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読書記録

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登録から1年経ちましたのでジャンル別に区分しました。
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記事一覧

[読書]カラヴィンカ 遠田 潤子

 田舎の古びた家で奇妙な対談を始めた二人。主人公が過去を振り返る形で次第に明らかになって…

charlie
2週間前
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[読書]虹の岬の喫茶店 森沢 明夫

「美味しくなれ」と今日も珈琲に呪文をかける悦子さんは、実は魔女かもしれない。そうでなけれ…

charlie
3週間前
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[読書]あの家に暮らす四人の女 三浦しをん

 始まって少し経ったところで、4人の名前が、「細雪」から取られていることが明かされ、いき…

charlie
1か月前
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本はあらすじを知って読むべきか?

 「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の著者三宅香帆さんが雑誌の対談で、 「名作文学…

charlie
1か月前
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[読書]活版印刷三日月堂 ほしお さなえ

 周囲の人に背中を押され、祖父の残した活版印刷所を再開した弓子。彼女のところへは何故か、…

charlie
1か月前
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[読書]あのひとは蜘蛛を潰せない 彩瀬まる

 再読後の記録です。  30歳目前のドラッグストア女性店長の日常。初回読んだときに感じたプ…

charlie
1か月前
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[読書]鉄の骨 池井戸潤

 建設業界の談合をテーマにした経済小説。一本気な若手社員富島は社内で業務課へ異動させられたことにより、談合の第一線へと放り込まれる。やがて次第に業界の空気に染まり、銀行員の恋人との関係もギクシャクしてくる。果たして彼の関わる地下鉄工事受注の行方は?  富島はこのまま彼女と疎遠になるのか?裏では検察が談合捜査に動いている姿も映し出され、何やら不穏。著者らしいエンターテイメント性の高い作品で、長編ではあるが最後まで楽しめる。  フィクションではあるが、業界内部の体質を垣間見た

[読書]雪の鉄樹 遠田潤子

 前半は主人公の壮絶な環境に読み進むのが辛い。でもそこに提示される「なぜ?」の多さに引き…

charlie
3か月前
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[読書]リミット 野沢 尚

 母親にとって子は、自らの分身であり、未来に種を繋ぐ存在。だから、自分がどうなってもそれ…

charlie
3か月前
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[読書]魔笛 野沢 尚

 私は今、銃弾の飛び交う間をかいくぐってきたのだろうか?それとも、震える手で、赤と黒どち…

charlie
4か月前
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[読書]不在者 家裁調査官 加賀美聡子 松下 麻理緒

 元家裁調査官とアナウンサーのコンビが、家裁に持ち込まれるいくつかの種類の事件を組み合わ…

charlie
4か月前
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[読書]わかれ縁 狸穴屋お始末日記 西條奈加

 江戸時代の公事宿でこの話のように離婚を扱っていたかどうかは確認出来なかったが、弁護士や…

charlie
4か月前
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[読書]アンマーとぼくら 有川 ひろ

 30代で東京に住む息子が育ての親である義理母の元にしばらくぶりに里帰り。親子水入らずの3…

charlie
4か月前
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[読書]満願 米澤 穂信

 それぞれじんわり怖いが、2作を除くと垣間見られる男性から見た女性の怖さが不気味に感じられる。 「柘榴」の2代の女達に受け継がれてしまう1人の男をめぐる思いが怖い。鬼子母神伝説の象徴である柘榴の色や形が浮かぶ様な薄気味悪さを感じた。「関守」はもう少し伝説と絡ませてくれるとより不気味さが増した気もする。  いずれの物語もちょっと昭和の香りがするようなじめっとした湿気が魅力となっており、それぞれを独立させ長編にしてもまた違った魅力が増すのではと思わせる。昔の伝説や民話もこの様