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三浦春馬さんを語ろう。 25歳 光と影

日本中の注目を集めた『進撃の巨人』が公開になった2015年。
4月に写真集「ふれる」を発売した後、春に舞台、夏は映画、冬ドラマと満遍なく活躍しましたが、色々な思いが残る1年でした。

舞台  『地獄のオルフェウス』

5月6日の記者会見に続き、5月7日から6月14日まで、東京と大阪で公演された『地獄のオルフェウス』。原作はテネシー・ウィリアムズの戯曲、演出はロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで実績を積みロンドンで若手演出家として注目されているフィリップ・ブリーンさん。

舞台にもいろんなジャンルがあり、この作品はストレートプレイというセリフと芝居中心で進むもの。『真夜中の五分前』の時のインタビューで「常に自分が踏み入れていないフィールド、ステージを目指したいというのがある」と語っていたので、初の海外演出家、初の戯曲、初のストレートプレイ、というこの舞台は、とても良いチャレンジだったと思います。

「何より嬉しいのは大先輩の大竹しのぶさんとご一緒できること」
大竹しのぶさんといえば、舞台で顔がただれるシーンを演じている時、本当に顔の左半分が腫れてただれたようになった、というエピソードがあり、乗り移ったような迫力ある演技をする、舞台女優としてはピカイチ、と定評のある方。

その大竹しのぶさんと親子ほど歳の違う春馬くんが初ストレートプレイで恋人役!?と注目されましたが、開けてみれば「全然大竹さんに押されていなく、圧倒的な存在感だった。」「歌も演奏も演技もビジュアルも完璧。」と、演劇界隈ではまたもや驚きと賛辞が溢れたのでした。

原作が英語の作品もこの時初めて。大竹しのぶさんから英語の原作も併せて読んで、原作のニュアンスを掴むことを教わったそう。これ以降、ずっと海外の原作の舞台になるので役立ったようす。

監督さんがとてもおしゃべり好きな方で、稽古のほとんどずっと芝居についてお話しされていたそう。10代の頃から芝居のことを語るのが好きな春馬くんと合いそうですね。

ヴァル艶

春馬くん演じる「ヴァル」は大竹しのぶさんの他、大ベテラン三田和代さん、水川あさみさんと、お姉様女優さん3人にモテモテの役。4人で稽古前に仲良く一緒にストレッチをしている姿もあり、とても楽しそうでした。

演出家のフィリップさんから身体を鍛えてほしい、と言われ、プロテインを飲んで7Kg体重を増やしたそうで、この時期の春馬くんはお顔も身体も程よく逞しく、お肌も艶々。まるで彫刻のよう。

舞台の後半になると春馬くんの影響で女優さん達のお肌に艶が出るらしく、「ヴァル艶」と命名。
舞台を観に行った人までヴァル艶の効果がある、とまで言われました。

この作品、映像が残っていないとか。残念すぎます。


映画 『進撃の巨人』 公開キャンペーン

昨年撮影した『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(前篇)がいよいよ8月1日に公開!   7月12日のジャパンプレミアに始まり、14日にはワールドプレミアでLAへ、8月1日の前篇公開初日はお台場で舞台挨拶。

その前から話題も大きく、LAのワールドプレミアの様子は大きく報じられました。黒のスーツをビシッと決めて水原希子さんとレッドカーペットを歩く姿はハリウッドスターに負けない存在感。スタンディングオーベーションで大喝采を浴びる様子に、見ている私まで誇らしく感じたものです。

昨年の撮影の様子なども報じられていたので、「よかったねー、頑張ったかいあったねー」と思い、「ハリウッド行けるな」と、勝手に確信。

とてもかっこいいポスターと告知PV。公開後の映画ランキング1位になり、映画館周りは進撃の巨人に溢れ、見守るお姉さんは一安心。しかし、どうも絵的に苦手感があり「うーん、これは観るのはいいか・・・」と、心の距離をおいた数日間。

ふと気づいたら、何やら舞台挨拶を殺人的にこなしていると。

13日名古屋、14日六本木、18日広島、25日27日福岡、30日茨城・・・・
後篇公開の前に9月15日香港でワールドプレミア、そして9月19日六本木での後篇公開初日の舞台挨拶まで、舞台挨拶58回。取材に応じた数は261媒体。

8月上旬に観に行った方々のレビューで評判の悪い書き込みが目立っていたので、舞台挨拶を追加したそう。「三浦春馬を引き回しの刑に」などという見出しも見られました。

作品マイナス評が立ち、スタッフ不仲の話題もあり、何より目立つ「主演の演技が下手すぎる」と。当時は春馬くんが気になって、春馬くんインタビューばかり読んでいたものです。

「実写化の話が動き出しているという噂は聞いていました。すでに撮り終えているのかな、と思っていたので台本を渡された時はびっくりしました。ただその時は『最前線の人物』という話で、具体的にエレンが主人公になるかも決まっていなかったみたいなんです。」

「当然プレッシャーはありました。世間の皆さんはどう感じるんだろうってね…。さらにエキストラさんを含めれば、延べ1500人以上の凄いエネルギーが動いている現場。その中で、自分が主演として何ができるのか、現場を和ませればいいのか、芝居に集中したほうがいいのか……ということを色々考えました。」

「原作ファンだから、最初に脚本をもらった時には驚きました。原作ファンはどう思うかな?と。」

「プレッシャーもあったけれど『進撃の巨人の世界観の中で生きられるんだ』という喜びも大きかった。」

「演じることに迷いはなかったんですが、悩んだことはありました。樋口監督から言われたのは『カッコ良すぎるからもう少し可愛らしくやってほしい』って。本当に悩みました……(苦笑)。」

「前篇公開舞台挨拶の前夜、「変な汗」をかいて目が覚めました。」

「後篇のラストは試写を見て驚いた。台本にないことが盛り込まれていたので。まさか撮っているとは思っていなかったので、僕の中ではどんでん返しでした。(笑)皆さんにどう思っていただけるかわかりませんが、そこも見どころの一つだと思います」

なるほど。なんだか、色々あったのね。
誰が言い出したのか分からないけど、主役の責任になっちゃったのね、と当時思っていました。

意を決して、2020年秋にチャレンジ!
原作は深夜に放映されていたのを1,2回見たことある程度な私は、それなりに面白いと思うのですが、やっぱり映像がこわい。絵ならまだ良いけど、実写だとリアルすぎて、うーん。。。
だけど、春馬くんの演技は下手じゃないぞ!!

なぜ酷評になってしまったのか、とても冷静に検証している記事を発見。

興行収入は前篇が32.5億、後篇が16.8億。
春馬くんの過去の作品で比べると、『恋空』39億円、『君に届け』が15.3億円。

悪い、悪いと言っても、さすが『進撃の巨人』だな、と思うのですが、どう見ても制作費が桁違いですね。

「映画はこういうコンセプトで、原作とは違います」と公開前に公表していたら、それほど問題にはならなかったのではないかと思いました。

後篇公開日、9月19日の舞台挨拶での春馬くんの最後の挨拶。

この作品で主演を努めることにとても大きなプレッシャーがありましたが、そのなかでたくさん学び、考え、感じて過ごしてきました。
特に同世代でもある水原さんと本郷くんにはずっと支えてもらいました。
そして、このチームをまとめ上げた監督にもう一度大きな拍手をお願いします。
本当におちゃめで、現場でずっと奮起していた監督。本当に良い監督でした!
素晴らしい景色を見せてくれた『進撃の巨人』が多くの人の心に残り続けることを願っています。

舞台上で涙する監督。

この頃にはすっかり「主演の演技が下手」がネットに溢れていましたが、一言も文句を言わず、最後まで感謝の言葉で終えた春馬くんを讃えたいと思います。

春馬くんのこのようなプロ根性、優しさと芯の強さがとても好きです。


『日本製』スタート

「2015年9月、初連載最初の目的地である鹿児島県の種子島に向かうため・・・」とあるので、19日の最後の舞台挨拶の後、鹿児島を皮切りに九州7県を巡ったと思われます。

進撃の巨人キャンペーンで「地球を4分の3周した」後に、また旅、、、という気もしますが、「とうとう始まるんですね、もう楽しみでしかない」と言いながら自前のカメラを点検していたようで、ほっこりします。

『奈緒子』のロケで訪れた長崎の壱岐島で忘れていた懐かしい記憶を思い出したり、会ってみたかった博多ちゃんぽんの職人さんとお会いしたり、温泉上りのほわっとした姿など、この時期だったんだ、、と思って読むとまた感慨ひとしお。

日本製については、別記事にまとめてありますので、よろしければごらん下さい。

ドラマ『私を離さないで』

1月から3月は、TBSのドラマ『私を離さないで』でした。
普通に生きる人間ではなく、「提供者」という、臓器移植の提供のために生きている子達、クローンの施設の話、という、とても難しい設定。子役から引き継く年齢も若いということもあり、髪が短くなっただけでなく、顔の雰囲気も変わりました。

綾瀬はるかさん主演、脚本は綾瀬はるかさん主演作品を多く書かれている森下佳子さん。水川あさみさん、麻生祐未さん、と共演の方も良く、しっかり見れば良いドラマなのですが、テーマが難しく、また春馬くんの演技がリアルなので、悲しさや辛さが痛いほど伝わってきて、当時見続けることが出来ませんでした。

Rickyさんが素晴らしいレポートを書いてくださっています。

この頃(今もですが)、高視聴率女優と名高い綾瀬はるかさん主演で、制作発表の時は話題になったのですが、初回から低空飛行だったので、あまり話題に取り上げてもらえず。視聴率を取りに行っている感じがしなかったので、演技の幅を広げる目的で良かったのでしょうか。

文学や演劇に詳しい方の評価は高く、2017年に原作者のカズオ・イシグロさんがノーベル文学賞を受賞したことで話題になり、地上波でも再放送されました。
実のある作品はこうやって残って行くのかな、と思います。

光と影

1年前から他の話題を差し置いてずっと注目されていた『進撃の巨人』の主役という大役。強すぎる光は諸刃の剣だったのかと。

いい仕事をしているのに、評価が厳しかった1年だったのではないかと思います。
こういう時の対処や過ごし方で、人間の本質が見えてくるとも感じていました。

春馬くん自身、23歳から艶々な大人モードでしたが、25歳の春夏は、テレビに出るたびMCの方や共演者の方から「かっこいいねー」「綺麗だねー」「芸能人毎日見てるけど、ダントツだね」「ちょっとじっくり見ていい?」と言われまくり。

芸能人同士でここまで言われる事って珍しいと思いますが、それくらい、ちょっと異次元の容姿。

しかし、昨年まであった翌年のカレンダー告知がなく。
あれ?こんなにかっこいい時にカレンダー出さないの???

秋冬頃から「自分の責任です」発言が出るようになり、艶々のお顔に陰りが出た時期の『私を離さないで』。役作りなのか、春馬くん本人がそんな気分なのかごっちゃになり、複雑な気分に包まれた2016年のスタートでした。





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この内容は以前「三浦春馬さんを語ろう。13年間の思い出とこれから」を書いた際、大幅に削った私の記憶と思い出です。個人的な見解になりますこと、ご了承ください。

17歳から年齢別に綴っています。
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一部分の抜粋は誤解を招く表現もございます。
引用、転載の際は事前にご連絡いただけましたら幸いです。

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