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三浦春馬さんを語ろう。 30歳 未来へ

30歳の春馬くんはまだ続いていて、思い出になっていません。
今までも半年くらい姿を見ないことは多々あったし、1年以上前に撮影した映画の告知が流れては「別人みたい」なんて呟くことも多々。だから、またふらっと現れてくれるんじゃないか、なんて思う時があります。

誕生日 『日本製』 発売

30歳の誕生日に、4年かけて取材を続けてきた『日本製』が発売。
25歳から続けてきた集大成。そして、走り抜けた29歳の1年間の活動記録とも言える写真の数々と、30歳を迎えるにあたってのロングインタビュー。(細かい内容は、過去記事でどうぞ。)

今までも「30歳までには」とか「30歳で」という発言が度々出ていた春馬くん。10代の頃は「大河の主役」。20代前半の頃は「結婚」。『日本製』の中で語っているのは「海外の作品」。

昨年の冬「結婚はまだしないかなー。今はとにかく自分の時間が欲しい」と、話していたのを思い出します。20代中盤から準備してきて30歳で一区切りにして、新たなスタートと捉えていたんじゃないかな?と。

『日本製』は「海外に行った時、自国の文化のことを話せるようになりたい」といった観点からスタートした取材だったと思うのだけれど、経済学者の方から「日本各地の現場を、経済学や経営学とは違った視点でこれだけしっかり見せてもらうことが出来、経済学の副読本としても有用な一冊。」と評価をいただくほどになりました。

本の中でスタッフさんが「このテーマ扱うの?」と驚いている様子があったけれど、細かなことに気づく感性と観察力と、あまり枠に囚われない好奇心旺盛な性格が、結果として縦割りや分類にとわられない包括的な視点に繋がっているように思います。

2nd シングル 『Night Diver』

コロナ自粛が続く中、おそらく4月頃、2ndシングル「Night Diver」とカップリングの「One」 と、春馬くん作詞作曲の「You & I」の3曲のレコーディング。
DVDにはツツジの花が見えるから、PV撮影は5月頃でしょうか?

「Night Diver」はとても幻想的で、美しい。ヴォーカルラインは春馬くんの声が何重にも重ねられていて、所々ハイトーンやベースの声も響き、吐息までメロディのように重なっている。
バレエとコンテンポラリーが混ざったようなダンスは、つま先、指先までしなやかでバレエダンサーのよう。しかしこの曲、Music Videoとしては最高だけど、ライブで歌うのはとても難しそう。

「Night Diver」のPVがYou Tubeに公開されたのは7月24日。その日、ミュージックステーションに出演予定だったとか。
こんな難しい曲を、口パクじゃなくて、生で歌って踊るつもりだったのかしら?

自分で作詞作曲した「You & I」。心地よく響く低音から、綺麗に抜ける高音へ。優しいバラードが性格にも声質にも合っていて、「日々の甘味が滲み出す」なんて詩的な日本語も春馬くんらしい。

一番の驚きは「YOU」のスタジオセッションバージョン。ジャズのリズムに身体を委ねて、そんなに楽しそうに伸びやかに歌えるなんて!
地声もファルセットも心地良すぎて、ずっとこの音の中で泳いでいたい。
まさか、最後にこれを残されるとは。。。思わぬ所で沼に落ちました。

3年目の 『せかほし』

日本より欧米の方がコロナの影響は早く、世界各地を飛ぶバイヤーさんを取材してきた『世界はほしいモノにあふれている』にも影響が出ました。現地在住の方と中継を繋いで素敵な情報とともに各国の情勢を伺ったり、日本在住の海外の方がゲストになったり。ニュースとはちょっと違うリアル情報も気になり、今まで以上に興味深く見ていました。

5月頃は「おうち時間を心地よく」シリーズになり、時々過去の神回の再放送も混じり、春馬くんとJUJUさんの間にアクリル板が立つように。
ああ、番組も大変ね、と思いつつ、相変わらずのJUJUさんと春馬くんの笑い声と美味しそうな顔は、これまで以上に楽しみな癒しの時間でした。
休めているのかな?髪型変わったから何か撮影始まったのかな、なんて思いながら。

この番組はずっと続くと思っていました。

7月16日が最後の収録だったそう。
そこから3回の放送。どの回の収録が最後だったのか分からないけれど、放送された最後の回のテーマは「日本」。2年半やってきて、初めての日本。

全く根拠はないけど、なんだか綺麗に幕を閉じたように感じました。

この回で春馬くんは『日本製』でも取材した漆の器を紹介し、「経年美化」と表現。経年変化を言い間違えたのか、意志を持って経年美化と表現したのかは分かりません。でもこの言葉は使っていこうと思います。

JUJU さんが春馬くんからもらった茶筒を紹介し、「ありがとう」と。
無言で「どういたしまして」と言うように小首を傾げた春馬くんの、とても穏やかな微笑みが忘れられません。


ドラマ 『お金の切れ目が恋の始まり』

7月14日に「日に日に暑くなって参りましたが、キャスト、スタッフ一同、テレビの前の皆様に9月から、より笑って頂きたく撮影に励んでおります!」と撮影中の様子が投稿された、9月15日スタートのドラマ。全8話の予定が4話に。

金銭感覚が飛んでいる母(キムラ緑子さん)に甘やかされて育ったオモチャメーカーの御曹司、猿渡慶太役。
ランチはお弁当3種類。食べきれる訳ないけど美味しそうだったから買ってきた。食後のコーヒーは「甘いの、冷たいの、あったかいの、全部飲みたいじゃん。トライアングルで飲みたいじゃん!」とこちらも3種類。

「難しい数字は頭が痛くなっちゃう」から経理のデスクからはすぐにいなくなっちゃう上に「指サックどっか飛んでっちゃったー、ちょーだい!」・・オイオイ
全く悪気なく人のプライベートにもズカズカ入ってしまう、一見無神経な人。

一歩間違えたら単なるお馬鹿なボンボン。最初は「何この人?」と思うのに、びっくりするほど嫌味がなく、根っからのポジティブで心優しく、本当にピュア。何だかほっとけなくなり、いつの間にかみんな好きになっているキュートな33歳。

ガッキー(北村匠海さん)を会議室で追っかける時「ギュイン!」って効果音が聞こえそうな反動をつけての方向転換とか、キックボードで陶器屋さんの前に止まる時の「ひゅ〜ん・・おっ??」と聞こえてきそうな仰け反りなど、とても細かくてコミカルな身体の動きと表情が本当に秀逸。

180円のおそばを幸せそうに食べる玲子さんを見守る姿や、玲子さんにデート用のイヤリングを選んであげたり、渡そうと思った豆皿をポケットに忍ばせて何事もなかったように一緒に帰ったり。優しくそっと寄り添ってくれる姿は慶太というか春馬くん自身のよう。

3話の最後は可愛い小鳥キス。
最終話となった4話は冒頭の布団に寝ているシーンだけで、朝一出かけたきり行方不明な、自由気ままな人になっていた。

ドラマなのか、現実なのかごっちゃになり、途中から涙が止まらなく、最後は大泣きし、しばらく呆然とした。

女優さんを綺麗に見せるキス職人と言われて、散々キスシーン見てきたけど、最後のシーンが小鳥キスですか。なんだかそれも、春馬くんらしいね。

今までどんなに体調が悪くても撮影には集中し、完璧な演技をしてきた春馬くん。
優しくてチャーミングな慶太をありがとう。


映画 『森の学校』

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秋頃、「ドリパス」というリクエスト式で過去の映画を再上映するサイトの存在を知りました。三浦春馬ジャックか?と思うほど春馬くん作品で溢れる中、12歳の時の初主演映画「森の学校」の上映が決まったと知り、観に行ってきました。

喧嘩のシーンの目力や繊細な表情の「俳優 三浦春馬」の要素と、動物好きで好奇心旺盛でヤンチャな素の少年春馬くんが同居していて、これは正に代表作第1号。
大人になった今も全然変わってない部分がたくさんあり、本当に天然素材というか、役者になるべく生まれてきた人だったのだと思いました。

詳しい内容や演技については、hoofさんが全てまとめて下さってますので、ぜひ。

京都大学名誉教授で世界的な霊長類学者の河合雅雄先生の幼少期を描いた作品で、文部省推奨にもなり、当時学校や公民館などで上映されていたそう。家族のあり方や子育て、人と自然の共存、命との向き合い方、など、とても奥深い内容で、マト(春馬)くんの名演技も重なり、ホロリとしたり大笑いしたり。
小中学生やその親御さんには特に見ていただきたい、お勧めの名作です。

初回発売はチケット争奪戦になりサーバーが落ちるほどだったこの作品は、ドリパスの域におさまらずTOHOのサイトでチケット販売されるようになり、続々と全国各地に上映会館が広がっています。

『森の学校』以外にも、単館映画館では過去作品が上映されたり、『天外者』は上映終了の案内が出たと思ったら延びたり、終わった映画館で再び始まったり。

映画館で働く方々の思いが館内の展示物やBGMにも溢れていたりして、こうやって、作品は語り継がれ、「三浦春馬」は人々の中で生き続けていくんだろうな、と感じています。

未来へ

このシリーズを書こうと思ったきっかけの1つに、8月頃、Youtubeの春馬くん動画に投稿されていたコメントがあります。

「進撃の巨人のとき、悪口を書いてごめんよ。原作のファンで、他の人の流れに乗って不満をぶつけてしまったけど、君の演技は良かったよ。」

2015年からずっと「あれは何だったんだろう?」と思っていた私は、この方のコメントで「そうだったんだ」と思うと同時にハッとしました。

匿名の投稿の気軽さと怖さ。
何かおかしいと気づきながらも何もしなかった自分。(反論とかではなく、春馬くんに応援の言葉を送ればよかったと)

ああ、今からでもいいから、あの時、何もしなかったことを謝ろう。そして、応援していこう。と。

「人を思いやる心を持てば、人を許さなければならない状況にはならない」(23歳の時のインタビュー)
「あるがままの自分、あるがままの他人を受け入れる」(キンキーブーツのメッセージ)

悩むことや迷うことはあったと思うけれど、決して人を悪く言ったり、誰かのせいにすることなく、人に対しては良いところをきちんと言葉にして伝えることを大切にしていた春馬くん。

きっと、今もその気持ちは変わっていないと思います。
ならば、私もその意思を継いでいこうと。

20代後半の辛い思い出も書いたのは、この時期に逃げずに乗り越えたからこそ、春馬くんの心の美しさがより磨かれ、人としての深さが増したと思ったからです。
私から見えた外野の声と私の思いであって、春馬くん自身に何が起きていたか、どう感じていたかは分かりませんが、一切周囲の要因のせいにはせず、自分の内面のことだけをインタビューで話し続けた姿からは、弱さではなく潔さと気高さを感じていました。

そんな内面の綺麗さが、元々の容姿に磨きをかけて、多くの人を惹きつけているのだと思います。

勝手なイメージですが、次のステップに行こうと思っている春馬くんに、「もう十分作品も残したから、こっちにおいで。」と神様が呼び寄せてしまったように感じています。
・・そう思うようにしています。

私の思い出が一人でも多くの方が三浦春馬さんを知るきっかけになり、彼の人生や作品から何かを感じ、一人でも多くの方の心の中に三浦春馬さんが生き続けていただけたら、とても嬉しく思います。

恐らく、今はまだ、さまざまな立場があり語れない方もいらっしゃると思います。どうか、春馬さんと一緒にお仕事をされた方々、関係者の方々には今後も活躍していただいて、いつか語れる時が来たら語り継いでいただきたいと思います。

そしていつの日か、三浦春馬物語とか、三浦春馬全集のような作品ができることを願っております。




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この内容は以前「三浦春馬さんを語ろう。13年間の思い出とこれから」を書いた際、大幅に削った私の記憶と思い出です。個人的な見解になりますこと、ご了承ください。

その他の年代はこちら
17歳 18歳 19歳20歳 21歳 22歳 23歳 24歳 25歳 26歳  /27歳 28歳 / 29歳

一部分の抜粋は誤解を招く表現もございます。
引用、転載の際は事前にご連絡いただけましたら幸いです。

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