どうやってものづくりしているの?和樂webの商品企画から販売までの流れをまるごと公開!
「え! 和樂ってものづくりもしているんですか?」と、最近ある取材先の方に驚かれました。「てっきりWebメディアと雑誌だけかと......」そうですよねぇ。私も2年くらい前までそう思っていましたもん。
こんにちは。和樂webのWebディレクター鳩です。
これまでWebメディア以外に音声コンテンツやTikTok、SNSをがんばっているぞ! とnoteにあーだこーだと書き連ねてきましたが、和樂webの最大の武器は「オリジナル商品開発」です。
\\じゃーん! 日清食品と一緒につくったこんな商品も!//
じつは。和樂webと雑誌和樂では、全国の工房や職人とタッグを組んで、商品開発を行っています。(知らなかった! という方も多いのでは?)
技に合った必然性の高いコンセプトとエッジの効いたビジュアルで、発売とともに売り切れとなった商品も多数! 企画から販売、オウンドメディアでのPRまでワンストップで担うことができるので、売るところまで「強い」のが特徴です。
というわけで、本日のnoteは、和樂webがこれまでにつくってきた商品と、その制作過程、担当者が気をつけているポイントなど、まるごと公開しちゃいます。
商品開発に携わる方、企業や自治体、職人のみなさん、Webメディアの新しい在り方にご興味のある方、ぜひ最後までお読みください!
これまでどんなものをつくってきたの?
和樂webと雑誌和樂がこれまでにつくった商品は50種類以上! 商品のジャンルは、江戸切子に木目込人形、備前焼、会津木綿、蒔絵、畳、柩(ひつぎ? そう、棺桶です)まで。現場で一緒に働いているわたしでも「え? そんなものつくってたの? 」と驚くくらい、多様なラインナップです。その一部を紹介すると......
いつも人気の定番商品
江戸木目込人形の「フォーチュンキャット」と切子グラスは、布や彫刻を変えたさまざまなアレンジを展開しています。この記事の最後のほうで和樂webスタッフサッチーが担当した「ご当地フォーチュンキャット」をご紹介しますね!
SNSで話題になった商品
単価が高い商品も、強烈なコンセプト・ビジュアルが一気に話題になって即完売するケースも。個人的にはEN TEAとともに開発したTEA TIME MACHINEがお気に入りです。
職人×職人のコラボレーション
さらにさらに。異なるジャンルの職人たちとタッグを組んで、ひとつの商品を企画するケースも。例えばこちらの「SOTOCHAバッグ」は、会津木綿の「IIE Lab.」、奥会津編み組細工(三島町)の作家、会津美里町の本郷焼「工房爽」に制作を依頼。夢のセットも、和樂webなら実現します。
企業や自治体によるクライアントワーク
そして! これらの商品企画力を生かして、日清食品やAGFと一緒にオリジナル商品を開発したことも。AGFの「HOKUSAIコーヒーガラスマグ」は現在発売中です。
▼これまでつくったものはこちらのページで一覧で見ることができます!
商品開発の流れ
ふう。もうお腹いっぱい......こんなに商品つくってたんですね〜。一気にご紹介したあと、ふつふつと湧いてきた疑問。そう。ここまでに紹介した商品は一体どうやってつくっているのか? ......お答えしましょう。
クライアントや職人からの提案でスタートするケースもありますが、商品開発の多くは、和樂web編集長のひらめきからスタートします。編集長から生まれたアイデアのタネを、職人とスタッフでちょっとずつ具体化していくのです。
制作体制は、雑誌掲載がある場合、雑誌和樂のスタッフ1名、和樂webのスタッフ1名の合計2名で進めることがほとんど。例えば、こんなふうに進めていきます。
(長くなるので、制作過程に興味のない方はすっとばしてください!)
1.アイデアを膨らませる
主に編集長が、取材先などで出会った職人とその技術をベースに、社会に新しい使い方を提案するようなもの、既成概念を覆すようなものを、アイデアとして膨らませます。
2.コンセプトを共有する
編集長からスタッフにアイデアを共有してもらいます。それをもとに職人に商品開発の依頼を行います。
3.打ち合わせを重ねる
職人と編集長、スタッフのイメージのすり合わせを行います。打ち合わせの中で、商品のディティール、価格、制作個数などをつめていきます。雑誌掲載ありの場合は、雑誌の校了時期から逆算して制作スケジュールもつめます。
▼zoomを使ってリモートで進めることも
4.試作する
職人に試作を依頼します。スタッフは、必要に応じて素材やデザインデータなどを準備して、職人に送ります。直接何度か伺い、打ち合わせをすることもあります。
▼HOKUSAIコーヒーガラスマグの試作
5.サンプルを確認する→完成
リモートの場合は完成したサンプルを編集部に送っていただき、編集長とスタッフが確認します。必要があれば再調整していただきOKであればそのまま量産に移ります。
6.通販サイト、PRの準備をする
量産の間に、通販サイトやプレスリリース、記事に掲載する原稿を用意します。サンプルを使った写真撮影は、スタッフも立ち会って指示します。
7.通販サイトで発売開始する
商品が小学館の通販サイトに掲載されます。
8.PRをする
7と同じタイミングで、プレスリリースやSNS、記事で発売開始をおしらせします。最近は音声コンテンツやTikTokなどテキストメディア以外でのプッシュも行っています。
商品開発のポイントは?
ここまでにお伝えしたものづくりの過程で、特に重要ともいえる、企画から制作までの部分。職人とのコミュニケーションの中で気をつけなくてはいけない点はいったい何でしょう?
「SHINSENGUMI」や「北斎屛風」など、和樂webで商品開発を主に担当しているスタッフ・サッチーに、聞いてみました!
ポイント1.当初のコンセプトからずれないようにする、きちんと伝える
「他の仕事と同じですが、根本的なところがずれると全部ずれてしまいます。ですので、開発のスタート時に考えたコンセプトからずれるとたいてい良いことになりません(笑)そうならないよう、こまめにコンセプトを確認したり、共有したりしています」
たしかに、最初に共有したところからずれていたことに気がつかず、完成間近でひっくりかえる......なんてことがWeb制作の現場では多々ありました。
ポイント2.職人を信頼する
「職人のみなさんは、ものづくりのプロフェッショナル。技術的な知識がほぼないことを自覚したうえで、相談や提案をしています」
個人的には、プロでもないのにデザイナーに細かすぎる指示をしまう、なんて失敗を新卒時代に経験しました。プロの仕事を信頼して、仕事を依頼する姿勢ってものづくりでも大切ですね。
ポイント3.オーディエンス目線を忘れない
「メッセージは必要ですが、それが奇抜になりすぎると、オーディエンスから遠いものになってしまうこともあります。かといって、新鮮さがないとオーディエンスが振り向いてくれないことも......このバランスがむずかしいです。とにかく、常にオーディエンス目線を忘れないようにしています」
オーディエンス目線はオウンドメディアを運営するうえでも大切なことのひとつですが、ものづくりでも同じなんですね。いつでもオーディエンス目線を忘れないようにしなくてはならない! とあらためて気が引き締まりました。
というわけで、サッチーが商品開発で気をつけているポイントは......
1.当初のコンセプトからずれないようにする、きちんと伝える
2.職人を信頼する
3.オーディエンス目線を忘れない
の3つでした。どれも商品開発以外の仕事でも役に立ちそう!
思い入れのある商品は?
最後に、サッチーが担当した商品の中で思い入れのある1品について教えてもらいました。
サッチーが選んだのは......
\\「ご当地フォーチュンキャット」19種類!//https://intojapanwaraku.com/shop/94554/
「この招き猫は『布の見本帳を、立体の招き猫で作ったらおもしろそう』というアイデアから始まりました。ただ、全国各地のハギレを集めるのが大変で......(笑)完成した19体の招き猫がずらりと並んだ瞬間は、迫力満点で、がんばってハギレを集めてよかったーと思えました。
ハギレを集める過程で、日本に多様な織物文化があるということを、頭ではなく、体感として理解できたのも、勉強になりました。個人的には、47都道府県制覇を目指して少しずつ続けたいです(今ならもう少しスムーズに集められそう......)」
今回の場合、ハギレ集めが大変だったとは! でもアイデアを具体化していく作業ってやりがいを感じますよね。Webのコンテンツでもおもしろいんだから、商品だとなおさら新しいものを生みだす喜びは大きいだろうな〜。
どこで販売しているの?
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます!
で。和樂webのオリジナル商品はどこで売っているのか? というと、小学館の総合通販サイト「PAL SHOP 大人の逸品」内で販売しています。
※通販サイトの運営、在庫管理は小学館集英社プロダクションに委託
現在販売していない過去の商品はこちらをご覧ください。
メディアのリテール化の先には、個人的には、いつかWebを飛び出して、リアルな場所で販売ができたら楽しいだろうなーなんて妄想してしまいます。さっきのご当地フォーチュンキャットが47都道府県そろったら、実物をずら〜っと並べて見てみたい、ですよね? 和樂webのものづくりが、これからどんな方向に進んでいくのか、わたしも楽しみです!
和樂を応援してくださる方の投げ銭お待ちしております。