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ニーチェって何がどうすごいの?の疑問に答えてくれる最強のニーチェ入門書『最強!のニーチェ』を読んだ感想と心に残った文章

ニーチェってよく聞くけれど、何がどうすごいの?「神は死んだ」などの過激的な発現をなぜしたの?などの疑問に、先生とアキホちゃんの軽快な対話形式でのやりとりが、とても分かりやすく答えてくれています。先生の個人的な経験話が載っていて、これが結構身に沁みました。こちらはあくまでも入門書の扱いなので、本格的にニーチェを勉強したい人には向かないですが、手っ取り早くニーチェを知りたい人にはオススメです。



心に残った文章はこちらです。

・哲学すなわち「メタフィジックス」とは、「モノを超えた存在について考える学問」だと思ってもらえれば良いと思う。

・「人生に意味がある」「私が生きている意味はこれなんだ」と思うことは、必ずしも幸福にならない、むしろ「余計な不幸」を背負い込むことにつながるんだ。

・「社会人とはこういうものだ」「女とはこういうものだ」「男とはこういうものだ」「侍とはこういうものだ」とか、「〇〇とは本質的にこういうものなんだ」といった話は、全部、その時代、その地域でどっかの誰かが勝手に考えた「架空の存在」にすぎないんだ。でも人間は、「現実の存在」、すなわち「実存」なんだから、そんな「見たり触れたりできない、ありもしなもの」に縛られて、自分自身を惨めに思う必要はないんだよ。

・「人間に生きる意味を与えるような絶対的な価値観は、遅かれ早かれ、いつか壊れるよ」ということ。それは宗教しかり、恋愛しかり、仕事しかり。

・奴隷にされている弱い民族がいた。その民族は弱いため、強いものに復讐できなかった。そこでその弱いた民族は、空想上で復讐を果たすため「強いのが悪い、弱いのが善い」という価値観を作り出し、この架空の価値観が宗教を通して世界に広まってしまった。これが道徳の起源である。

したがって、我々のいう道徳の正体とは、実は「奴隷(弱者)を善いとする歪んだ価値観」にもとづくものであり、「奴隷道徳」だと言うことができる。この道徳観は、「嫌なこと、惨めなことに文句わ言わず受け入れる人が善い」という不自然なものであるため、道徳にとらわれている人間は、「人間本来の生き方」ができなくなってしまう。

・人間は、絶望という病を死ぬまで抱えて生きている存在なんだ。

・絶対的な価値(神・真理・本質)なんてものは幻想であり、いつか必ず壊れる。

・「ああ、人生とはこういうものだったのか!ならば、よし、もう一度!」と永劫回帰を望む

・「永劫回帰」は、「最強最悪のニヒリズムの世界」であり、宇宙全体が永遠に同じことを繰り返すことである。

・「永劫回帰」を乗り越えるには、「今、この瞬間を力強く肯定して生きよう」という強い意志が必要である。また、そういう意思を持つ人間を「超人」と呼ぶ。

・「未来に目指すべき何かがある」という西洋的な思考法はいつか必ず破綻する。「今この瞬間」を肯定して生きていくことが大切である。

・「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである」

・「自分にとって関わりの近いものは重要に見えて、関わりの遠いものは些細にみえるものだ」

・社会から押し付けられた「価値観」は、それがどんなに常識的に見えようと、所詮は「解釈」のひとつであり、後から作られた非現実のすぎない。

・生き方か変わるような方法で知識を得ないと、それはただの「虚しい知識」になってしまう。

・本から得た知識を「言葉の上で理解する」のではなく、実際に体験してしまえばいいんだ。

・「〇〇が✕✕している」という事実がまず先にあり、それを僕たちは認識している、、、のではなく、僕たち自身で勝手に生み出した『〇〇』や「✕✕」などの「意味付け(ラベル)」がまず先にあり、それを僕たちに勝手に当てはめて世界を「解釈」しているにすぎない。

・僕たちは、「真の事情(真理)」について、いくらでも疑えるなから、「絶対的に正しい事実」はもちろんのこと、「絶対的に正しい解釈(意味付け)」に到達することもできない。

・結局、何十冊と本を読もうと、何万字とうい記号を頭の中に入れようと、ひとつの体験にはかなわないんだなと実感したよ。


・結局のところ、価値や意味そのものが悪いのではなく、社会や他人から押し付けられた価値や意味を、無自覚に「そうでなくてはならないんだ」と思い込み、自分の人生を縛り付けることが問題なんだ。

・「芸術こそ至上である!それは生きることを可能にする偉大なものだ!」

・不条理な人生を雄々しく生きていくには「肯定」だけではなく「芸術」も必要だとニーチェは言っている。

・「力への意思(より優れたものを目指したいという欲求)」を具体的に現実化する行為が「芸術」だと考えてもらえばよいと下さい思う。

・大事なのは、「自分が美しい、面白いと思うもの」を「今この瞬間」において感じとり、それを表現することを楽しみながら生きることであるからだ。

気になった文章はありましたか?もし一つでもあったなら、読んでみてくださいね(^^)

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