間違いを犯した女の話 #3

女は、もう我慢ならないと思った。こんな人生は不幸だと思った。
そこで、もう結婚というものを解消しようと、女の父と母にそれを申し出た。女が育った村では結婚というものは親の承諾がなければできなかったし、その解消もまた同じだった。

女の申し出に対して、女の母は言った。
「なんてことを言うのでしょう! そんな勝手なことが許されるはずがありません。この村に結婚をしていない者はおろか、結婚を解消した者はいないのですよ。なぜ、家の名を汚すようなことができるのでしょう。そんなことになれば私達は人様に合わす顔もありません」
女の父は言った。
「子供はどうするのだ。子供から父親を奪う者になど、子供の幸せを考えぬ者など、親の資格はない!」

女はこうして夫と別れることを諦めた。それを父と母に告げると、母が言った。
「子供の世話に疲れたのでしょう。何日かこの家で休んでいきなさい。そうすればまた気持ちも新たになることでしょう」

女は、その日のうちに夫と住む家に帰った。

それでこの話は終わり?

まさか。話は長くなるのだ。

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