見出し画像

◎八王子・南浅川を歩く◎②:南浅川水辺巡り

八王子市の南浅川を散策しました。前回は、西八王子駅から浅川を目指す部分を歩き、八王子市の水道事業の始まりの部分や、八王子まつりの山車の保管庫など、八王子という町のルーツを知ることができる場所などを見て歩きました。今回は、南浅川沿いに高尾方面を目指して歩きたいと思います。
(前回の記事はこちら)

■南浅川を歩く

南浅川は、橋の下も遊歩道が通っているのがいいですね。
結構低い空頭しかない場所があるのですが(笑)。
橋の脇に、何だか鉄柵で囲われた管路橋が。
【水無瀬橋共用橋 占用者名 ①日本電信電話公社、②八王子市、③東京電力株式会社
占用期間 昭和58年10月~昭和67年3月】

うーん、何だか昭和な感じの掲示がとても興味深い管路橋でした。この掲示が昭和からそのまま残っているのが味わい深いです。

共用橋の隣に、水無瀬橋があります。
水無瀬とは、文字通り「水の無い川」。このあたりは伏流水が豊富な場所のようです。
今昔マップで見た、南浅川の100年前との新旧比較。
確かに昔の南浅川は、「水無瀬」だったことがよくわかります。
【1984年3月 日本電信電話公社 東京電力 八王子市水道部
水無瀬共同橋 製作 東京鐵骨橋梁製作所】
【水無瀬橋 1983年9月 東京都 製作:富士ピーエスコンクリート(株)】
共用橋と同時施工なのですね。だったらなぜ路下に
インフラを入れなかったの?と不思議になります。
水無瀬橋を少し離れた場所から。
河川敷には、水無瀬児童公園が。コスモスが咲いていました。
ブラタモリで放送された、霞堤の部分でしょうか。
堤防が途切れています。低水敷は、民地になっています。
さつきばし があります。こんな歩道橋が南浅川には多く架かっています。
なかなか華奢な橋脚と、しっかりとした基礎の組み合わせ(笑)。
歩道橋が多い、ということは、車道橋が少ないことの裏返し、なのですね・・。
これは、「むつみばし」
南浅川の秋の午後のひととき。なかなかいい感じです。
こちらは、東横山橋です。
やはりここも、管路橋がすぐ脇にありました。
空頭が無いからこうなったのですかね?
【東横山橋水管橋 Φ400mm、橋長52m、東京都水道局
製作:川崎製鉄株式会社】
橋のすぐ脇に顔を出す、丸い管路が見えます。
都市部は、暗渠化された雨水排水路からの排水が、河川の主要な流入源です。
こちらの橋、お名前は・・・
横山橋、です。何だかおしゃれな銘板です。
横山橋の脇には、稲荷神社が。境内は幼稚園になっています。

■八王子の廃線スポットを歩く

ここで、八王子の廃鉄マニアには有名なスポットに差し掛かります。え、こんなところに鉄道?なんで??と思う方もいるかも知れませんが。昭和30年代の航空写真を見ると・・

昭和30年代の航空写真。右下から線路跡がつながり、左の駅跡に続いています。
京王御陵線の廃線跡です。

ここには、「京王御陵線」という線路がつながっていました。今の京王線の北野駅から、この地の少し西側にあった、多摩御陵までを結ぶ支線が戦前に走っていました。その痕跡が、わずかに残る場所があるのです。

南浅川の北側の住宅街、そこにあるのは・・
昔の御陵線の橋脚跡です。家の間に巨大なコンクリートの壁があり、驚かされます。
今では、巨大なブロック塀みたいな役割になっています。
鉄道遺産としては、実は結構重要じゃないかと思います。
そして、また「陵東橋」という歩道橋があります。
このあたりの南浅川は、普段は小川のような少ない水量です。
大雨の時は急に暴れ川になるのが厄介なところ。
浅川の北側にある段丘。昔の京王御陵線は、
段丘を橋で越えて、丘の上に線路と駅を作ったようです。
丘の上の新興住宅地。このあたりが京王御陵線の終点だったはず。
御陵線が目指したのは、この通りの左側にある、
多摩御陵(大正天皇のお墓)です。

■陵南公園と南浅川橋

そして、御陵の入口にあるのが、陵南公園。
昭和39年の東京オリンピックの自転車競技の会場となりました。
多摩御陵に向かう道が南浅川と交差する橋。とても立派な橋です。
陵南公園にある、道標。多摩御陵・武蔵野御陵(昭和天皇のお墓)があることを
アピールする石碑です。
南浅川橋。多摩御陵につながる橋だけに、とても豪華な橋になっています。
南側から撮影。奥に御陵があります。風格漂う橋です。
下から見るとこんな感じ。戦前から橋の下に歩道があったのですね。
現橋は、大正天皇10年祭(昭和11年)に完成したものです。
南浅川橋の歴史を教えてくれる石碑。
初代橋は木橋だったそうです。
南浅川橋のすぐ脇で、「ミズカツ」イベントが開催されていました。
水辺の生物などが展示されていました。
閉店間際のお店のハイボールとナッツでしばしの休息(笑)。
飛び石で越えられるくらいの浅い水辺空間。
皆さん思い思いに楽しんでいました。
飛び石から見た、南浅川。こんな角度で川が眺められる魅力もあります。
国道20号と多摩御陵参道の交点。立派な石碑があります。
多摩御陵と武蔵野陵が両方あるのが、この場所の特徴です。
車道の両側にそれぞれを示す石碑があります。

■終わりに

南浅川を市役所前から陵南公園まで歩きました。普段は水の少ない南浅川、洪水時には水量が増加する暴れ川となるようで、昔から霞堤の技術が用いられていたようです。京王御陵線の廃線橋脚跡や、南浅川橋の優雅なアーチ橋を見ると、土木街歩きとしてもとても見どころ満載な場所だと思いました。
次回は、ここから高尾駅まで歩いた記録です。お楽しみに。


この記事が参加している募集

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?