見出し画像

コナンみたいな全然コナンじゃない話

先日パートナーの付き添いで車の販売店を訪れた。
彼は生粋の車好き。
一方、私は免許も持っていないし車には滅法弱い。

だからディーラーを前に嬉々として話を聞く彼と、
呪文のような車用語にちんぷんかんぷんな私は
全くもって興味の方向性が違うのだ。

「最大トルクが100ニュートンも違うって凄くない!?」
2種類の車のスペックを比較していた時、
興奮気味にキラキラとした眼差しの彼が私にそう言った。

私には車用語なんて全て呪文に見えるし、
車種だって殆ど知らない。
だから私には彼の言う「100ニュートン」の違いが
一生分からないと思う。

不意に、だったら一生分かんなくてもいいやと思った。
それは同時に、分からないからおもろいんだな、と
全てが腑に落ちたのだ。

この人と結婚した理由がやっと分かった気がした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


人の興味関心というものは
生きてきた環境や経験、知識や価値観など
数えきれない様々な事象に左右される。

私の知らないそれらから形作られたパートナーは、
それゆえに私と全く違う興味を抱いて生きている。

例えば、
私が一生かけても「面白さが分からない」ことも、
彼には一生「ハイパー面白い」ことだってザラにある。

「100ニュートン」の違いが一生分からない私の隣には
今日も「100ニュートン」の違いに大興奮の彼が居て、
こんなにも興味関心が人によって異なることが
まず面白い。

なにより興味事が全くチグハグの私達2人が
一生を共に過ごすだなんて、
そんな想像も付かないおもろい人生あんのか?
と思うと心の底からワクワクしてきたりね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私は、自分と全く違う彼の興味関心事について
ひとつずつ面白がれる私が結構好きだし、

自分の好きなままに興味の裾野を広げて
年々、人としての厚みを深めてゆく
パートナーも好きです。

興味事を彼の言語と解釈で私にシェアしては、
私の見えていなかった世界を見せてくれることが
今も昔も心底に楽しいのです。

きっと私は、
死ぬまで人間的に超おもろく進化していくバディを
この世界で見つけてしまったのだと思う。

これが私がこの人と結婚した理由なのだと思ったよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「100ニュートン」のお陰でね、
(パートナーに限らない)人との交友における
私の持論が出来ました。
「興味関心は異なって、価値観は同じ方がいいネ。」

興味の円が重なったらそれは楽しいのだけれど、
興味の円が全く重ならなかった時にも
それを自分が面白がれると世界はもっと楽しくて、
更に深く豊かになると思うのです。
単純に興味の幅は2倍に、
知識の幅も2倍に広がるもんね。

その上で、人間としての基礎の価値観は
共有出来る方がいいです、私はね。(逃げた)


そして、私の抱える
「知らない」や「分からない」や「苦手」を
さまざまな視点からの知識や根拠を持って
「面白い」で塗り替えてくれる人の存在に感謝。

そういう人は何かに打ち込んでいる人が
多い気がするなあ。

私はこの先も「面白い」をずーっと更新していきたいし
彼とかけがえのない友人と、
関わってくれる全ての人と共に
どんどん好奇心の沼にハマっていきたいよ。笑
(父も全く同じ性質。この話もいつかしたいな。)

それにしても、
興味関心は全く違く、価値観は同じ
ってなんだかコナンみたいだね。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?