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第一回 もじかき練習帳 お題1[作品発表]

もじかき練習帳 お題1

お題1 以下の画像を文章で表現してください。

Photo by Jonas Hoss on Unsplash
  1. スポンジケーキみたいな色のアパート

  2. 昼下がり、イエローカラーの建物で挟まれた路地裏に人気はなく、オートバイのみが片脇に寄せて停められていた。バルコニーに飾られたピンクや赤の花たちに燦々と太陽の光が降り注ぐ。向かい合う建物を繋ぐようにして、旗掛けのひもが張られていた。
    テラスの下にはウッド製のテーブルとチェアが並べられている。屋根は穏やかな日差しを遮り、テラス席を直射日光から守っていた。

  3. 白い小道が続いている。見上げれば、左右には黄色い壁と、積み重なる花の飾られたベランダ。真っ青な空が、僕を見下ろしていた。

  4. からりとした空の色も壁の色も、なにもかもが日本とは違い、異国情緒をかきたてている。通りに面したバルコニーからは植木鉢がせり出していて、石造りの街の景色に彩りを添えていた。白っぽい街の中、鮮やかな色が目に飛び込んでくる。強い日差しを避けるための日除けの下にはテーブルと椅子のセットが並べられている。カフェ、あるいはレストランなのだろうか。

  5. ある晴れた日のカフェにて。私はテラス席に座り、向かい側の壁を眺めていた。クリーム色の壁に描かれた落書き。細い筆のようなもので描かれたそれの意味するものはわからないけれど、近所に住む子供の落書きにも見えるし、どこかの有名画家のアーティスティックな作品にも見えるような気がして、なんだか面白かった。何の絵なのだろう。それとも、どこかの国の文字?誰が何を思って描いたのだろう。私は描かれた背景を想像し、思い描ける全ての空想に、わくわくした。

  6. そこは、別世界のような美しい路地裏だった。表通りから僅かしか離れていないのに、自分以外の人がいなくなってしまったかのようにこの場所はとても静かだった。とはいうものの、住宅が密接しているこの場所を見上げれば目に入るベランダにはたくさんのプランター、残念ながら今日は休みのようだがまさに隠れ家と言ってもいいカフェ、誰のいたずらか落書きされている壁、奥に見えるのは大切に手入れがされている綺麗なバイクに本を読むには最適な少しのテラス席に大きなパラソルが見えて、たしかにここで人々が生活しているのだ。
    何気なく入っただけだったが、もう一度来たいと思わせるこの場所を切り取るようにカメラのシャッターを切った。

  7. 低層マンションが並ぶ住宅街の狭い路地に、一階にカフェが開業されている三階建てのマンションがあった。
    道路にはみ出すようにテラス席が設けられ、休日の朝にそこで朝食でも食べれば、絵に描いたようなパリの風景と見間違えそうだ。
    二階の住人がベランダで育てている花の香りと爽やかな風が、晴れた青い空に相まってより一層勘違いに拍車をかける。

  8. ふたつの壁の狭間に二本足で立ち仰いでみれば、抜けるような薄い青色と煌々とした陽光が紛れもない晴天を物語る。そよぐ風に可愛らしい赤色や純白の花弁が揺らされると同時弾む心に緩む表情で思い立つ───今日は、君に会いに行こう。

  9. 良く晴れた昼下がり。1階にカフェテラスを構えた3階建てアパートのベランダには、花々が溢れていた。しかし、この路地には私以外の人影は見当たらない。

  10. 路地を歩く私を、日差しが容赦なく貫く。影を求めようにも真上から降る陽のせいでどこの影も短い。足元を見るのに飽きた私の視界に飛び込んで来たのは、ベランダに並んだ鮮やかな花々だった。

  11. 抜けるような青い空が、異国の路地を明るく照らしている。淡い橙のアパートメントが立ち並び、人影は見えないが、建物の中に人気はあり、表通りの喧騒から逃げてきた私としては、ほっと一息つけた。ともすれば冷たい印象となる建物の狭いベランダの黒い金属の柵には、暖かな色の花々が咲き誇る。鼻をくすぐるのは、いったい何の香りか。インスタに投稿しようとスマホで写真を撮ろうとして、やめた。この光景を他の人に共有したくない、と思った。代わりにこの光景をゆっくり記憶に残したくなったので、すぐそばにある居心地が良さそうなカフェに入ってみることにした。席は道に面したところがいいが。さて、なんと言えば伝わるだろうか?

  12. 平日の昼下がり。休日ならばそこそこ人通りのあるこの路地に誰もいないのを確かめて、好きな歌を口ずさむ。麗らかな日差しを受けて開かれた自分だけのステージ。世界の誰も聴いていないだろうけれど、とてもとても、気持ちの良い時間だ。

  13. 狭い町中から見える澄んだ空に、少し歩く度にお花の優しい香りが鼻を掠める

  14. 春の空の色だった。夏でも秋でも冬でもなく、春の空。夏のように青すぎなくて、秋のように高すぎなくて、冬のように冴えすぎていない、柔らかな空色だった。しろいしろい石畳の上。頭の上から花の香りが降る。

  15. 大通りの角を曲がると、風景が一変した。クリーム色の家に挟まれた路地には人の気配がなく、ただ窓辺に置かれた花々が風にそよいでいるだけだ。軒下にあるカフェにも人はおらず、路地の奥まで見通せる。突き当りにある白いパラソルが、やけに目についた。

  16. 色とりどりの花で飾られた裏通りの朝。雲ひとつない澄んだ空の光を浴びて、花達がより色鮮やかに生き生きと見える。

  17. 路地裏……というと、大抵の人は薄暗く治安の悪いイメージを抱くだろう。でも、ここは違う。狭い事に変わりはないけれど、小さなバルコニーに溢れる花々は、住民達が手入れを欠かしていない証拠。ここを通る人が幸せな気持ちになれるようにという思いが感じられる。表の大通りの喧騒から離れたテラス席には、穏やかな時間が流れている。お昼時にはきっと満席になるんだろうな。

  18. 路地だというのに、えらく華やかなだなと思う。建物の色使いだとか、色とりどりの花であったり、路面に席があるおしゃれなカフェだとか。右を見ても左を見ても、馴染みある風景は一つもない。異国、というスパイスだけでこうも惹きつけられるものなのか。ふと上を見上げれば、抜けるような青空。ああ、きっとこれが私の心を踊らせたのだ。

  19. 角を曲がると、大通逸りかられた小路には日の光が真上から降り注いでいた。
    三人で並べば塞いでしまうほどの狭い小路。
    だが、両脇に並んでいる建物の壁はこの国特有の温かみのある色使いで彩られていて、目にも楽しい。
    ランチの時間を過ぎたカッフェのテーブルは用を終えたとばかりに沈黙している。
    見上げた出窓にはどれにも植木が置かれ、花が咲き乱れていた。
    異なる住人たちが織り成す景色は想いも違えているはずなのに、どこか整然とした街並みへの尊厳がかいま見える。
    「ねぇ、この街は美しいでしょう?」
    宝物を見せるように語りかけてきた北欧の女神の言葉に頷きながら、僕は胸から下げていた一眼レフを小路に向けたのだった。

  20. パステルカラーの空の下。オレンジ色のおもちゃのような建物は窓から植物が顔を出しており小道を賑やかに彩っている。休日は人々で賑わうのだろうか、軒下には小さくテントが張られテーブルがずらりと並んでいる。

  21. 雲一つない空の下。太陽が頭上に登る時間。
    ふと目を向けると閑散とした路地がそこにあった。
    バルコニーに飾られた花たちを見れば生活を営んでいることがわかる。
    日陰が一番少ない今、火照った頬をビル風が撫でた。

  22. 細長い空が見える。隙間なく立ち並ぶ家々の間を走る道から視線を上げれば、シミひとつない天色の反物のような空が見えるだろう。日は高く、影は短く、白に近い路面は光を反射し、日傘をさしてもこの道を歩くのはとても眩しいに違いない。三階建ての家には等間隔に窓が並び、テラスで育てられている花たちが目を楽しませてくれる。異国情緒あふれる街並みだ。

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