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「君、良い目をしているね」公立学校で、吹奏楽部の冴えない2年生だった。男子部員なんて数えるほどだったから、一挙手一投足が嫌でも顧問の目に留まった。また怒られる。楽器の腕を認められたり、取り組み方を評価されたりするのには滅法飢えていたのだけど、目を褒められたのはそれ一度きりだった。

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