ウイスキーに書いてある「プルーフ(PROOF)」って何だ?
■PROOFの日本語訳は?
ウイスキーボトルのラベルには、PROOFという文字が、数字とともに記載されていることがあります。
英語のPROOFという単語は、どういう意味でしょうか?
③の「アルコール飲料の標準強度」というのはちょっとわかづらい辞書的な表現ですが、簡単に言えば、「アルコールの強さ」のことです。
ここで手元にある、ジムビームのラベルを見てみます。
これは、
という意味です。
ただそれにもしても、proofの「証明」という意味と、「アルコール飲料の標準強度」という意味は、かなり違うように思います。
しかし、その歴史を振り返ると、「なるほど!」と納得できます!
今回はこの「PROOF/プルーフ」についてご紹介します。
■米国プルーフと英国プルーフ
アメリカ式のプルーフと、イギリス式のプルーフは、少し異なります。
結論から言うと、以下のような違いとなります。
米国プルーフは、その値を半分にしたら「アルコール度数」となりますから、わかりやすいですね。
英国プルーフはちょっと面倒なので、私の場合は、同じプルーフの値でも、
「英国プルーフは、米国プルーフより1割ちょっとアルコール度数が高い」
と、ざっくりで覚えています。
今回は、「米国プルーフ」をベースにお話しします。
■アルコール強度としてのプルーフが誕生する背景
余剰穀物からつくられる農民のお酒だったウイスキーは、ビールなどと比べその保存性の高さから、「自家消費」からやがて「農民の貴重な現金収入源」となりました。
そして、次第に貨幣経済の中へ組み込まれ、市場に流通するようになります。
その時に重要になるのが、そのウイスキーの「品質」です。
このウイスキーの品質を判定する基準の中で、最もわかりやすい基準の1つがアルコール度数だったのです。
ちなみに、アメリカではじめてウイスキー税が導入されたのが1791年。
ウイスキー戦争については、いつか別途で記事化したいと思います!
話を戻して、このアメリカで最初のウイスキー税が導入された頃には、すでにアルコール比重計があって、徴税官は比重計でウイスキーの正確なアルコールプルーフを測っていました。
では、アルコール度数を測定するための比重計がない時代は、どのようにしてそのアルコール濃度を測定したのでしょうか?
■アルコール濃度の測定
このアルコール濃度の測定は、比重計のない時代は非常に困難であり、生産者そして徴税官の悩みの種でした。その中で色々な測定方法が試されました。
など、色々試しますが、その中で、17世紀ごろから。比重計が発明されるまでこの測定方法が主流となります。
アルコール度数のことを、「プルーフ=proof=証明」という語源はここにあるのです!
ぱちぱちと火花が出るだけで、炎がつかず消えてしまうならアルコール濃度が低い証拠なので、その酒は「アンダー・プルーフ(u.p.)」=「標準強度未満」と判定されました。
逆に、炎がたき火のように上がれば、「オーバー・プルーフ(o.p.)=「標準強度以上」とされました。
この点火の検証の中で
ことが確認されました。そして、
となっているのです!
■次回は
アルコール度数=プルーフについて、さらにマニアックに掘り下げてみたいと思います。
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