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ゾエゾンのレビュー『執権』

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 源頼朝が没した後,執権の地位にあった北条氏が政治の実権を握り,政治を進めていく。これを執権政治といった。源氏は三代で途絶え,後鳥羽上皇との承久の乱,二度の元寇,そして有力御家人らによる血肉の争いと,北条氏は数々のピンチを乗り越え,常に幕府政治の実権を握り続けた。なぜ一番強いはずの彼らは将軍にならなかったのか。本書はこの謎を,北条義時,北条時宗の2人に焦点を当て解き明かしていく。その答えはぜひ本書を読み,探してほしい。
 さて,私は大学のゼミで鎌倉幕府の歴史書『吾妻鏡』を読み込んだ。担当した壇ノ浦の戦いを実際の史料から見つめる作業は,苦しくも,楽しいものだった。本書はそんな史料を丹念にたどり,歴史の姿を分かりやすい言葉で伝えてくれる。


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