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サワダアツシのイナタイ映画ブログ的、2023年映画ベスト10!!!!

みなさんあけましておめでとうございます。
時が経つのは早く2024年になってしましたね。
お正月いかがお過ごしですか?友達や恋人といい時間過ごせましたか?何よりみなさんの幸せを願っております。
私はというと元旦から12時間惰眠を貪ってしまい新年早々懺悔の気持ちでいっぱいです。ええダメンズです。これを機に2024年は社会から"No scrub"と言われないように頑張っていきたいと思います。

そんな話はどうでも良くて、遅くはなりましましたが2023年のサワダアツシのイナタイ映画的ベスト10ムービーを選抜しました(多分配信合わせて100本くらいから)。
今年は特にテーマも決めず個人的に気に入った作品の中なかから選りすぐりのものを選んでいます。


10位 ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー:VOLUME3

 本当は続編映画はあまり入れたくなかったのですがこれは入れないと、と思いランクインさせました。
MCU長編第32作目にして世界中が愛してやまない『ガーディアンズ・オブ・ザギャラクシー』(2014)の完結編。
愛すべきガーディアンズのメンバーにこれ以上ないほど最高の花道を作ってあげていた納得の完結編でした。
「社会からの不可逆な圧力に苦しめられている者たちが、宇宙で最も尊い善き行いを成し遂げる」というジェームズ・ガン監督の作るトロマ魂を忘れない物語も最高。



第9位 イニシェリン島の精霊

『スリー・ビルボード』(2017)のマーティン・マクドナー監督作品。1923年アイルランドの架空の孤島・イニシェリン島を舞台にしたブラック・コメディ映画。
最初見た時はそこまで刺さらなかったのですが、昨今の世界情勢とリンクする非常に重要な映画だと思ったのでランクイン。
アンヴィバレントな人間性の業を伴うキャラクター造形もフレッシュで見事でしたし、「まだまだ人間捨てたもんじゃない。」みたいな希望がある終わり方もウェットすぎないバランスでよかった。現実の戦争や紛争をめぐる寓話として、非常によくできていました。
何よりあの人体欠損描写!!アホでショッキングすぎてずっと絶句してました。あとコリン・ファレルがアホな演技するときの眉毛の角度最高。



第8位 ミュータントタートルズ:ミュータントパニック!

 大人気キャラクターシリーズ『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』の新作アニメーション。
84年からシリーズを通して掘り下げられてこなかったタートルズの“ティーンエイジ"部分が物語を主導していて、超フレッシュだった。
何より子供の落書き感溢れる2D風3DCGアニメーションが超フェティッシュでキュートで新鮮で最高!!!!
特に下水道に住むタートルズ達フリークスが街を救うために本物のヒーローになる物語にとても心を奪われました。ギャン泣きです。



第7位 エンパイア・オブ・ライト

『レボリューション・ロード/燃え尽きるまで』、『007/スカイフォール』や『1917/命をかけた伝令』などのサム・メンデス監督作。
1980年代イギリス・マーゲイトのエンパイア劇場を舞台に繰り広げられるラブ・ロマンス/ヒューマンドラマ。
僕はあまり落ち着いた雰囲気の所謂"上品"な映画はあまり好みではないのですが、この作品の"上品"さはとても慎み深く美しい心を奪われるものがありました。
サム・メンデス十八番のシンメトリックな画面構成と静的ながらも常にサスペンスが進行し続ける確かな演出の手腕もさることながら、何より人種差別や性差別などありとあらゆる社会的抑圧に虐げられてきた人々を思慮深く、温かい眼差しで見守り続ける物語の優しさにとても感銘を受けました。
2023年1番のリッチな映画体験でした。




第6位 SISU/シス 不死身の男

 1944年のナチス侵攻化でのフィンランドを舞台に不死身の老兵アアタミとナチス残留隊との壮絶な死闘を描く、
今年の「ジャンル映画舐めんなよ」枠。
いくえにも作られてきた「ナチスぶっ飛ばし映画」の最新作にして新たな傑作。
様々なフレッシュなアイデアで繰り広げられるアクションの釣瓶打ちには感服したし、何よりエンターテインメント精神を忘れない矜持をどの映画よりも感じた一本でした。
劇場でアアタミについて"He has refused to die."=「彼は死なないと決心している」と登場人物が語るシーンに顕著なのだが、この老兵アアタミの存在感がとにかく凄い(特別強くないところがまた良い)。このようなエンターテイメント映画でしか成立しないキャラ造形に本当に僕は弱い。まさに「これぞジャンル映画!!!」な一本で最高でした。
(ちなみにタイトルの"SISU"とはフィンランドの言葉で、日本語への正確な翻訳は難しいが、「すべての希望が失われたときに現れるという、不屈の精神」のような意味合いを持つらしいです。)



第5位 ウーマン・トーキング 私たちの選択


2005年から2009年にかけて、ボリビア中部に暮らすメノナイト(文明から隔絶した生活を送るキリスト教の一派。アーミッシュとは異なる)のコミュニティで起こった集団昏睡連続レイプ事件を描いた同名小説を映画化。
現実の女性蔑視に対する様々な怒り・葛藤・問いかけを上映時間ずっと投げかけ続ける手腕もすごかったし、劇中ある仕掛けがあるのですが、「うわ....これ全然現代の話やん...」となり、逃げ道を塞がれる感覚で今年一番クラクラとしました。
最後の、現代人への「あなたたちの物語は違うよね?」という投げかけに対し、ジェンダーバランス後進国・日本に住む一男性としてとても背筋を伸ばす気持ちにさせられた。
個人的に同じフェミニズム映画の『バービー』も素晴らしいなと思ったのですが、『ウーマン・トーキング』の方が切実度が違うと感じたのでこっちをランクイン。




第4位 ベネデッタ

『トータル・リコール』や『ブラック・ブック』などの名作を撮ってきた巨匠ポール・ヴァーホーベンの満を辞しての新作。
ノンフィクション実録小説『ルネサンス修道女物語:性と聖のミクロストリア』を原作に、キリスト教権威主義化での17世紀ぺシアの町に実在した同性愛者の修道女を描く。
ヴァーホーベンお得意のエクストリームなまでのリアリズム表現を用い、同性愛者であり修道女のベネデッタからみた当時のキリスト教権威主義化の“現実"を彼女の"幻視“を交えて可視化してみせた。
何よりバーホーベン監督作共通の「揺るぎない自身の根底を通したものだけがサバイブする」という熱いテーマも遺憾無く発揮されていてとてもよかった。とてもハードな内容ですが、劇場を後にした時はニッコニコで帰りました。




第3位 Pearl パール

 1970年代のスラッシャーホラー映画のパスティーシュ(=模造品)であると同時に新しい楽しさも合った『Xエックス』の続品であり前日譚でもある今作『Pearl パール』。
全編バキバキのテクニカラーでミュージカル映画やサイレントフィルムなどありとあらゆる映画的世界を堪能できる素晴らしい体験だった。
しかしそこに留まらず、そのような映画的文法を通じてかつてハリウッドが延々と繰り広げてきた「夢の搾取」をグロテスクなまでに表現してみせた怪作であり紛れもない傑作でした。
ラストの彼女の泣き顔が忘れられない。




第2位 キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン


『グッド・フェローズ』や『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』などの数々の傑作を生み出してきたマーティン・スコセッシ監督の新たな傑作。
ベストセラーノンフィクション「花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」を原作に1920年代オクラハマ州オセージ郡で実際に起きた白人による先住民のオセージ族集団殺人事件を描く。
スコセッシが過去作で描いてきた「カネと欲望をめぐるアホたち」というテーマを主軸に「白人社会の罪と懺悔」をより全面に押し出した内容でスコセッシの真摯さをとても感じた。
ディカプリオのアホで愚鈍な白人青年演技も最高だったし、彼が見せる「人間性の愚かさと悲哀」もとても良かったが、それがあっても許容できないこともあるという監督の矜持も感じた。
ラストのデカプーの演技には「馬鹿野郎!!!なんでお前が泣いてんだよ!!!」と感じると同時に俺も泣かされた。すごい役者だな本当に。




第1位 スパイダー・マン:アクロス・ザ・スパイダー・バース

 もう2023年のベストはこれしかない。
アニメーション映画史に革命を起こした前作『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編で、さらにそれを超えるビジョンを提示してみせた歴史的傑作。
2Dや3D、CGや手書き、コラージュアートなど全く異なる文法のアニメーションを同一の映画内に収める手腕が凄まじかったし、様々な現代のアメコミスパーヒーロー映画が虚構に感じられてしまうほどの圧倒的な体験でした。
さらにそのハイブリッドな作風そのものがテーマと密接にリンクしており、主人公マイルスやグウェンの物語に唯一性と深みをもたらすことに成功したとても志向レベルが高い作品でした。
これをハリウッドの超ど真ん中のエンターテイメントで制作するソニー・ピクチャー・アニメーションの恐ろしさよ...と非常に唸る一本。圧倒的一位。早く三作目公開して!!!!



いかがだったでしょうか?
こんなに偉そうに語って「いかがだったでしょうか?」もクソもないと思いますが、個人的ベスト10映画たちでした。
2023年も傑作の鶴瓶うちに危うくスタミナ切れで映画見るのやめたろうかな、思ったのですが、なんとか完走しました。
是非2023年観た映画でみなさんと気持ちを共有できるものがあれば語りあいたいです。
また、2024年もいっぱい映画の話ができると嬉しいです。
本当に2023年もありがとうございました。
2024年もよろしくおねがい致します。
以上でーーす。

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