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【短編】無意識の開拓者

満員電車。突如ひとつ空いた席。

受け入れるには狭く、
見過ごすには広すぎるその隙間を見て、
大人はたじろぎ周囲を確認した

自分よりふさわしい誰かを探していた。
誰かにとどめをさして欲しがっていた。

次の駅に着く。

ファーを纏った女子高生が
スマホを見ながら大人の間を掻い潜り、
ストンとそこに落ち着いた。

一瞬ぎこちない空気が流れ、
みなおずおずとスマホに目線を落とした。

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