見出し画像

46:芸能人への誹謗中傷にカウンセラーとして思うこと

星野源さんのラジオを聴いて

現在noteでは「メンタル不調の休職者をゼロにする!」という内容で書いているのですが、ちょっと最近思ったことを挟みます。

2024年5月28日の「星野源のオールナイトニッポン」でパーソナリティの星野源さんとその配偶者である新垣結衣さんが一緒に出演し、SNSのX(エックス)で展開していた星野源さんの不倫騒動に対して「事実無根である」と言うことを話す、ということがあり、私はラジオリスナーとして聴きました。

その話の中で印象的だったのが、
「100%やっていないことで、事実がひとつもないことで。日本中から憎悪を向けられている感覚になったんですよね。その経験は今まで一度もなくて。本当に恐ろしかったし、自分以外に妻も含め仕事仲間とかつらい思いをしているだろうと思うと、本当に悲しかったです。とても悲しかった。もう、二度とあんな気持ちにはなりたくないなと、本当に心から思います」
という発言です。

ファンとしては、
「それは大変だったろうな」「夫婦で共演してはっきりと言ってくれて嬉しいな」などと様々な気持ちで聞いていました。
またそれと同時に考えたのは、
カウンセラーとしてはどう考えると良いのか?
ということです。

誹謗中傷から影響を受ける人への対策と芸能人の方向け、という二つの課題

ネットにおける誹謗中傷は社会問題です。
自殺する人も出ている問題であり、手を打っていく必要があるものなのは当たり前と言って良いでしょう。

誹謗中傷対策としては、ネットから誹謗中傷が減るような取り組みと、ネットの誹謗中傷で影響を受ける人を減らす(誹謗中傷を受けてもダメージが少ない状態を目指すこと)が大事です。
カウンセラーとしては後者への対策に関わっていくことができます。
調べてみると誹謗中傷に悩む方向けのカウンセリングサービスは数多く出てきました。各種カウンセリングサービスの質を私は把握することができていませんので、リンクなどは貼らずにおきますが、企業や団体が様々な取り組みをしていることを確認出来て安心しました。
とはいっても相談したい人の立場に立つと、どういう判断でサービスを選べば良いかが難しそうですので、見極め方についても広まると良いですね。

一方、芸能人向けと考えると、あるにはあるのですが、数が少ないのと、ちょっとこれは失礼な表現で恐縮ですが、あやしい(質が不明)ように見えるサイトが目につきました。
以前、芸能事務所がカウンセリング体制を発表したことがありましたが、現在どのように機能しているのでしょうか。

事務所の対応とフリーの人向けの対応が必要

一般企業ですと、月に残業が80時間以上あった社員は産業医の方との面談をするなどの規則があります。
これは残業80時間以上は心身に悪影響が出るから、確認をしましょう、また状態によっては勤務状況の調整を会社として行いましょう、ということです。
これを芸能事務所と誹謗中傷に当てはめると、
誹謗中傷は自殺を引き起こすほどの影響のある出来事である、と設定し、誹謗中傷を受ける事態が発生したタレントには、事務所は即時産業医の面談やカウンセリングの実施、また私の考えとしてはカウンセラーと一緒に誹謗中傷のコメントを見るようにするなど、ひとりで対処しないといった仕組みづくりや専門家がすぐにケアできる体制にもっていく、などの仕組み、ルール作りが必要ではないかと思います。
※もしすでにこういった仕組みは当然ある、という状況でしたら申し訳ありません。

難しいのがフリーで活動している芸能人の方ですね。
これはあくまで私見ですが、芸能事務所が共同基金などを立ち上げ、産業医、カウンセラー、弁護士などが所属するケア専門会社を立ち上げるなども良いのではないかと思います。

カウンセラーに求められること?

どの領域でもカウンセラーとして活動する時には、その領域ごとに求められることがあります。
私は中学、高校のスクールカウンセラーとして学校臨床、企業の外部カウンセラーとして産業臨床を行っています。
カウンセラーとして面接での発揮する力は共通ですが、例えば産業領域ですと、企業の就業規則への理解や、組織とはどのような力学で構成されているかの理解が必要であり、それを面接場面で活用していく必要があります。
芸能界は産業領域ではあるものの、独特の商習慣、文化をもつ世界です。
そういった理解なくしてカウンセリングを実施するのは困難ですし、良い結果にも結び付きません。
私がお伺いした芸能界での必要な理解の一部をご紹介すると、
・「カウンセリングを受けている」ということ自体が、仕事が減少する可能性がある(企業より個人が守られない)
・タレント・役者の方は業界のヒエラルキーの中で一部を除いて最下層にいる
などがあります。
芸能界専用カウンセラー養成なども必要だと思いますが、どこまで活動しているのでしょうか。私の情報収集力の問題かもしれませんが、わかりませんでした。

まとめ

今回は私もあまり把握していな業界の話ですので、あくまで思ったことの吐露です。
誹謗中傷による不幸な出来事がなくなっていってほしいという想いをもって書いてみました。

コラムをお読みいただきありがとうございました。
普段は上記に書きましたとおり、学校臨床と産業臨床を行っております。
もしご興味をもってくださった学校の方、企業の方がおりましたら、お声がけください。

チェリッシュグロウ株式会社では研修及びカウンセリングサービスを提供していいます。ご興味がある方はこちらにお問い合わせください。

またUdemyさんにて今回のコラムで書いている動画の案内です。

プロのカウンセラーが実践している!「マネジメントに使える心理療法」
職場の問題解決のためのブリーフセラピー
という動画を販売しています。
ご興味のある方はよければご購入ください。

https://www.udemy.com/course/fourleafclover/?instructorPreviewMode=guest



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?