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myマグネット②ダリ劇場美術館 inフィゲレス/スペイン

あの個性的な髭とぐにゃりと曲がった時計の絵と言えば、かなりの人がダリのことを知っているのではないだろうか。目的地はバルセロナから車で2時間弱のフィゲレスにあるダリ劇場美術館、そしてさらに車で1時間のところにあるカダケスのダリの家美術館だ。

フィゲレスに到着。真っ赤なダリ劇場美術館の異様な存在感にまず度肝を抜かれた。通りを挟んだ向かいには地元の人が寄るような小さなカフェがあって、遠くから眺めているとまるで合成写真のようにも思えてくるし、馴染んでいるようにも思えてくるし、何とも不思議だ。

卵がたくさん

そして館内は先ほどの外観がシンプルに思えてくるぐらいの凝った造りになっていて、360度すみずみまでダリの世界が広がっている。

何なんだここは!

館内は広くはないがとにかくいろんな場所から眺めてみたくなり、やたら歩き回ってしまった。足の疲れよりも目に飛び込んでくるこの世界を脳が処理しきれずオーバーヒートしていた気がする。夜はそのままフィゲレスのホテルに泊まり、翌朝カダケスへ向かう。

フィゲレスからカダケスまで車で1時間ぐらいなので楽かと思っていたら、崖に沿って登る道がクネクネと続き、地元の人が車をビュンビュン飛ばしてくるのですれ違うたびにヒヤヒヤする。登り切ると隠れてた海辺の町が一気に眼下に広がり、あの崖のおかげでこの場所がひっそりと隠れていたのだとわかる。
駐車場を見つけて車を出て、ダリの家美術館を目指して歩く。その美術館がある入江に続く道がまたかわいらしい。道に沿って2階建ての小さな宿が並んでいて、2階のバルコニーで人々がのんびりとくつろぐ様子を見ていたら、この辺り一体が秘密の場所のような雰囲気で、じっくり創作したりするにはぴったりだと思った。フランスとの国境に近いので、聞こえてくるのはもっぱらフランス語ばかり。訪れたのは10月だったが、もし夏だったら太陽の下でカフェのテラスやバルコニーでお酒を楽しんだりするんだろうなあ。ちょっと気怠くて開放的だけれど少し安心感もあって、そんな夏の雰囲気が頭に浮かぶ。

ダリの家美術館

そして入江にあるダリの家美術館が見えて来た。ダリの家がそのまま美術館になっているのだが、フィゲレスの劇場美術館とは全く違う雰囲気である。なんとまあ素敵な家なんだろう!館内へは予約制らしく入ることはできなかったけど、それでも来てよかったと本当に思った。

ダリはこの景色を毎日眺めていたはず

家の正面には船が浮かぶかわいらしい入江がある。ダリは晩年まで少年のままのような人だったんじゃないかと思う。この場所まで来てみて、独創的なダリのイメージとはまたちがうダリの一面というか人柄に触れた気がした。これはまさしく一生忘れられない旅ではないだろうか。ここまで連れて来てくれた家族に感謝しかない。ありがとう!

右の写真はダリ劇場美術館の中庭