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【自由研究】CMを作ってみた話


■ぽんぽこ24のCM募集がはじまった!

こんにちは、チェ・ブンブンです。

先日、ぽんぽこチャンネルで「ぽんぽこ24」の開催とCM応募の発表が行われました。

「ぽんぽこ24」とはVTuber版24時間テレビのような企画。24時間様々な企画が行われている。主催の甲賀流忍者!ぽんぽこさんとピーナッツくんは個人勢でありながら、にじさんじやホロライブ、ななしいんくと企業勢を集めて大型のバラエティ企画を運営しており、そのパワフルさには脱帽する。そんな「ぽんぽこ24」だが、企画の間には有志から募ったCMが放送される。これはプロ/アマ、ヴァーチャル/実写問わずバラエティ豊かなCMが採用されており、映画業界からは『カウンセラー』の予告編が採用されている。

■CMを作ろう!

さて、VTuberは1問1答や30秒自己紹介動画など、チャンネル紹介用にCMを作るのがセオリーになっているらしい。そして実際に「ぽんぽこ24」に出品しているケースも少なくない。

そういえば、自分のYouTubeチャンネルではCMを作っていないことを思い出し、今回作ってみることにした。また、採用倍率は5倍以上あるらしいのだが、「ぽんぽこ24」のCM枠に応募してみることにした。

■CMの理論を勉強してみた

とはいえ、CMをゼロベースで作るとなると、どのように考えればいいのか分からない。自分の創作は常にインプットから始まるのだが、何を読んで学習すれば良いのか分からなかった。

そこで、広告に強い有識者に相談してみることにした。

いくつかの資料とアドバイスをいただいた。

相談をする際に、カッコつけて「KPIはCMを通じてチャンネル登録者50人ぐらい増えればいいかな」と伝えたのですが、やはり有識者だけあって、本質的なことを見抜いて指摘してくれました。

  1. ターゲットは映画が好きな人の中でもさらに絞って、知られていない映画を観るのが好きで、映画を考察するのが好きなどでやったほうがいいんじゃない?

  2. 好奇心をくすぐるメッセージは必要だね。

  3. チャンネルの流入を促す具体的なキーワードの導入、パロディや連呼系の採用はどうか?

che bunbunのYouTubeチャンネルの理念はまさしく「知られていない映画を観るのが好きで、映画を考察するのが好きな人に向けてライトに映画紹介を行う」だったので、それをピタッと言い当てていて衝撃を受けました。CMでは伝えたいことをひとつに絞った方が良いとのことだったので、その自分の理念に共感する方へ訴求することをミッションとした。

好奇心をくすぐるメッセージは、自分の謎あいさつ「ご無沙汰ンタンゴ」をうまく使えないか?連呼系は「一本満足バー」や「ガリガリ君」のCMをイメージし特徴を捉えた。

■実際にCMを作ってみた。

フェーズ1:脚本を作ろう

まず、CMを作るにあたり、台本を作成してみた。

映画系VTuber常世モコさんの30秒CMを参考にしてみた。

構造を分析すると以下である。

・挨拶

・自分はどんな人か
 ▶︎年間300本観ている(定量的説明)
 ▶︎映画動画や金曜ロードショー同時視聴やっている(定性的説明)

・目標や理念を語る(チャンネル登録者10万人)

・映画羅列▶︎どういう映画好きに来て欲しいかを説明している

・パロディ(『ターミネーター2』▶︎テレビ放送されている系なので「金曜ロードショー同時視聴」要素との親和性高い)

・連呼(映画大好き常世モコを連呼して認知度をあげる)

それを踏まえて脚本を執筆してみた。今回は60秒枠での提出なので、バッファを入れて55~57秒ぐらいに収まるように、ストップウォッチで計りながら脚本を練り込んでいった。以下が脚本段階での構成である。

・挨拶(ご無沙汰ンタンゴを強調する※文字テロップ入れる)

・どういう人に来て欲しいかの説明(映画を決められない、未知なる映画を観たい層への訴求を序盤で行う)

・自分がどういう人かを説明
 ▶︎「死ぬまでに観たい映画1001本」全作鑑賞者(定量と定性を同時に説明できる)

・サムネや動画の配置

・このチャンネルを登録するとどう映画の見方が変わるかの説明

・パロディは『ゼイリブ』を採用

・ご無沙汰ンタンゴの由来を知りたければチャンネルに来てくださいと導線を配置

フェーズ2:動画に落とし込む(収録音声のみ)

CMは音がなくても楽しめるようにする必要があると考えている。そのため、まずは脚本に従って収録した音声のみで動画を作りこむことにした。

世界観としては、『ゼイリブ』やデヴィッド・クローネンバーグのように一度入ったら引き込まれる系をイメージしていたので、最初は「きゅうくらりん」のMVのようなタッチから入ることにした。

「きゅうくらりん」っぽい空気感だ。

これが中盤に差し掛かるとAIに生成させた怪しげな世界にぬるっとシフトしていく。

AIに家の中でテントを燃やした情景を以前
描いてもらったので使った
噴火するスルツェイ島を背にサムネを置く場面
世界遺産配信も行うのでスルツェイ島を隠してみた

終盤では、専門的な配信内容を映すことにした。参考にしたのは『ゴダール・ソシアリスム』の予告編。これは本編を1分ぐらいに早送り圧縮したもので応用できそうだと感じた。早送りで配信画面を映すことで、当チャンネル最大の欠点「ペラペラ立ち絵での運用」に動きを与えることができた。

終盤ではいつもの配信背景に映り、有識者を集めた配信を早送りで映す

フェーズ3:『ゼイリブ』オマージュ

映画の伝道師系VTuberとしてオマージュをしようと考えた。ある程度ベタだったり有名どころがいいのかなと思い、『ゼイリブ』を採用した。本作は広告とは何かの本質をついた傑作で、男が眼鏡をかけると、広告の裏側に隠されたメッセージが見えるというもの。それを引用し、膨大な映画タイトルを当チャンネルに触れることで興味深い内容が分かるといったことをカラー/モノクロの切り替えで表現した。

フェーズ4:チャンネル登録への導線確保

QRコードを生成した

どうやったらCMからチャンネルへの導線を確保できるのかと考えながら、「ぽんぽこ24」採用CMを観ていたら、QRコードを貼っている人がいたのでそれを採用した。YouTubeとX(Twitter)の2種類を貼った。自分のインターネット活動名はche bunbun固定なので、空いているスペースに名前を点滅させて、認知度向上を図った。

フェーズ5:音入れ

さて、ある程度動画が形になってきたら、音を入れていきます。自分の配信ではYouTube Audio Libraryからエレクトロ系なサウンドを持ってくる。高揚感のある楽曲を持ってきたい。イメージとしては、ゲーム「Undertale」のメタトン戦みたいなものを持ってきたいと探し、「I Had a Feeling」を採用した。

あとは愛用しているSE「デデドン」や「歓声と拍手」をリズミカルに入れていった。

フェーズ6:サムネ作り

マスコットキャラクター「ぽちょむきん」を使ってあのポスターを再現させてみた
ロシアの読書を推奨する有名なポスター(nostos booksより引用)

サムネ作りは動画の本質ではないと思っているのであまり好きではないのだが、「ぽんぽこ24」に応募するから最低限の頑張りはする。CM→プロパガンダ→ロシアと連想する中で、有名な革命のために識字率を上げようとした際の広告を思い出した。当チャンネルでは「ぽちょむきん」というマスコットキャラクターがいるので、関連性はある。このオマージュを行った。

CLIP STUDIOで実装するには面倒臭かったので、スマホアプリPhontoで制作した。10分ぐらいで作った。流石に細かい部分は諦めたが、それなりのものができた。

■作ってみた感想

実際に手を動かしたのは土曜日5時間だが、なんだかんだ調査を行ったので工数は1週間かかった。改めてCMや動画を作っている人はすげーなと思った。また、通俗に見えるものも細かいところまで考え抜く必要性を感じた。

「ぽんぽこ24」に採用されたら嬉しいなと思いながら、che bunbunのYouTubeチャンネル固定動画に設定したのであった。

P.S.2秒ほど時間が余ったので、安易ですがゴダール文字アート芸をパロディにしました。

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