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「思いやりは大切ですけどね、女性軽視への思いやりは無用です。」

女性らしい言葉遣いを求められる社会

タレントでありエッセイストでもある小島慶子さんが11月6日、自身のtwitterにて、彼女が取材時に感じたジェンダーバイアスに関してツイートした。約1万7千いいねを獲得するなど、話題を呼んでいる。

今回のツイートでは小島さんが、ジェンダーがテーマの取材で、

「女性に意見を言われると反感を持つ読者もいるので、ご発言の語尾を“です”ではなく“ではないでしょうか”と柔らかくするのはどうでしょう」

といった、提案されることが多々あると打ち明けた。
小島さんは、それらの提案が「炎上対策」という配慮であるとした上で、

「その媒体がどなたの方を向いているのかがわかって大変興味深いです」

と、皮肉交じりにその提案がいかに「女性軽視」であるかを強調した。

リツイートでは、日本メディアの社会における意思決定層に対する忖度を批判する声も見受けられた。

また、根深いジェンダーバイアスに言及するコメントも多くあった。


小島さんは以前に講談社が発信するwebマガジン mi-mollet (ミモレ)の取材に対し、メディアにおけるジェンダーバランスの偏りを指摘している。

「若い女性は権限を持つおじさんたちに可愛がられ、世間からも何かと注目されるけれど、若い男性はオトコ社会のヒエラルキーの最下層に位置付けられて下働きをさせられ、理不尽な上下関係に耐えることを求められます。」
mi-mollet. 小島慶子 潮目の私たち. 
"「女はずるいよな」と恨む男性よ。女性は敵じゃない、孤独と苦しみを共有できる仲間なんだ"
(10月27日)
 
「男性にそういう生き方を強いる世の中を恨んでも、現状は変えられない。だから「女はずるいよな」と目の前の女性に矛先が向かうのです。」
mi-mollet. 小島慶子 潮目の私たち. 
"「女はずるいよな」と恨む男性よ。女性は敵じゃない、孤独と苦しみを共有できる仲間なんだ"
(10月27日)

このような、多様性が育まれにくい社会構造が根強く存在している日本社会に対して、小島さんはこのように続けている。

「得をしているのは女性ではなく、 “若いお姉ちゃん”を身近に置いて、若い男をこき使い、自分に都合のいい決定を下せる意志決定層。そういう組織がまだ幅を利かせていることが問題なのです。」
mi-mollet. 小島慶子 潮目の私たち. 
"「女はずるいよな」と恨む男性よ。女性は敵じゃない、孤独と苦しみを共有できる仲間なんだ"
(10月27日)

近年、女性芸能人がテレビで「性欲」について語るようになったり、従来のジェンダー規範に縛られない芸能人が起用されるなど、多様性が尊重される社会に大きく前進したかのように思われる。

しかし他方で、社会の求めるジェンダー規範は今だに根強く日本に存在している。

小島さんは、今回のツイートに返信する形で以下のように締めくくった。

「思いやりは大切ですね。けど、女性蔑視への思いやりは無用です。女性蔑視への思いやりは、無用です。女は黙ってろと言う人には「お前が黙ってろ」でいいんです。蔑視にお気遣いなんてどんな地獄ですかここは。」

根深い日本社会におけるジェンダーバイアスに切り込んだ今回の小島さんのツイート、皆さんはどう思われますか?

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