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松戸市立博物館内の「常盤平団地」を見てきました

「防災」や「地域のつながり」について調べていると、千葉県松戸市にある常盤平団地の「孤独死対策」がNHKの「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」をはじめ海外を含め何度もメディアに取り上げられていることを知りました。

下記の記事に詳しく掲載されています。

松戸市には牧の原団地や小金原団地など、たくさんの団地が点在しています。そのなかでも常盤平団地は、1960年代に5階建て・5,000戸以上もの大規模団地で全国にあるニュータウンの先駆けだったそうです。

松戸市立博物館で見れる再現コーナー

常盤平団地をじっくり見に行っていたいと思っていたところ、松戸市立博物館のなかに再現コーナーがあると知って行ってきました。

松戸市のまんなかあたり、21世紀の森と広場の中に位置しています

「人類の誕生」にはじまり、旧石器時代の道具の展示、落語家さんが語る「御鹿鹿狩り」のビデオ上映など、歴史がギュッと詰め込まれていて、想像以上に面白かったです。

そして、展示の最後にあらわれるのが、一部屋だけではなく、まるっと建物ごと再現されている常盤平団地です!

団地の案内看板まであって本当に現地のようです。
なんだか是枝裕和監督の「歩いても歩いても」という映画を思い出しました。
思わず友人の家に来たような気分で靴を脱いでしまいましたが、土足のままOKです。
実際に使われていた家具等を展示していて、クリスマスなど季節に合わせて変えているとか!
さっきまで人がいたような雰囲気で、このまますぐにでも住めそうですよね。
ベビーベッド、鏡台、ミシンまで。住んでいる家族像を具体的に設定しているそうです。
お部屋の雰囲気を見ると、お風呂は木製で古いところが意外でした。
いまでは当たり前の「水洗トイレ」も当時は珍しい存在、手洗い器も付いてます。
上の階までしっかり作ってあって、ベランダには洗濯機もありました。

憧れの団地は孤独死対策の時代へ

工事していた頃の動画も見ることができたので、元々どんな場所に、どんな人たちが集まって、この街が形成されていったのかよく分かりました。

団地完成当時は、食べる部屋と寝る部屋が別、テレビ、洗濯機、水洗トイレ、椅子を使った食卓など、いままでにない新しい生活スタイルは、東京に勤めるサラリーマン家庭を中心に入居希望者が殺到して抽選が行われたそうです。

昔は人気のマンション発売時には、会場に希望者が集められて、商店街のイベントみたいにガラガラで当選番号が発表されることがあったと聞いたことがあります。常盤平団地もそんな感じだったのでしょうか。

しかし、1960年台に建てられた憧れの団地も老朽化とともに住民の減少・高齢化が進み、2000年代になると孤独死が相次いだことで「まつど孤独死予防センター」・「孤独死110番」・「あんしん登録カード」・「いきいきサロン」を整備するなど、次々と「孤独死ゼロ作戦」と称した孤独死対策が進められていったようです。

2008年には自治会長の中沢卓実さんによる「常盤平団地発信 孤独死ゼロ作戦―生きかたは選べる!」という本も発行されていました。

常盤平団地のなかには「あいさつは幸せづくりの第一歩」「みんなで創る 向こう三軒両隣」「友は宝なり」という言葉が合言葉して掲げられています。「孤独死対策」においても「防災」においても「地域のつながり」はとても大切なこと、これからも意識的に地域活動に関わっていきたいと思いました。

おまけ:糸車とアンギン編みも体験できます

1階プレイルームでは、綿から糸を紡ぐようすを見学したり、縄文時代の布である編布(アンギン)製作体験させていただきました。

綿から糸を紡ぐ「糸車」の見学

車輪になっている部分で糸を巻き取って紡いでいくのかと思っていたのですが、車輪に巻き付けるのではなく綿から糸になっていくのは手前部分だったんですね。

縄文時代の布である編布(アンギン)製作体験

編布(アンギン)は小さな笛のような道具を使って、交互に麻糸を編んでいくことで簡単に「すだれ」のような布が出来上がりました。

帰宅してからパンフレットを見て気付いてしまったのですが、野外には縄文時代の「竪穴住居」を復元したコーナーもあったそうです・・!展示コーナーや団地の再現コーナー部分では、小さなお子さま連れのファミリーも楽しんでいました。興味がある方はぜひ訪れてみてください。

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