見出し画像

東欧医学部に対する偏見

『あなたがやりたい医療ってそんなもんだったの?医療後進国で学んで何がしたいの?』

『東大出身の友達に君のこと話したんだけどね、東欧医学部を卒業して医師として働くなんて無理だって言ってたよ。』

私がブルガリア医学部に進学する際に周りの人から言われてインパクトのあった言葉2選です。

ネガティブな言葉に対して私がなんて返したかと言うと、当時は何も返せませんでしたね。
ショックすぎて。
自分が辛い時こそブラッシュアップのチャンスと知るのはまだまだ先の話で、ネガティブな言葉に10代の私の心は簡単にざわついたものです。

不思議なのですが、人と違う事をすると、日本人はすぐ否定的な言葉を投げかけてくる人が多い気がします。

私が医学部留学を始めた2000年後半は、医学部留学なんて言葉を耳にする機会はありませんでしたし、東欧医学部を検索しても、詐欺を疑ってしまうような留学斡旋業者のホームページしか見つかりませんでした。

2020年になって、東欧医学部で検索すると、ブログからYoutubeまで随分色々な人の発信を目にするようになりましたし、外勤先の先生に『この患者さんハンガリー医学部出身の先生がオペしてくれたのよ』なんて言われて、結構身近に海外医学部出身の先生がいるんだと知れて嬉しくなるなんて事もありました。

もし今私があの2人に会ったとしても、あの時言われた事と同じようなネガティブな言葉をかけられるとは思えません。
きっともっとポジティブに、その国で勉強する価値だとか、その先の可能性を説いてくれるような気がします。



人の常識、考え、言葉は本当に曖昧ですね。


世の中の常識が変われば、その人の価値観が変われば、言葉は変わります。
常識だって、多くの人間の賛同を得ているから常識なだけで、一瞬でひっくり返る事だってあるでしょう。
人から言われた言葉の意味を考えて自分なりに答えを持つことはいいのかもしれないけど、それに傷ついて囚われて生きていくような価値もないければ、時間が勿体ないのではないかと最近思います。

それよりも自分がやるべき事をコツコツやり続けて結果を出し続けられる環境を整理する事に時間を使った方がよっぽど有意義。

結果を出し続けていれば周りの風景がガラッと変わる事もあるし、そもそも夢中になって取り組んでいると不思議と水を刺すような言葉が耳に入ってこなくなるんですよね。

不可能だと言われた新しい事でも、人の脳の片隅に少しずつ情報として入り込んで、いつかそれが既存の常識に混ざっていくのだなぁと最近実感しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?