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アルコールは水より比重が軽いから・・・

■アルコールは、水よりも軽い。

前々回、前回の続きです。

アルコール度数/プルーフ表記 のまとめ

・アルコールは水よりも軽い性質。(比重=約0.8)

・「アルコールの強さ」を測定する場合、
  アメリカ  = 容量割合
  ヨーロッパ = 重量割合

 を基準としてプルーフ表記する。
定義が異なるため、同じプルーフ表記でも値が変わる。

  ↓ 

◇80プルーフ
・米国80プルーフ =アルコール度数 40%
・英国80プルール =アルコール度数 45.7%

  ↓
◇プルーフ ⇒ アルコール度数換算
・米国プルーフ × 0.5  ⇒ アルコール度数
・英国プルーフ × 0.571 ⇒ アルコール度数

この「アルコールは水より軽い」という事実は、お酒飲みには重要なポイントです。


■比重が軽いお酒と重いお酒

◇スピリッツ系
スピリッツは蒸溜酒なので「アルコール度数」が高い!
 ⇒ 水やソーダよりも比重が軽い

ウイスキー / ブランデー / ジン / ウォッカ /
テキーラ / ラム / 焼酎

◇リキュール系
リキュールは蒸溜酒に色々なものが漬け込んであって、
 「エキス分(糖分など)」が結構入っている!
    ⇒ 水やソーダよりも比重が重い

ルジェ・カシス / カルーア など

ウイスキー(アルコール度数が高い)方が比重が軽いので、ハイボールをつくる際は、「軽く混ぜるだけでOK」です!

ソーダを入れる時の流速で、ある程度、攪拌される上に、そもそも比重が軽いから混ざりますから、「ハイボールをつくる際のステア」は、『軽く一刺し』程度でOK!

ステアしすぎて、炭酸が抜けてしまうよりは、

ソーダを、
ある程度勢いよく、
氷に当たらないように、
グラスの淵に沿わせて入れた上で、
混ぜない!

というハイボールもつくり方も、個人的にはアリだと思います!


そして、この「ウイスキーの比重が軽い」という性質が、ウイスキーフロートという飲み方を可能にする理由でもあります。

◇ウイスキーフロート
ウイスキーフロート ウイスキーのおいしい飲み方 ウイスキー入門 サントリーウイスキー (suntory.co.jp)


■ハイボールをつくるコツ

ハイボールのつくり方の話になったので、一緒にお伝えさせていただきます。

ハイボールをつくるコツとしては、

氷の入ったグラスに、
ウイスキーを注いだら、
ソーダを入れる前に、
10回転以上(ツウな人は13回転半)
ステアする

と、より美味しいハイボールとなります。

これは、

・常温のウイスキーに、そのままソーダを入れると、ソーダの温度が上がって炭酸が飛んでしまう

のを避けるとともに

・アルコールと水分が混ざった際に発生する熱(希釈熱)を冷ます

効果があるからです。

実際に、「氷入りのグラスにウイスキーを入れた状態(割り材なし)」で
・きちんとステアしたもの
・ステアしていないもの

でつくったハイボールや水割りを飲み比べると、味わいに違いを感じます。

特にウイスキーの水割りで、これを比較試飲すると、違いがわかりやすいです!


■アルコールと温度と体積

こんどは比重でなく体積のお話です。
米国プルーフにしても、英国プルーフにしても、測定時の前提条件として温度が設定されています。

アメリカとイギリスのプルーフ(アルコールの強さの単位)の違い | 記事編集 | note

これは
アルコールは温度が下がると体積が減る
性質があるからです。

そのため、蒸溜業者は、税金を申告する時には、樽を冷やすことで「計測されるアルコール量を減らそう」としたこともあったそうです!

節税(脱税!?)については、いつの時代も考えるものですね。


■英国プルーフがもたらせたウイスキー

昔のスコッチによく見かけるスペックが、Alc.43%のウイスキーです!

これは、1816年に制定された法律で、英国で販売できるウイスキーは、「英国75プルーフ以上」と定められたからです。

◇英国75プルーフとは?
英国75プルーフ × 0.571
 = アルコール度数 42.825% ≒ 約43%

だから、昔のスコッチはAlc.43%のものが多く、それに倣った昔も日本のウイスキーもAlc.43%のものが多いのです!

今は英国内で販売されるウイスキーは、EU基準「アルコール40%以上」となっているので、Alc.40%で発売されている商品が多いです。

ちなみに、バーボンの瓶には、大体、アルコール度数とプルーフ表記が併記されています。

ジムビーム = 80 PROOF 表記


一方で、スコッチの瓶を見ても、プルーフ表記はありません。

ボウモア12年 = PROOF表記なし

これは、英国プルーフは、米国プルーフのように「アルコース度数の2倍!」みたいに、スパっとした数字でないので、ややこしいから英国プルーフは記載しないのではないかと思います。


■その他のウイスキーのアルコール度数のアレコレ

ウイスキーのアルコール度数には、お伝えした「43度」や「40度」の他にも、「47度」や、日本のエコノミークラスでは「37度」というものも見かけます。

これも当然、そのようにしている理由があるのですが、それはまたいつか記事化したいと思います。

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