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韓国の海外医学部留学事情と専攻医の医療ストライキ

以前、実習に来た学生ちゃんが数年ぶりに顔を見せに来てくれました。
学生ちゃんルーツが韓国にあるらしく、日本の医学部を卒業したら、韓国の医師免許を取りたいと思っていると話してくれました。

日本だとハンガリー医学部留学が有名ですが、韓国では、自国の医学部に行けなかった場合にチェコ医学部に留学するのが流行っているようで、韓国政府が問題視しているそうです。

日本の場合は、海外医学部卒業者が日本の医師免許を取得する際には、厚生労働省の定めた基準を満たしている必要があります。

基準に満たない場合は、医師国家試験予備試験受験資格認定となり、過去問も解答も出回っていない、全科目筆記試験と噂の予備試験を受ける事になるのです。

厚生労働省ホームページより
厚生労働省ホームページより

私が留学していた当時、ブルガリア医学部を卒業して日本で医師として働いてる日本人はおらず、在学中は日本で働けるのかどうか常に不安でしたし、どんな書類を作成すればよいのか自分自身も分からない中で、おおらかなブルガリア人に日本人が求めるレベルの書類を作成してもらうために、その都度書類の内容を確認して修正を求めるのは、とにかく本当に大変でした。

そんな訳で、韓国政府が海外の医学部卒業者の韓国医師免許取得に際して、どんな条件を課しているのか気になって、日本みたいに国家試験認定にならない場合はどうなるのか聞いてみたら、韓国はもっと厳しくて、国家予備試験認定はないと。
まさに、一発勝負!

だけど、2024年2月の韓国の専行医の医療ストライキで、韓国の医大出身の医師が働かないなら、海外の医学部を卒業した人を輸入すればいいじゃんと政府が考え出したらしく、海外医学部卒業生にとってはよい風向きになってきているらしいです。

学生ちゃんは、韓国で日本の医大を卒業した人の出身校のリストが公開されているんですけど、うちの学校ないんです~、まぁ、日本で産まれ育ったから韓国に住んだことないし、韓国の医師免許を取れたとしても日本で暮らし続ける気がしますけどね、なんて嘆いていました。

やっぱり、どこの国でも医学部留学ビジネスが横行しているんですね。

改めて、海外医学部を卒業して他国で医師免許を取得し働く事は、時の運だなと感じました。
学生ちゃんが無事、韓国の医師免許を取得できますように。

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