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最高の読書体験。いざ、チョコレート工場へ!


想像が膨らんでいき、わくわくする感情を味わえた本。

それが、ロアルド・ダールの『チョコレート工場の秘密』だ。


ジョニー・デップ主演の映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作。チョコレートに入っているゴールドチケットを手にした5人だけが、チョコレート工場へ見学に行けるというお話。

ロアルド・ダールはイギリスの作家。変わった本を書いていて、結婚後に児童書を書き始めたそうだ。児童書好きの妹が持っていたので、借りて読んだ。

読んだのは映画公開(2005年)よりも少し後。CMなどでたくさん宣伝をしていたのでストーリーはなんとなくわかったし、主人公がチケットをもらえない訳がないであろう、と思いながら読んだ。絶対にもらえるだろうと思っていたけど、チケットを手にするまでなかなか時間が掛かり、いつかしら!?いつかしら??と、うきうきしながら読んだ。

チョコレートの川やミントの香りのする草原、砂糖キャンディーのピンクの船など、こんなものあったらステキ!と思えるようなものがたくさん出てくる。工場長のワンカ氏(映画ではウォンカ)が作り出すお菓子は奇妙でおもしろい。食用マシュマロ枕、子供部屋用なめられる壁紙、寒い日のためのホット・アイスクリームなど。想像するとわくわくする。

目で見る映像ではないのに、自分のイメージしたものが頭の中に広がって自分独自の世界を作り、楽しさが広がっていく。読書って、想像することって、なんて楽しいんだ!!と読書の楽しさを教えてくれた本だ。テレビの観すぎは良くない、子どもを甘やかすのは良くない、など親へのメッセージも隠れ潜んでいる。


本を読んだ後に、映画『チャーリーとチョコレート工場』を観た。自分の想像していたウォンカと、工場で働いているウンパ・ルンパ(本ではウンパッパ・ルンパッパ)の人物像が全く違っていて、衝撃を受けた。ウォンカはおかっぱで挙動不審だし、ウンパ・ルンパはもう少しかわいい小人を想像していたのに、ごっついおじさんだったのでかなりうろたえた。でも、個性的なキャラクター、乗りの良い曲、色鮮やかなセットに魅了され、映画ならではのおもしろさを感じられた。観ていくうちに映画の世界に入り込み、こちらもとても楽しめ、そして最後は温かい気持ちになれた。

そういえばその当時、ウォンカチョコも売っていて、チョコレート工場を想像しながら食べた。お話の世界と現実の世界を結ぶのも、楽しめるもののひとつ。あま~いチョコだったな。もう食べられないのが残念。


ロアルド・ダールの本の魅力は、想像力が膨らむ面白さとブラック・ユーモアのあるちょっとした怖さ。すべておススメだけど、『魔法のゆび』は途中で「えっ!??」と、かなり衝撃を受けた本。こちらもかなりおススメ。



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