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さくらももこに憧れる大学生

noteの毎日投稿を続けると同時に、週2~3で日記も書いている。 B5サイズの26行ノートに、だいたい23文字×20行で460字前後。その日あったこと、その日思ったことを記す。言わずもがな、それが日記というものだ。

1.何もない日の日記

ただ、みなさんもご存じだとは思うが、この世の中には「何もない日」が結構ある。本当に何もない日。ただ起き、ただスーパーに行き、ただ課題をやり、ただ食べ、ただ寝た日。そんな1日に何を書けば良いというのだ。

エッセイの巨匠さくらももこの日常は、笑いに満ちている。ただ、そんな"まるこ"にも「何もない日」はきっとあったはずだ。年中無休でイベントがある人生などあるわけがない。あったとしても認めたくはない。

ただ、日常を面白くする能力が桁違いにすごい。エッセイの面白さを紐解くことなどあまりにも野暮だとは思うが、「たいのおかしら(さくらももこ)」の最初に収録されている歯医者の話は、特段なにか事件が起こるわけでもない歯医者での1時間が文庫本にして7ページのコメディにまとめらている。

擬音語、例え話、ドラマチックな言葉遣い、などなどコメディたらしめている要素はいくらでもあるはずだがこれらを列挙するのこそ野暮なのでこの辺でやめておく。要素がわかったとて易々とマネできるものではない。熟練の職人ほど、難しい技をいとも簡単そうにやってのける。

2.真似事の失敗

スーパーで良さげな白菜を選ぶあの時間に、あえてしなびた白菜を選んだことがあった。あまりパッとしない将来の逸材を発掘する敏腕プロデューサーに自分を見立て、日常をドラマチックにするために。日記にも書いてみたが、少なくとも「面白く」はなかった。さくらももこのコメディを目指したのに、できあがったのは低予算ドキュメンタリーのハズレ回だった。

なにより、しなびた白菜は食感がなく美味しくなかった。どうやらエッセイストだけでなくプロデューサーとしての腕もないらしい。

そんなこんなで、何もない日の日記問題は一向に解決する気配がない。

26行のうち3行しか埋まらないページの量産体制に入っている。予定が決まっていないことを「白紙」と呼ぶが、あれは未来のことなので書き足せるからまだいい。

予定がなかった日の「白紙」はもういつまでたっても「白紙」のままなのだ。


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