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【第1回】教育実習の3週間で9キロ体重が減った話【全4回】


教育実習の3週間で9キロ体重が減った

※注意!こちらダイエット記事ではありません
みなさんは学校の先生に対する思い出はどんなものがありますか?
尊敬する先生、嫌いな先生、面白い先生・・・
人生で家族親族の次に見る大人
働く人ですよね。
昨今、子供の人口が減っているにもかかわらず教師がどんどん不足しているようです。

例えば、神奈川県川崎市は、2024年段階で小中高・特別支援学校を合わせた定数6476人に対し、131・5人不足しているそうです。多いのか少ないのかはわかりませんが、どの自治体のニュースを見ても同じくらいの数字です。
団塊世代の先生が一気に引退し、現職の教師の休職や退職が相次ぎ、そもそも採用試験を受けようとする学生も減っているようです。昔は先生たちの仕事内容なんて隠されてきましたが、ネットで発信する方も増えたり過労死する事件や労働問題での訴訟が明るみになってなりたい先生が減ったのでしょう。

実は私も教師になるのは辞めて民間企業に勤めた身です。
東京都の教員採用試験の当日に震えが止まらなくなり、受験をキャンセルしました。

その決定打となったのが教育実習。

大人になると人生の体感時間が短くなると言われてますが、あの3週間は3年くらいの長さに思えました。

そして体重が9キロも減りました。
痩せたじゃなく、やつれました。
3週間ですよ。明らかにおかしい。

東京の大学に戻り、友だちに「めっちゃやつれたね・・・。大丈夫か・・・」とガチで心配されました。
ゼミの先生にも心配されました。

それでも親族から「先生は安泰だからがんばりーや」と言われましたけどね。

ただ、教育実習で学んだこともたくさんあったので、これから行く人、もういった人、現役教師の方に赤裸々にみていただきたいです。
現役学生や保護者にはショッキングでしょうが、現実です。

実習はもちろん楽しかったんですけど、労働する場所じゃないと思いました

かなり長いので全4回に分けて話します。

そもそもの志望動機

教師になりたかったのは色々ですが
一つは小さい頃から困っている人の解決をするのが得意だったから。友達に勉強を教えて成績が上がるのをみて誇らしかったんです。
もう一つは今まで国語系の先生にお世話になったから。

オリジン(原点)は、小・中学時代に通ってた塾の国語の先生です。
多分大学生の講師だったんでしょうが、基本クールで指導は熱血で面白い覚え方を教えてくれたおかげでグングン成績が伸びました。

高校時代の国語の先生に憧れました。紫髪パンチパーマのおばちゃん先生で「姐さん」と呼ばれていました。
姐さんの授業は、詐欺師の契約書を教材にどこがおかしいかを読解する授業や政治家の答弁の抽象度の高さを解説するなど、かなりぶっ飛んでいて
「世間様が詐欺師や政治家に騙されるんはな、国語の力がないからや!
あんたらはこれからの未来、国語の力でずる賢い連中をコテンパンにするんやで!」
と、かなり思想強めな教育でしたがロックで惚れました。

そして予備校講師。浪人時代に出会った現代文と古文の先生3人にお世話になりました。言葉一本刀でグングン成績が伸びるんですよ。魔法でしょ。

そんなこんなで「人に物事を教える」仕事に就きたいと思って教職課程を取るのだった。
しかし、漠然と先生になりたいと思っていたので、具体的に中学か高校か、民間企業の講師かは考えあぐねていました。

大学のガイダンス

たしか大学3年の時と、大学4年の実習前の複数日に分かれていた気がします
教育実習はあくまで大学のカリキュラムの一部なので、学費として別途50000円ほど取られた気がします(3万だったかも)
3週間ほど大学を休むので各授業の教授に欠席メールを作ってました

アルバイトに関しても欠勤になるので、自分は学習塾の代講や引き継ぎをしていました
今でも根に持っていますが、当時有給という概念をわかっていませんでした。
そのとき3週間全部使える有給があったのに使えなかった思い出があります。
秋に教育実習に行った同期は有給を使えていて、そのときに有給システムを知った。
後からの申請は無効と言われて結局泣き寝入りになった。
世間知らずな自分を憎みたいが、塾長も教えてくれよ・・・
余談ですが有給は自己責任での管理のようなので気になったらすぐに社員に聞きましょうね

おまけ:Youtubeでの教育実習のコンテンツ

Youtubeで「教育実習」と検索したら複数の動画でこう言ってました

「学校が教育実習生を受け入れるメリットはゼロ」
「余計な仕事が増える」
「先生たちの好意で成り立っている」
「教育実習生って滅茶苦茶邪魔だけどありがたい」

マーケティングのせいか、衝撃的なことも言ってますね。
ただ、上記の動画の文言はそっくりそのまま現場で言われました。
教育実習というシステムがクソだと感じました。
学校現場側にも実習生にもあんまりメリットを感じられなかったです。
上記のコンテンツは元教員の発信だったが、教育実習に行った側の動画も教育実習を地獄と称していた。

5月に事前打ち合わせ

筆者の実習先は6月の3週間だったが、5月に一回学校に来るよう言われました。
打ち合わせでは、教育実習の概要やあれこれとルールを一通り教えてもらいました。
最高責任者は教頭。元々民間企業に長年勤めていた典型的な営業サラリーマンだったらしい。一念発起して教師になったと言ってた。

筆者は母校の中学校で教育実習をすることになった。母校は教育困難校と呼ばれる、教育委員会が頭を抱える問題だらけの学校である。
開校40年以上の学校なのだが戦後ずっと教育困難校だそうです。

そもそも地域住民が問題のある大人や老人だらけなのでその子供も問題があるのは当然である。文字通り、警察にお世話になる小悪党が多い印象。

もちろん筆者もいじめや万引きの軽犯罪、飲酒喫煙、窓ガラスは週1で割れる、クラスの4割が不登校という魔境の世界で育った。
よく真っ当に育ったと思う。
本当に死を感じるほどのきつさだったけど、なんとか処世術を学んだ。

打ち合わせで聞いた情報だと、今は学力面での教育困難とのこと。
言葉を選ばずに言えばアホが多いと。いじめや非行はほとんど無くなったそうだが、勉強が大変な子供が多くて頭を抱えているそうです。

昨今認知度も上がった「発達障害」をギリギリ認定されない子供
「ウチの子は障害なんてない!」と頑なに否定する保護者によって
多動の生徒が授業中ウロウロするとの事前情報も聞いた。

先生の読み方間違える事件

ここで1波乱。
指導教官一覧がプリントで配られて、先生のところに行って打ち合わせをすることになった。

筆者の担当教員の名前は「羽生」と書いて「はぶ」・「はにゅう」と2パターン以上の読みのある先生だった。
ふりがながなかったので、なんて読めばいいかわからなかった。
(ひとまずここでは「はぶ先生」が本名とします。)

しかし職員室にその先生らしき姿がなかった。
ひとまず当てずっぽうで「はにゅう先生」の方に賭けて
はにゅう先生はどちらにいますか?」と教頭に聞いてみた。

すると教頭

はぶ先生やろが!!本人に聞かれたら失礼やから注意しろ!!なんで名前間違えとんねん!!社会人として・・・
といきなり激昂と説教。

あらゆる危機を乗り越えてきた自分が心で言っている
嫌な予感しかしない

もちろん、先に教頭にプリントを見せて「あの、こちらの先生のお名前なんて読むんですか?」と「お伺い」を立てればいいのだが正直時間の無駄な気もする。
万が一読み間違えが悪かったとして、未遂なんだからそこまでブチギレなくてもいいじゃないか・・・

羽生先生(仮名)と打ち合わせ

けっきょく羽生先生に会えて打ち合わせをすることに。
教員採用試験を1発合格したという私と歳の近い女性教諭だった。
サバサバ系な人だった。

羽生先生「教師になろうとしてんの?」
私「実は、教師か塾講師で迷ってて、塾講師寄りっす」
羽生先生「そっかー。じゃあちょいゆるめでいくかー」
と緩め指導になった。
これがこの3週間、唯一の救いだった。
ルート分岐にかろうじて成功したのだ。

ちなみにこの質問は全教育実習生が聞かれて
ガチ教師志望(教採も受ける)だと超スパルタコースになったのは後日説明します

自分が担当する学年の学力や進度、カリキュラムを一通り教えてもらって、6月までに授業準備をするよう言われた。

私「あの、教科書どうすれば・・・」
羽生先生「あー、教科書販売のお店自分で探して買っといてなー
私「どこで売ってるんですかね・・・」
羽生先生「聞く前に自分で考えてみ。社会人として常識やで。
私「授業・・・どんな感じで準備すれば・・・」
羽生先生「君の好きなようにやったらええよー。来週から正規教員として扱うから頑張ってなー!」

・・・あれ、自腹で探すのね。

ちなみにそんなことはなく、他の実習生は先生の教科書を譲ってもらったり用意されていた。

もう嫌な予感しかない。

なお、この先も出てくるキーワード
「社会人として」
「まずは自分で考えて」
「好きなようにやってみ」

なんやねんあの言葉。

これは経験則でしかない持論だが、
上記の3つを言ってくる上司やチームは間違いなく理不尽に叱ってくる
間違いなくどの職場でも経験した。
アルバイト先でも、会社でも、職業訓練校でも。
しかもその指導が有益でないのだ。
時間の無駄!

社会人になってから全く信用していない言葉である。

自分が教室運営、学年主任や研修担当のとき、
後輩やアルバイトを指導するときに上記の言葉を言ってないか気をつけている。

教科書は自腹で探すことに

社会人になって塾講師になったらどこに教科書が売っているかは会社のコミュニティでわかるのだが、大阪の片田舎で教科書販売店を探すのは一苦労だった。
必死に探して大阪府南部の秘境の商店街でゲットした。
なお、書店員に「なんで中学生でもないやつに売らなあかんねん」となんか文句言われた。こっちは客やぞ。
まじで泉州地域ってガラが悪いと思った泉州出身の民。
いいところもあるんですよ、泉州。

授業準備

筆者は大学3年からアルバイトで塾講師をしていて、ホワイトボードにポイントを板書するスタイルだった。
国語といえば黒板の板書を生徒がノートに写すスタイルは確固たる指導法だったので、それで授業準備を進めていった。
奇跡的に実家に中学時代の国語のノートが残っていたので参考にした。

あれ、案外楽だなー。

準備も数日にかけてそれなりに時間はかかったが、余裕を持って終わらせたので地元の友達と遊んだり、家族とのんびり過ごしていた。

それが悪夢の始まりだとも知らずに。

続きは来週書きます。
ではではー

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