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石化再編について理解を深める本まとめ

最近の話だが、事業環境の悪化により、国内化学メーカーで石化再編の機運が高まっている。
石化再編の論点としては①需給の最適化②カーボンニュートラル対応の2点が挙げられる。
石油化学産業は、原油から得られるナフサなどから様々な化学品を製造し、幅広い産業に製品を供給している。プラスチック以外にも、合成繊維や合成ゴム、塗料や洗剤などにも使用されている。経済安全保障上、国内になければならない産業だ。国内にコンビナートを残すためにも石化再編の議論が活発的に行われている。
この記事では石化再編について理解を深めるのに役立つ本や資料を紹介したい。

コンビナート・リノベーション

石化再編というと、ナフサクラッカーの全体最適化に注目されがちだが、カーボンニュートラル対応も重要なトピックである。
コンビナートのカーボンニュートラル化についてまとまった本があるのだが、その名前はズバリ『コンビナート・リノベーション』。
読んでみたが、コンビナートのカーボンニュートラル化について上手くまとまっている良書だった。今後の化学コンビナートのカーボンニュートラル化を考える上で有用な書籍。


コンビナート統合

少し前の出版にはなるのだが、コンビナート統合について説明しているのが『コンビナート統合』という本だ。
最近の事例は載っていないが各コンビナートの歴史や概要、再編の可能性について議論や考察がされているので一読の価値あり。


コンビナート新時代ーIoT・水素・地域間連携

コンビナート統合による事業連携によってコスト競争力を高めて海外企業に対抗できる体制を整えてきた。
この本は、大きな環境変化に連動したコンビナートの新機軸として、①IoT(Internet of Things)を駆使したスマートコンビナート化、②水素の本格的活用、③複数のコンビナートを結ぶことによる地域間連携を取り上げ、解説している。


番外編:各コンビナートの原料系統図

https://www.jpca.or.jp/files/trends/kakusha.pdf

めっちゃくちゃマニアックだが、各コンビナートの原料系統図は石油化学工業協会のホームページで公開されている。これを見てもらったら分かるように多くの化学メーカーが関わりながら製造している。再編が進まない理由の1つでもある。


番外編:石油化学産業のトランジション推進に向けて

https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/sangyou/pdf/mif_243.pdf

みずほ銀行 産業調査部が作成した石油化学再編についてまとめられたレポート。コンビナートの全体最適化、カーボンニュートラル対応について丁寧にまとめられている。


番外編:とるえんのポスト

石化再編についてはXで簡単にまとめたものを投稿しております。よければ是非。

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