見出し画像

ダメ社員、欲望が止まらない。

 筆者がnoteを再開して1か月が経った。この間に色んなことがあった。
 妻からテレビのリモコンを投げつけられたり、泣きバナナ(※愛娘。最近座りながら手を広げる)がおもちゃを見ると奇声を上げるようになったり、米中間の貿易摩擦が深刻化したり、タイガーウッズが劇的な復活劇を果たしたり、フリースタイルダンジョンでラスボスの般若が引退したりした。筆者は般若の一番の名曲は「やっちゃった」ではなく「内部告発」だと思っている。あれは名曲である。とりあえずこの1か月で筆者自身に変化は起きなかった。シャンプーを夏に向けてトニックタイプにしただけだ。筆者はトニックタイプのシャンプーが大好きだ。頭がすっきりするし、目に入った時は「風呂に入っているなぁ」と実感するからだ。

 とりあえず、筆者をサポートしてくださっている方もいるので活動報告をした方が良いと思って深夜にもかかわらずパソコンを開いている。律儀の極みである。

  もはやこれが多いのか少ないのかも分からない。ただ、ハッキリ言えることは、インターネットの匿名性を現代人が存分に甘受しているということである。拙著「私の妻は元風俗嬢」の閲覧数がとても多い。世の中の皆さんはやはり人様のプライベートが好きなようだ。「私の職業は物書きです」という大嘘つきで溢れるnoteにおいて、この連載が伸びている。これはもはや悪魔の証明であった。「高尚かつおしゃれな文化人などnoteにはいないことを証明しろ」という命題を見事に看破した瞬間である。運営会社も恐れをなして、筆者のエントリーをオススメできないのである。

 ところで、「私の妻は元風俗嬢」の執筆が進まない。この連載は書く事に非常にエネルギーがいるからだ。なにしろ、拙著では妻とやっと同棲が始まったところまで書いている。なにせ3年ほど前のことであるから思い出すのも一苦労。妻に「あの時ってこんなんだったけ?」などと確認を取りながら執筆をしている。思い出すことが嫌なこともたくさんある。それを思い出しては、文章に書き起こす作業が必要になるので、これまたなかなか骨の折れる作業であることはご理解いただきたい。

 先述したように、筆者はクリエイティブ系の仕事に就いている。どちらかというと文章を書いたり、写真や映像を撮ったりするのが得意な方だ。でも、妻のことを書くことはできない。プライベートを披露してお金にできるのは世の中の中のほんの限られた人たちだけであって、筆者には高邁な思想も、万人を魅了するルックスも、世の中の人を牽引するような知見もない。当然、筆者のプライベートなど世の中にとっては何の価値もないものなのである。言うなれば、シューマイの上に乗っているグリンピース、食べて良いのかわからないパセリ、割引される前の成城石井のお総菜のようなものである。誰も手に取らないし、手に取った人間は後ろ指を指される。

 しかし、それでもなお筆者はこの連載を完遂させなければならない。筆者は、妻が必死に生きてきたという証しを残したいのだ。

 妻はとても素敵な女性だ。夫に対する文句、暴力を織り交ぜながらも家事を完璧にこなす。毎日、マンションのエントランスまで見送りをする。帰ってきたタイミングでは晩ご飯を絶対に準備しているし、筆者がお風呂から上がってくると必ず着替えが用意されている。

 でも、妻の良さを知る人は少ない。妻は激しくヤンキーだったし、その期間に傷つけてきた人もたくさんいる。タトゥーが入っているから見た目にもちょっと怖いし、そもそも風俗嬢だったからマトモに見てもらえないことも多い。某アパレルの面接に言った時には、「腹部に入っているタトゥーを見せろ」と男性面接官に言われ、シャツをまくり上げてタトゥーを見せたら笑われたこともあった。それでもなお、妻は「次の面接は頑張る」と家で笑ったのであった。筆者から見ても妻は至らないところも多い。でも、はなまるをあげたいことだってたくさんある。妻は泣きバナナの世話もあるのでなかなか外に出られない。だからこそ筆者が妻を褒めてあげたいのだ。

 そのために筆者はこの連載を書き出した。筆者はタトゥーにも風俗で働くことにも、ヤンキーになることにもいまだに反対だ。でも、懸命に自分を変えようと突き進んだ人は美しい。この連載が完結したとき、多くの人にそれを読んでもらってはなまるがもらえるように。筆者は妻のことを書き続けるつもりなのだ。

 ということで、来週からは拙著「私の妻は元風俗嬢」の掲載を増やそうと思う。読者諸兄には大変恐縮であるが、変わらずのご愛顧を期待したい。願わくばサポートをしてほしい。借金を返さなくてはならないので、お金が欲しい。コメントもほしい。パソコンを開くのは面倒なので、励ましてほしい。さらに、仕事を回してほしい。「うちのサイトでコラム書かない?」とかでいい。色んな媒体で妻のことを紹介したい。ダメ社員でも生きていけるということを紹介したい。泣きバナナのいじらしさを世界に広めたいのである。欲望は止まらないのである。

 とにかく、この1か月、盛大なのろけ話に付き合っていただいたことに心から感謝をしたい。ありがとうございました。まだまだ続きます。


#エッセイ #日記 #ブログ #私の妻は元風俗嬢 #結婚 #育児 #仕事募集 #就活

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?