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8 入院のはじまり

救急搬送された母は一旦全脳照射を行うため入院となった。

8月の入院の際の面会は、コロナにより制限付きだった。
・特定の2名のみ
・15分間
・期限内の陰性証明書提示
・ワクチン3回目の接種件提示

(条件は病院、病棟によって異なるそう)

姉と私の2名と決め、私は毎日面会に行った。
PCR検査も、期限が切れてしまわないように2日に1回予約し検査。
あまりにも通いすぎて検査所の人から覚えられていた自信がある。


気遣いの母は、看護師さんへ物事を頼むのが憚れるようで私が訪れると
「カーテン開けて!」「歯ブラシ綺麗にして!」
といろいろな気になることを伝えてきた。

「看護師さんに何でも言っていいんだよ〜!」

返しつつも、どうしても我慢をしてしまう母にとって、入院生活が続くことはとても負担だろうなと感じた。


入院期間中は病室にいる15分間だけが、唯一安心できる時間だった。



まだ手を動かすことが出来ていた母は会えない時間には時々連絡をくれていたが、母からの返事がないと、途端に不安になる。

【来ない、まだ見ていない、無事だろうか、早く既読ついてくれ…】

四六時中スマホを見ては不安と安堵を繰り返していた。

病院からの着信には心臓が張り裂けそうになった。


家族の心配とは裏腹に、悪い連絡も無く20日間の全脳照射を終えた母は
無事に入院生活を終えることが出来た。


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