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朝活〜日が高くなる前に〜

 普段休みの日と言えばゆっくり寝て9時や10時になることはしばしばある。
しかしごく稀にそれが覆り見事に7時前に目が覚めてしまい、そのまま寝付けなくなることが誰しもあるだろう。
そう、そんな朝を僕も迎えた。
せっかく早く起きた朝は、な状態だし朝活をしようと思った。
ドライブ?散歩?朝一映画?
沢山の候補の中から真っ先に頭に浮かんだ物がハイボールだった。

 では朝からハイボールを飲む為に必要なことを考えよう。
※注意、この先には物語の確信に迫る重大なネタバレが記載されておりますので観賞後にご覧いただくことをお勧めします。
とまぁ偉そうに書いてみたが、恐らく読み手の皆さんもハイボールに必要な物は浮かんでいるだろう。
そう、唐揚げだ。
ハイカラを錬成しなければならない。

 そんな訳で朝から揚げたての唐揚げとハイボールが手に入ることでお馴染みの、「熱烈中華食堂 日高屋」に馳せ参じた訳である。
熱烈とあるんだ、きっと熱々の揚げたて唐揚げが食べられるぞ。
24時間ウェルカムしてくれるので君は最高のパートナーだ。
そんな期待と感謝と共に入店。
だがいきなり目的に到達してしまっては朝から一日を満足して終わってしまうかもしれない。
そんな訳でまずは中華食堂と言えばの瓶ビール。
今回は主目的があるので先発は中瓶で十分満足だ。
僕の好きなキリンなのも嬉しい。
まずは喉を慣らす準備運動から。
ゴクッゴクッゴクッ…
「パァーッ朝活最高〜!!!!」
やはり朝のスタートを飾るのはこの黄金に輝くソーダに限る。

 そうなればおつまみもひつようになる。
メニューに目を向けると居酒屋一品目メニューのオンパレードではないか。
冷奴、枝豆、空豆、メンマ、キムチ、マカロニサラダ、ウインナー、ポテト、ちくわの磯辺揚げ…
思わず店内を見渡しあちこちにある「日高屋」という文字を何度も見つけ、下を向いて自分が椅子に座っていることを確認する。
「(まさかせんべろに来た訳じゃないよな?!)」
居酒屋メニューの豊富さとリーズナブルな価格設定に思わず立飲みせんべろに来たかと困惑するレベルだ。
しかし狼狽えてはいけない、ここは中華食堂を堪能しよう。
一品の中でも一番リッチな三品盛り合わせを発注。
やきとりネギ和え、キムチ、メンマがルームシェアをしている。
順番に食べても一緒に食べても素晴らしい絶妙な組み合わせとなる。
良い意味で個性が立っている3人。
冷静に考えると3品頼んでこの値段だったらリッチどころか激安の殿堂じゃないかと頭の中でドンドンドンと流れた。

 気付けば目の前の中瓶は空になっていた。
さぁここでいよいよお目当てに行こう。
定食の唐揚げもあるが、おつまみ用に唐揚げ3個があるのだ。
おひとり様には絶妙な量!!
唐揚げを頼むからには確実にハイボールが秒で無くなる。
面倒なので最初から2杯頼んでしまおう。
あっという間に運ばれてきた唐揚げ3個とハイボール2個。
まずは新たな黄金の輝きを体内に取り入れることにしよう。
ゴクッゴクッゴクッ…
「どぅわぁ〜っ何だ?!濃いぞ?!!」
よくある居酒屋の薄いハイボールを想像していたがしっかり濃いハイボールではないか。
ちなみにWで注文をすることも出来るのだが、これでWで頼むとどうなってしまうのか…
僕は、悪魔と相乗りする勇気、ないかな…

 いよいよ唐揚げも出動だ。
唐揚げを彩るように多過ぎないキャベツの千切りと共にマヨネーズが乗ってるのも嬉しい。
ハイカロリーな唐揚げとマヨの結婚を優しく見守るキャベツ姉さん。
そんなくだらない擬人化アニメが妄想の先で繰り広げられながらマヨ唐を一口。
「…コレだよコレコレ!!」
すかさずハイボールをゴクリ。
「うめぇ〜!!コレを望んで目が覚めたのだぁ〜!!!!」
思わず心の中で戸次重幸氏の如く叫んでしまった。
ジューシーで薄衣の肉肉しい鶏肉が美しく揚がっている。
ハイボール2杯頼んでおいて良かった、コレは3個行く間に1杯は確実に消え失せる。
唐揚げ1個食べる毎に仲良し姉妹のキャベマヨを食べられるのも嬉しい、ただの無骨な唐揚げではない。

 気付けば唐揚げ一家は夜逃げの如く姿を消し、ルームシェア組も残るは焼鳥とメンマ1個ずつが部屋を引き払おうとしている。
これは満足をした上での延長戦に突入だ。
またもメニューを凝視する。
アジフライも最高だけど朝からここまでの揚げ物オンパレードは30超えた身体にいきなり酷ではないかと思い別陣へ…
やはり中華で統一しようと思い立ち、そんなに好きでは無い餃子のページへ。
「何??バジル餃子??!」

物語は一気に中国からイタリアへ大移動。

続く

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