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【経産省】中小企業へのDX外部支援に関する資料を読んでみた

ケムファクと申します。
普段はプラントの技術者向けのブログを書いています。

2023年11月29日、経産省が実施する「支援機関を通じた中堅・中小企業等のDX支援の在り方に関する検討会」第一回会合が開かれました。
なかなか深刻な内容で、自身のためにも整理して共有します!!

【お知らせ】
本記事は「製造業DX」アドベントカレンダー企画に合わせて書きました。
もしご興味があればぜひ参加ください!


検討会の背景

経産省のHPによると、「支援機関を通じた中堅・中小企業等のDX支援の在り方に関する検討会」が開かれる目的は、支援機関を通じた中堅・中小企業等のDX支援方法を議論し、共通理解を深めることです。

中堅・中小企業がDXを推進することは企業価値向上に有益ですが、人材、情報、資金不足のため自力での推進は難しいです。
このような企業に対して外部支援機関は重要ながら、DX支援の方法や人材のスキルが未確立で人材不足も問題です。この状況に鑑み、地域支援機関を中心に、中堅・中小企業のDX支援の具体的な方法を議論する検討会が立ち上げられました。

国内の中堅・中小企業は、企業数ベースで約99.7%、従業員ベースで約68.8%の割合を占めています。これら企業を支えることで経済の活性化に繋がります。

中小企業におけるDXの現状

DX推進の風潮が後押しして各社のデジタル化が進んでいますが、中小企業の2割が未着手、4割5分がアナログ脱却を進める段階です。
まだまだ道のりは長い状況です。

中小企業におけるデジタル化・DXの取組状況
「第1回 支援機関を通じた中堅・中小企業等のDX支援の在り方に関する検討会」事務局説明資料より)

代表事例

代表的な取り組みは、製造業寄りの内容で見ると以下の通りです。

  • 文書の電子化・ペーパレス化(64.4%)

  • クラウドサービスの活用(35.9%)

  • IoT活用(17.9%)

  • AIの活用(13.5%)

この結果は「中小企業のDX推進に関する調査(2023年)アンケート調査報告書」を基に集計されており、製造業は半分程度です。

アンケート回答の業種別割合
中小企業の DX 推進に関する調査(2023 年)アンケート調査報告書より)

この回答内容からも、未だ電子化が行われており、これから大きな効果を出していく段階であると分かります。

支援機関の活用状況と課題

DXに取り組む中小企業のうち、半数程度が支援機関を活用しています。その内訳は金融機関やITベンダーが多くを占め、その他に商工会や公認会計士、コンサルなどが上位にあります。

各支援機関の課題

現状、中小企業の命運を握る支援機関には課題が残されています。

  • そもそも支援ビジネスとしての基盤が出来ていない

  • 組織内外における連携が取れていない

  • 支援可能な人材不足かつ人材要件も不明瞭

資料においては「課題に係る主なヒアリング結果」がまとめられています。まず自社で取り組めよ!と言われんばかりの内容が目立ちました。

今後の論点

資料には主要論点案として以下の内容が掲げられています。

  • 中堅・中小企業等のDX推進に対して、支援機関はどのような役割を果たすべきか

  • 特に中堅・中小企業等のDXにおいて、企業として、支援機関として目指すべき姿は何か

  • 中堅・中小企業等のDX推進により、地域全体の利益となり、地域が発展するための経路をどのように考えるか

現状を見る限り、支援機関自体に知見が無く、人材もいません。支援機関を支援する機関(経産省?)が必要になるという結論にならなければ良いのですが……

検討会は計8回を想定されており、2024年3月中旬に最終報告が予定されています。

別の機関も活用できる!

報告資料にあるような機関を活用せずとも、DXを進める基盤づくりができます。
私の思いつく範囲でいくつか紹介します。

ファクトリーサイエンティスト協会

製造現場主導でDXを進めるための支援機関としてファクトリーサイエンティスト協会があります。
そもそもデータが取れていない・取り方が分からない、そんな状況を打開するための講座が開かれています。実用的な技術が欲しい場合にオススメです。
公式TAでもある、しぶちょー(@sibucho_labo)さんの書かれた記事が参考になります。

マナビDX Quest

経済産業省が主体となり開催しているマナビDX Questというイベントがあります。
企業の課題を解決するために、課題を決め、方向性を決め、AI開発し、報告資料を作る、この一連作業をロールプレイングで体験しながら学べます。
後半では実際に企業と共同で未解決課題に取り組むことも出来ます。

全て無料ですので是非2024年度は参加してみてください!
2022年度に参加したときの記事も参考にしてみてください。

旭鉄工の工場見学

FA寄りの方は是非とも旭鉄工さんの工場見学を検討ください。
400名程度の会社で、IoTによる見える化を駆使して4億円/年の改善を実現しています。

更に、社内の事例を活用してi Smart Technologies 株式会社を立ち上げ、サービスとして販売するまでに成長させています。まさにDXです。

なんと、この大きな効果を実現した工場を見学できます。自社はどう取り組めば良いか、考えるために非常に参考になるはずです!
33,000円/名(税込)で参加できます。

宣伝

ブログやSNSで発信活動しています。
最後に、いくつか宣伝をさせて頂きます。

製造業DX アドベントカレンダー

2023年度は「製造業DX」に関するアドベントカレンダーを主催しています。
もしご興味があれば是非とも参加ください!

ブログ「ケムファク」

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配管・化学工学・機械・電気計装・データサイエンスなど広い分野で記載しています。

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