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ぽんぽこ24にCMが採用された話


■ぽんぽこ24が開催された

先日、甲賀流忍者!ぽんぽこさんとピーナッツくんのユニットぽこピーが主催する24時間配信企画「ぽんぽこ24」が開催された。個人勢VTuberであるぽこピーが、個人勢だけでなくホロライブやにじさんじといった企業勢を巻き込んでバラエティに飛んだ企画を行う大型配信。この配信では企画と企画の間で有志のCMが放送される。VTuberだけでないCMも採用されることがあり、過去にはインディーズ映画カウンセラーの予告編が放送されたこともある。

私は去年からVTuberにハマり、ぽこピーは推しである。実際にピーナッツくんのワンマンライブ「Walk Through the Stars Tour」やガチ恋ぽんぽこさんがコラボした昆虫食を食べにTAKE-NOKOへ足を運んだことがある。

2022年末から、映画の伝道師系VTuberとして活動するようになったのだが、CMを作ったことがなかった。VTuber界隈では自分のチャンネルを紹介するため、一問一答やCMを作ってチャンネルのわかりやすいところに配置することが多い。

今年も「ぽんぽこ24」が開催されるとアナウンスがあった時、思い立った。

「CMを作ろう!?」

■CM理論を学んで応募してみた

とはいえ、CMの作り方ってどうやって作れば良いのだろうか?

映画オタクの悪い癖であるのだが、文章や配信で映画について語る時、情報過多になりがちだ。1分ぐらいで注目を集め、チャンネルへ遊びに来ていただけるAIDMAの導線を作ることは容易ではない。

こういう時は有識者に訊いてみようと、会社の広告専門家へ泣きついてみた。いくつかの参考文献と共にアドバイスをいただいたので実装してみた。

理論をもとに実装したら、激戦区ともいえる倍率(約3.8倍※280/1060本)を乗り越えて推しの配信にて私のCMが採用された(ありがとうございます!)。次回以降の参考になるかもしれないので、以下にポイントを書いておく。

(5:04:35付近で放送された)

①注目と共感を誘う冒頭

唯一無二のあいさつ「ご無沙汰ンタンゴ」をかましている

短いCMにおいて、インパクトは重要である。私の場合、冒頭で個性的なあいさつ「ご無沙汰ンタンゴ(ご無沙汰と7時間ぐらいするハンガリー映画『サタンタンゴ』を悪魔合体させている)」を配信や動画で毎回やっているので、CMも踏襲することにした。

また、パロディは注目を集めるのに有効であるので

1.「きゅうくらりん」的背景の実装
2.YouTubeでよく見かける胡散臭い早口広告
3.
デデドン!(絶望)の起用

を導入に使った。

そして最近、コンサルの勉強をする中で「Yes」をいかに相手から引き出すかが興味関心の持続につながると知った。そこで

「みなさんはこんな経験はないですか?」
「NetflixやAmazon Prime Videoで観たい映画を探しているうちに1時間ぐらい経ってしまった」
「映画が多すぎて自分じゃ決められない」
「誰も知らない謎映画を見てみたい」

と共感を刺撃する語りで始めてみた。これは間接的な自己紹介となっており、自分のYouTubeチャンネルではどういった情報や体験ができるかを匂わせているのである。スパイスとして、からすまAチャンネル犬山たまきさんがよく使うSEデデドン!(絶望)を加えた。コメント欄では実際に、反応している方が多かった。Attention(注意)として効果的なSEであったのは明白だ。

②定量的と定性的の融合

「死ぬまでに観たい映画1001本」全部観たは、
映画1000本観たと言うよりガチ感が伝わります

人に説明する時、定量的/定性的を意識することが重要だとよく言われる。映画界隈だと「〜本観た」が定量的説明になる。実際に映画のオフ会を始め、いろんな場でこういった発言はされるが、本数だけだと具体性に欠けるなと思う。ホラー映画に強いのか単に雑食なのか、理論的に映画を観ているのかが分かりにくかったりする。ここで定性的説明が必要なのだが、自分の場合「死ぬまでに観たい映画1001本」を観たと言えば、定量的説明と定性的説明を同時に行うことができる。

専門的知識から映画をオススメする人、ガチ勢であることを伝えることができるのだ。一方で、意図しないターゲット層に届いてしまって、結果的に視聴者に不快な想いをさせてしまうリスクを軽減する役割も担っている。ここで映画性を示すことで、興味ない方は避けて頂くよう導線を引いているのである。


③具体的な動画配信内容の提示

日本未公開作、謎映画(サメ映画)、バズった動画、NETFLIX映画のサムネを貼った
済東鉄腸さんとKnights of Odessさんを呼んだ回の配信を早送りで提示

30秒以降は、具体的な動画配信内容の紹介となる。まず、サムネを4つ提示した。ここでは

・日本未公開映画(『HOW TO BLOW UP A PIPELINE』)
・謎映画※サメ映画(『インビジブル・シャーク』)
・バズった動画(『オオカミの家』)
・NETFLIX配信作品(『ペッツ・アウトロー』)

を配置した。やはりYouTubeではサメ映画が人気なこともあり「サメの出ないサメ映画ってなんやねん!」みたいなツッコミが入った。

次に配信で有識者を呼んで配信していることを語った。『ゴダール・ソシアリスム』の予告編が、本編を早送りで全て見せるファスト映画方式だったのを援用し、ゲストを呼んだ配信を早送りで提示した。ここはマニアックすぎるのでサラッと流した。

映画のタイトル羅列芸
『ゼイリブ』オマージュ
『ゼイリブ』の該当シーン(MUBIより画像引用)

最後に、映画系チャンネルらしく映画のオマージュで締めようと、『ゼイリブ』を引用した。本作はグラサンをかけると広告のメッセージが見えてしまうシーンがある。これを応用してたくさん映画のタイトルを並べ、内容を一言で表したメッセージを次のカットで提示してみせた。

「サザエさんって映画があるんだ!」とコメントが流れていたので、興味関心を抱いていただけたようだ。

④QRコードを貼ろう

導線作りとしてのQRコード

CM放送からチャンネル登録へと繋げるには導線を作る必要がある。過去事例を見ると、QRコードを貼っているケースが多かったので自分も実装した。

■CM放送による反響はあったのか

チャンネル登録して1日後に急落するのはよくあることらしい

CM放送されてから影響はあったのか?

YouTubeチャンネル登録者は288人から337人と49人増えた。しかし、1日後には急落し314人となった。これはぽんぽこ24にCM採用された個人勢の間ではよくある話だそうです。YouTubeに限らず、SNSでの短絡的なバズは効果的とは言えない。常に情報を発信し続けて、信頼や口コミを積層させていくことでイノベーションが生まれていくものである。自分が映画の伝道師系VTuberとして活動する目的も、マイナー映画や日本未公開映画を一緒に掘ってくれる仲間が生まれることにあるので全く問題はないだろう。

次回、「ぽんぽこ24」に応募される方の参考になればと思います。

また今回のぽんぽこ24もめちゃくちゃ面白かったです。行動力あふれるVTuberたちの1日チャレンジ企画や「すべりそうですべらないちょっとすべる話」で語られるパワフルなエピソード、抱腹絶倒な「帰ってきた!学力テスト」など見所いっぱいなのでまだ観ていない方は是非!

■おまけ:ぽんぽこ24公式サイトにも掲載されました

ぽんぽこ24では放送されたCMが一覧として公式サイトに掲載されます

「ぽんぽこ24」には公式サイトがあるのですが、丁寧に放送されたCMが一覧として掲載されている。面白いVTuberを常に探している私にとって非常にありがたい。助かります。

■ぽんぽこチャンネル概要

個人勢としてのフットワークの軽さを活かして、突然ベトナムへ行ったり、琵琶湖一周したりと凄まじい行動力で毎日のように動画をアップしているチャンネルです。

相方のピーナッツくんは音楽アーティストとしても熱心に活動されており、「グミ超うめぇ」などといった名曲を生み出しています。VTuberとしての安定感もあり、初心者におすすめしているVTuberでもあります。

なお、映画ガチ勢の私から見てこの二人はめちゃくちゃ映画に詳しくかつ面白く紹介できる方だなと尊敬しています。

🍃ぽんぽこさんのX(旧:Twitter)
🥜ピーナッツくんのX(旧:Twitter)

■次回CM応募される方の参考動画

後日行われた、選考振り返り配信ではこんなことが語られていました。
これは要注意とのことです。
自分の場合は「個性を活かした自己紹介」枠のようだ。

レオン・ゼロミヤさんのCMフィードバック配信は勉強になります。来年以降参加される際には、是非参考にしてみてください。

放送CMについて4秒コメントするコーナーでぽんぽこさんに
「凄すぎる、マニアックすぎるだろ!」とツッコまれました。
推しに『死ぬまでに観たい映画1001本』の存在が伝わったのは熱いですね。

■映画の伝道師系VTuber che bunbun概要

映画の伝道師のチェ・ブンブンです🐝 今公開の作品から隠れた名作、日本未公開の謎映画を紹介していきます。 また、世界遺産検定1級を持っているので世界地理の話もできたらなと思います。 みんなも異次元の扉を除いてみませんか?

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