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王様?俺様、貴族様!!-2

 これまでの、王様戦t…
待て、さすがにこれ以上はやめておこう。
鎧を纏った大人達に無双されたら大変だ。

 メガレモンサワーを片手に焼き鳥を頬張っていた。
ド定番からあまり見かけない品まで、一律の値段で提供されていて度肝ばかり抜かれていた。
そろそろ私の悪い癖で粗を探したくなる。
再びメニューに目を向けると、〆の品々まであるじゃないか。
どれどれと目を配ると、ラーメンやらご飯やらバラエティに富んでいる。
中でも目を奪われたメニューがあった。

とり釜飯

おいおい、どこの峠を越える気だと不審に思いつつ、さすがに飲みの場でパッと出しの釜飯なんて出来る訳がない。
そんな邪心と共に、すかさず注文をセッティング。
昨今当たり前にはなっているが、このタッチメニューでの注文も、店員さんの動きを伺いながら最小限に注文しなければいけないという無用な気遣いを抑えてくれる為非常に助かる。
そのついでとは言わんばかりにドリンクメニューも再度確認。
おいおい、同じ値段で知多まで選べるのかよ?!
迷いも無くここは知多ハイボールを発注。

 マジで知多ハイボール来たよ…
何て安いんだ…
喜びのあまり一気飲みしそうになるのをグッと堪える。
ちゃんと美味いぞ。薄くない。
喜びに震えて居ると、あっという間に釜飯のセッティングがされ始めた。

こ、これは…釜飯じゃないか…
いやまぁ確かに頼んだのは僕だ、釜飯で間違いない。
でもまさか、それなりに作られたものが出てくるかと思いきや、釜がセッティングされ今からここで炊こうというのだ。
何の冗談かと思ったが、何度も言うがちゃんと釜飯だ。
またしてもビジュアル面だけでもやられた、僕の負けだ…

 酒や焼き鳥がついつい進みほろ酔い具合が進んできた頃、ついにお時間となった。
釜飯の準備が出来たのだ。
蓋を開けると、そこには美しい光景が広がっていた。

「これ、釜飯だよ…」

もう私の頭は狂ったように釜飯で一杯になっている。
しかも釜で炊いたことによってお焦げまであるじゃないか…
釜飯ファン必涙の出来栄えだ。
これをまさか目の前で作る、まるでカウンターで素敵なパフォーマンスと共に作られる豪華食事の気分をリーズナブルな価格で体験してしまうとは…
待望の釜飯を一口パクリっ…

「美味じぃぃぃぃ〜〜〜!!!」

どうしてこんなに釜で炊く飯は美味いのか…
メニューもバラエティ豊かなのに〆まで選べるとは…
もうはしご酒の必要すらないじゃ無いか。
しかも酔ったところでわかりやすい会計と来た。
そんな五臓六腑満たされたところで、デザートまで選べると来た。
物凄い量の生クリームで構成された魅惑のチョコレートミルクにプリンまである。
とてもじゃないが1回の来訪でメニューで遊び尽くすことはとてもじゃないが出来ない。
そうか、そうやってまた我々を招き入れようと言うのか…
この牙城を崩すのは並大抵じゃないな…
恐るべし、我が方の完敗である…乾杯、鳥貴族…

 そんな吟遊詩人のような面持ちで帰路に着くのである。
ちなみに、このご時世スッカリ定番化しつつあるテイクアウトメニューも用意されている。
今は無理だが帰宅後更に晩酌を、食べたくても食べ切れなかったメニューがある、という猛者にはもってこいの懐まで兼ね備えていやがる。

 敵は大きかった、偉大だった。
最早敵ではない、こちとら崇拝しつつある。
また来ようと心に誓うのであった。

次の店へ続く

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