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25:(カウンセリングの話)深さをみる、ということについて

「深さ」は人との出会いによって発見される

前回の記事、「24:(カウンセリングの話)『キャリアコンサルタントはどこまでやるのか』問題について」の中でキャリコンという仕事の深さをどこまでやるのか、ということを書きました。
今日はちょっと力を抜いて、学術的にではなく、体験的に「深さ」について書いてみます。

結論から書いてしまうと、私の場合は「人との出会い」でした。
その点では本当に幸運で、私は以前占いの人から、とにかく金運が全くない、ギャンブルとかはもってのほか、生涯賭け事と名がつくもので勝つことはない、とまで断言をされ、自分でも頷きました。金運は本当にそうなのですが、私自身は「人運」がむちゃくちゃ良いなぁと自負しています。
私自身は本当に平々凡々で、これまでの人生で何かに秀でた経験が全くないのですが、中学校も高校も大学も「こいつはすげーなぁ」という人に囲まれていて、その中に入れてもらってキラキラのお裾分けをもらってきました。
それは社会人になっても続き、モスフード時代もアルー時代も私はとにかく人に恵まれ続けてきました。

そしてそれはカウンセリングの活動でも続いています。
ブリーフセラピー協会の若島先生はじめ、各先生方との出会いがあり、毎日「すげーなぁ」の連発で過ごしています。
この人と出会い、話をしていくことが「深さ」の発見に繋がっているのです。

「深さ」は見ること、照らして考えること、言われることで見つかること

さて、本題に入りたいと思います。
私は10年くらい前からブリーフセラピー協会の研究員制度に所属しており、途中からはトレーナー側、現在はNFBTカウンセリングオフィスという名称にとしてSVとして関わっています。
ここで年に何回かですが、若島先生、佐藤先生、戸田先生、浜野先生の面接を見る機会があります。また時には一緒に面接に入ることがあります。
これがすごい体験となっているのです。
状況としてはカウンセリングルームにビデオが設置されており、それを別の部屋でみています。途中ブレイクがあり、カウンセラーが私たちのいる部屋に戻ってきます。そこでカウンセラーから面接の見立てや今後の見通しなどをお話しいただき、また私たちからもコメントやアドバイスをしていきます。
ここで毎回多くのことが見つかります。
私は面接を見ながら「ブリーフセラピーとしてどのように進んでいるのか」ということと「自分ならどのように面接を進めるか」の両方を考えています。
そうしていくと「あれスケーリングクエスチョンの表現が本来と違う使い方しているな?」と自分が学んだこととの差異があります。また「自分はこの例外を広げようとするだろうけど、こっちの例外を扱うんだ!」など自分の考えること、との違いがあります。この教科書的なものと照らしてみたり、自分の考えと照らしていくと、多くの発見があります。
でもこれだけだと後で録画した映像を見るだけでも同じことはできますが、この場のすごいところは、途中のブレイクでコメントやらアドバイスをしなければいけない点です。そのため私たちはカウンセラーと同じスピードで考えていかなければいけません。それが練習になると同時に、すごい先生方と自分の差が浮き彫りになるのです。
映像をしっかりみた上で考えていけば、プレッシャーもないし、時間もしっかりと取れます。それで見終わった後に「ここがこうだった」ということを考えるだけでは学習にはなるのですが「自分と相手の差」がわからないのです。
この「すごいカウンセラーの方と同じスピードで同じ面接を共有しながら学ぶ」ことによって、自分が同じ時間、状況の中で見えていないこと、わかっていないことを相手は見ている、わかっているという体験が貴重なのです。

100点中50点だと思ったら1000点中50点だったんだよね事件

事件と書いていますが、これは自分の中での勝手な事件です。笑
もう数年前になりますが、私は若島先生と一緒に面接に入りました。メインが若島先生で、サブとして私が入ったのです。
その時には私はブリーフセラピーを学びはじめて6年以上経っており、立場も千葉支部長、本部トレーナーです。少しはできてきたような自信も持ち始めていました。100点のカウンセリングはともかく、50点、いや時には70点くらいにはなったんじゃないかと思っていたように思います。
内容は書きませんが、一緒に面接に入りました。
私はその面接で色々なパターンを考え、介入の内容も色々と考えつつ、せっかく一緒に入るのだから学びきっていこうと思っていますから面接に集中しつつ、頭フル回転で自分としてどう考えるかをまとめつつ、サブとして役割を実行していました。
結果として介入そのものは、大きく変わることはなかったのです。これだけはほっとしましたが、横にいて先生がやろうとしていることを追いかけながら面接を進めていくと、自分と比べて、考えることや話が余計なことがなくシンプルで、また最も効果的な進め方をしていることに気づきます。
私が提案したリフレーミングは採用していただいたのですが、終わった後「・・・あれは余計だったなーーーーーーー!」と思いました。

私は自分が50点くらいだと思っていたわけですが、100点だと私が思っていたレベルが低く、少なくとも私と比べて若島先生は1000点くらい、もしかするとそれも幻想かもしれません。それくらい差があったのです。
若島先生を名前としてあげましたが、他にもまだまだ上だったーーーと思う先生方は多くいます。そういった方とお会いするたび、話をするたび、また幸運にも面接を見る度により深い、もしくはより高いレベルが見えてきます。
そうすると催眠療法を学ぶと良いのか?精神疾患についてか?発達障害か、微表情などの観察か、いやいやブリーフセラピーの古典を見直すべきか・・・などなど考え、学んで、また差を思い知って、を繰り返してきました。

いかがでしょうか。
私のカウンセリングを学ぶ過程を紹介することで「深さをみる」を考えてきました。これは仕事でも同じだろうと思います。

本当にすごい人と会う機会、話す機会、見る機会、体感する機会を持っているか?
その出会いの中で原則や理論に当てはめてみることができているか(学問と実践の比較)?
自分と相手の比較ができているか?

などが大事ではないでしょうか。
私は組織セラピスト養成講座のフォローアップとして「実践フォローアップ」というワークショップを行っているのですが、ここでできるだけ受講者の方に実践をしてもらうこと、同時並行として自分が考えていることを提示することを行っていますが、それは上記のことを念頭においています。
誰かにお伝えする、ということをするのでどうにか自分が良いものを見せることができるよう頑張っている日々です。

今回は体験的に自分の「深さをみる」方法を提示しました。
皆さんはいかがでしょうか。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回もできるだけ日を空けずに投稿したいと思います。
また次回よろしくお願いします。

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