございます。

大好きだった祖父の事を書きたいと思います。

小学生の時は祖父の家に盆と正月は泊まりに行っていた。
祖父は若い時からお酒が大好きだったらしく
飲み始めると時間が長くなる。

いつも通りいとこや親戚が集まり宴が始まる。
料理を作り運ぶのは決まって祖母だ。
この祖母は以前私が書いた
「祖母から聞いた不思議な話」
「車とお金と空き巣」の祖母である。

祖父は1度座ったら絶対動かない。
当時は瓶のビールが主流。
良く冷えた瓶ビールがすでに2、3本祖父の座る目の前に必ず置いてある。
祖母から聞いたのだが、祖父はかなりの豪酒。
親戚中に「のんべえ」と言われているらしい。

どれだけ「のんべえ」なのか？

この日も早く飲みたいが為、1番に座る。
瓶ビールとコップは既に祖父の目の前にある。
「お～い、栓抜き持ってきてくれ～！！」
親戚が栓抜きを取りにキッチンに向かったのだが待てない祖父はある行動をとる。　

なんと、

私の見ている前で祖父は歯で瓶ビールの蓋を開け始めたのだ🦷🦷🦷

コレには驚いてしまい
私は「じいちゃん、歯が折れるよ～！」
と言ったのだが
祖父は「待てるかーええんじゃ、コレで！」
と本当に歯で蓋を開けてしまったのだ。

そこに栓抜きを持って来た親戚が棒立ち。
「じいちゃん、飲みたいからって歯であける？何で待てないの？本当にのんべえなんだねぇ…」
と呆れて言っていた。

その後に歯で開けた事が祖母の耳に入り
こっぴどく怒られていたのには笑った。

あ、ちなみに歯には異常ありません💦

しばらく祖父は普通に飲んでいた。普通にね。
途中でビールをコップに入れすぎてこぼしてしまった。
フキンやテイッシュで拭くと思いきや

祖父は机に口を近づけてこぼれたビールを器用にすすり始めたのだ！！

当然周りにいる親戚は引く💧

皆が一斉に
「じいちゃん！いくら勿体ないとはいえ、そこまでしなくても…」
「だからのんべえって言われるんだよ…」
と口々に言う。

祖父はビールをすすりながら
「勿体ない、バチが当たる、放っといてくれ！」と言う。

結局全部すすった祖父は笑顔で
「ほれ、綺麗になった！」
と皆に見せて自慢していた。

確かにテーブルにこぼれたビールは無くなって綺麗になっていたけど…
祖母が片手にフキンを持って来た時に、祖父を見る顔が能面みたいに無表情で怖かった。
無言のままテーブルを拭き始めたんだけど、その時の祖父の顔が引きつっていたのには笑けた。

飲みだしたら止まらない祖父は毎回ビール瓶10本以上は飲んでいた。　
(下手をすれば瓶のままラッパ飲みをする💧)
飲んでも酔わない為に付き合う親戚は大変だったと思う。
結局酔いつぶれた親戚を尻目に最後まで飲み続けていたのは祖父だ。
顔は多少赤いが、乱れないし、話すし、吐いたりもしないし、寝ない。

つまみは祖父お気に入りのクボガイやスガイの塩茹で。
針を使いクルクル回しながら器用に取り食べるのだ。
お裾分けを貰い、針の使い方を教えてもらった。

懐かしい。

できれば祖父と1度だけでもいいから
一緒にお酒を飲みたかったな～と
今更ながら思う自分がいた。

以上です。
目を通していただいてありがとうございます。