ウイスキーというお酒は、どこで誕生したのか?? 《日本?米国?カナダ?》
■世界5大ウイスキー
ウイスキーの業界には、世界5大ウイスキーというフレーズがあります。
ウイスキーの「老舗の生産地」といった感じですが、この5つは以下の通りです。
もともとウイスキーは、農民達が余剰穀物からビール的なものをつくって、それを蒸溜して、
と嗜好品として飲み始めたことに始まるようです。
ではこの5ケ国の中のどの国でウイスキーづくりがはじまったのでしょうか?
■日本?
まずは日本から考えみます。
日本において、農民が余剰穀物からつくったお酒は『どぶろく』です。
ちなみに、この米で白く濁った「どぶろく」を搾って、残った細かい米の粒々(酒粕)を取り除けば、透明な『清酒』になります。
この取り除かれた酒粕を原料に、蒸溜をしてアルコール分を取り出せば『粕取焼酎』となります。
厳密には粕取焼酎の中でも、「正調粕取焼酎」ということになり、その歴史を遡ると日本古来の蒸溜酒(スピリッツ)である『柱焼酎』に行き着きます。
ワインをつくる際にブドウを搾って、その搾りかすを原料に蒸溜をすれば『グラッパ』となります。
そのため粕取焼酎を、和製グラッパと呼ぶ方もいます。
※ 第二次大戦後のカストリと、この粕取焼酎は、まったくの別物なのでご注意ください!
そして、この米(酒粕ですが)が原料の柱焼酎が、日本における初期の飲料用スピリッツということになります。
(この東洋の蒸溜酒の歴史については、また別途で記事化したいと思います。ちなみに粕取焼酎いついては、こちらでご紹介しています ↓ )
《焼酎vsウイスキー》蒸溜器の最大の相違点=材質の違い 『ニッカ・ザ・グレーン』⑦|チャーリー / ウイスキー日記 (note.com)
話が逸れてしまいましたが、このように米文化の日本ですから、大麦が原料のウイスキーとは縁が遠そうです。
■日本のウイスキーの発祥
そもそも、5大ウイスキーの中で、日本だけは「農民」がウイスキーづくりを始めたわけではありません。
日本では、「ウイスキーの自国生産」を目指して、サントリーの創業者:鳥井信治郎が、後のニッカ創業者:竹鶴政孝を山崎蒸溜所の工場長に雇って、『産業』としてウイスキーづくりがスタートしています。
こういう明治男の気迫から始まったのが、日本の「ウイスキーづくり」であり、それより一足先にはじまった「日本のビールづくり」なのです。
日本のウイスキーはスコッチが先生!|チャーリー / ウイスキー日記 (note.com)
なので、日本がウイスキーの発祥地ということはあり得ません。
■アメリカ?
消費量的にもウイスキーを飲みまくっているアメリカ。
バーボンだけでなく、スコッチも、カナディアンも、アイリッシュも、ジャパニーズも、5大ウイスキーのすべてを飲みまくっています。
ただ、アメリカでウイスキーづくりをはじめたのは、アイルランドからの移民と言われています。
このアメリカでウイスキーづくりをはじめたアイルランド移民は、もともとはスコットランドからアイルランド北部に移住したグループと言われています。
この人々を「スコッチ・アイリッシュ」と言います。
最初に移住したアイルランドで、2代(子供)や3代(孫)の時を経て、さらにアメリカに渡ったそうです。
イメージでは、日本に住む日系3世の中国系の方や、韓国系の方が、さらにアメリカに移住した、というような感じだと思います。
この流れからもわかるように、ウイスキーの製造技術を持つ「スコッチ・アイリッシュ」の人たちが、アメリカへ移住したのちに、ウイスキーづくりをはじめました。
このように、アメリカもウイスキーの発祥地ではありません。
■カナダ?
カナダでウイスキーづくりをはじめたのは、アメリカから移住して来た人々です。
このように、カナダもウイスキーの発祥の地ではないんです。
■スコットランド? アイルランド??
残るは2ケ国です。
オイ!
ここまで話を引っ張っておいて、それはないだろう。
正直、昔の話なので、邪馬台国の「近内説」と「九州説」みたいな感じで、正確なことはわかっていないのです。
ただ、スコットランドと、アイルランドでは、それぞれに「うちが元祖だ!」という言い分があります。
■次回は
スコットランド発祥派の意見を聞いてみたいと思います!
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