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#4 みんな我が子 -All My Sons-

おはようございます。吉田ちひろです。

今回は番外編として、舞台から感じたこと学んだことを書き綴ろうと思います。

ご紹介する舞台はこちら。

先日、千穐楽を迎えた「みんな我が子」という舞台です。堤真一さん、森田剛さん、西野七瀬さん、大東駿介さんなど有名な俳優さんが数多く出演した作品です。

この舞台を観たいと思ったきっかけ

この舞台を観たいと思ったきっかけは、森田剛さんの舞台を観たいと単純に思ったからでした。

ジャニーズ事務所を退所し独立後の初舞台。芝居が好きで、芝居がやりたくて、飛びだった方が、一体どんなものを見せてくれるのかと、ワクワクしながら応募したのを覚えています。

ちなみに、前情報として舞台での彼のお芝居が非常に良いと耳にはしていました。彼が夢中になる舞台とは、芝居とは、どんなものなのか、興味がありました。

そして、これからいろんなことに挑戦していきたい自分にとってヒントがあるのではないか、何か感じ取れるものがあるのではないかとも思っていました。

また、V6が終わる前、最後のアルバムで森田さんは「家族」という曲をプロデュースしています。そして今回の舞台も「家族」の物語です。偶然かもしれませんが、彼の中で「家族」がなにか一つのテーマになっているのではないかと感じ、より興味を抱きました。

観終わった直後に感じとったこと

観終わったあとの素直な感想は、みんなそこに生きていたというなんともシンプルな感想でした。

どの役者さんもみんな素晴らしく、いつもは画面越しで俳優やアイドルとしてみていましたが、舞台ではまさにリアルにそこに生きている人たちでした。

森田剛はそこにいなく、クリスがいて。堤真一ではなくジョーが、大東駿介ではなくジョージが、西野七瀬ではなくアンが、、、、いました。

最後のカーテンコールの際、俳優:森田剛として立っていたとは思うのですが、汗だくで髪も服も乱れ、クリスの感情が彼の目にまだ残っているような気がして、クリスの残り香をとても感じました。森田剛の中にクリスがいる、共存している、、、。ありがとうとお疲れ様でしたの想いでした。

また、カーテンコールでは3度出てきていただいたのですが、笑顔でありがとう!のカーテンコールではなく、俳優の皆様のやり切った表情、何かを訴えかけるような目が印象的で、とてつもないものを受け取ってしまった、という感覚に襲われました。感情がえらいことになっていたのを覚えています。

そして、もう一回観たいと思い、同じ舞台を何度も観たくなる人の気持ちが体験して初めて理解することができました。

一回観ただけではすべてを理解することは難しいです。

(感情が揺さぶられましたが、公演後に客席でストレッチしてる森田さんの写真がtwitterに投稿されたときはなんかちょっとホッとしました)

みんな我が子という戯曲で感じたこと

アーサーミラーの戯曲は会話劇で有名らしく、今回の「みんな我が子」は非常に重く難しい物語でした。とにかくセリフ量が多く、話の進み方もはやいなと感じました。話がどんどん進んでいく中で、笑ったり泣いたり怒ったり、それができる演者さんたちの凄さを肌で感じました。

そして、会話の内容は一言も聞き漏らせません。聞き漏らせないんですが、一回では無理です。。2回観たかったですね。

難しいといっても何を言ってるのかわからないというような難しさではなく、それぞれの人物の感情や想い・行動を一つずつ理解することが難しいといった感じでした。

うまく言葉では説明できないのですが、「あの時こうしていたら」「あの時ああ言っていたら」「嘘つかず素直になっていたら」「罪を認めていたら」「ルールを守っていたら」「ちゃんと話を聞いていたら」など、たった一つのことで未来が変わった可能性は十分にあるということについて考えさせられました。

でもその嘘が誰かを何かを守るための嘘だったとしたら?、自分も同じ立場だったら本当のこと言えたかな?、家族を守るためだったら何しても良いのか?などと考えることもあって、正論だけでは語れない内容でした。

そして、誰がどうしていたらこの物語は違う結末になったのでしょうか。正直分かりません。

そもそも戦争がなかったら?こんなことにもなっていないんじゃないかとも思います。嘘つく必要も罪を隠すことも誰かが犠牲になることもなかったと思います。

「戦争」というものがいかに残酷なものなのか、改めて考えさせられました。

また、1回目で感じること、2回目で感じること、少しずつ違うと思います。観る回数によっても捉え方は変わると思うし、観る人によってもかわると思います。でもそこが面白さなんだと感じました。

生の芝居から感じたこと

編集されない誤魔化されない生の状態。すごくよかったです。

スピーカーやイヤホン越しに届く音声ではなく、広い空間に響き渡る声、繊細なものから迫力のあるものまで、肌で耳で感じ取ることができました。

双眼鏡越しにみた表情もそこに生きている人間そのものだったと思います。汗や涙。笑ったときの柔らかい表情。凄く良いお芝居を観させていただいたなと思います。

生の芝居の、生々しさというか、ほんとにそのまんま感じ取れたのが良かったです。画面越しではなく、生身の森田剛がいて、森田剛が演じるクリスがそこにいて、家族や仲間がそこにいて。まるで隣の家族の物語を第三者視点で覗き見しているような感覚でした。

生感(なまかん)」、これって他のことをやるうえでもすごくヒントになると思うんです。大事にしたいなぁ。

今の時代、良くも悪くも編集によってよりよく見せることができます。自分の力+編集の力を頼ることができます。

一概に編集されたものが悪いというわけではありません。編集することによってより良い状態で届くものもたくさんあります。編集をすることでより完璧に・理想に近づくといったところでしょうか…もちろんモノづくりの工程で編集は必要です。必要ないわけじゃない。

でもやっぱり、「生感」「ライブ感」というものはその場にいないと感じることができないし、誤魔化せない。だからこそ良いんだと思います。

同じものは二度とない。目に、心にしっかり焼き付けておきたい。そしてちゃんと感じたことを言葉に残しておきたいと思いました。

書いておかないと、忘れてしまいます。なんとなくよかったなぁとか、衝撃的だったな、難しかったな、みんなすごかったなという漠然な感想しか出てこなくなる気がします。

二度と見ることができない、あの瞬間を、この舞台を、このタイミングで観ることができて本当に良かったと思います。

「家族」「罪」「嘘」「愛」「生きる」「死ぬ」
考えてしまったよね。

考えたところで正解は出ないけど、考えることに意味があると思っている。

以上、みんな我が子の感想でした。
同じく舞台を観た方、ぜひコメント頂けたら嬉しいです。


p.s.「生感」といえば、岡田さんが25周年のインタビューで触れていたなぁ。改めて「生感」の素晴らしさを感じ取れたなって思う。

それから、最近観たこちらの作品もおすすめです。

限りある時間を大切に生きたいと思わせてくれます。

そして偶然にも「家族」がテーマ。森田さんにとって「家族」は作品選び・作品作りのテーマなんでしょうか?それとも「家族」をテーマにした作品の依頼がたくさん来ているのでしょうか?

https://www.youtube.com/watch?v=tzHt68Uu6QI


今日も一日、良い日をお過ごしください。







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