みんな使いすぎ!【させていただきますマン】になってませんか?
こんばんは。
敬語シリーズ。続いては多用しがちな
させていただきます。
この言葉、よく耳にもしますし、口にも出してしまいがち。
丁寧な言葉だけども、多用してませんか?
いつだったか、電化製品を見ていたときにも、「こちらのツマミを回していただくと、温度調節ができます」だとか、「こちらが電源ボタンでして、ボタンを押していただくと、電源が点いた緑のランプが点灯しますので、こちらをご確認していただいてから、ツマミを回していただく流れになります」
なんて説明されて
???
となりましたね。
さすがにこんなに多用する人は〜なんて思うけど、実際にいるんですよ。
回りくどくって、伝わりづらい(理解しづらい)!!
使ってませんか?
↓↓↓↓
本日中にお送りさせていただきます
ご挨拶させていただきます
拝見させていただきました
担当させていただいております
食べさせていただきました
〇〇していただくと〜
ご連絡させていただきました
値上げさせていただいております
説明させていただきます
確認させていただきます
中止とさせていただきます
やらせていただきます
やらさせていただきます
あげだしたらキリがないのでこの辺で。
「〜させていただく」を使う場面は3つ!
このポイントをおさえることができれば、やりすぎな「させていただきますマン」から脱却できるので、ぜひ習得してください。
早速、ポイントをお伝えします。
使える場面は下記3つ!
相手の許可が必要なとき且つ、自分が恩恵を受けるとき
例えば、
「日程を変更させていただきます」は、日程の変更に相手の許可を必要とし、変更したいのは自分なので恩恵を受けるという意味が含まれますね。
許可が必要のない場面では使わないようにしてください。
挨拶やプレゼン発表、セミナーでの説明など、特に許可はいりませんね。
相手にとって喜ばしいことやメリットがあるとき
「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。自分が遠慮する気持ちなども含まれます。
相手の為になることをさせてもらう場合には使用できます。
例えば
「ささやかではありますが、500円クーポンを発行させていただきます。」などは相手が喜ばしいことですね。反して、「値上げさせていただきます」は相手にとって嬉しいことではありません。そして許可が必要なものではないですね。(相手に値上げ許可の可否を聞いて、値上げしないでと言われたときに、値上げしない決定が出来るのであれば使ってもいいですよ)
自分にとって、とても光栄なとき
例えば、
役者さんが「まさか自分が小さい頃から読んでいたマンガの実写版の主人公をさせていただけるなんて」という場面。
させてもらうことがとても光栄です、という気持ちを伝える場面では使用できます。
「このような敏腕経営者ばかりが集まっているパーティーにまだ未熟な私が参加させていただけて嬉しいです」なども光栄な気持ちが分かりやすいでしょうか。
場面によっては同じ文章も使える場合と使えない場合があります。
「後ほど、お電話させていただきます」
こちらが電話をしたいからするときは、電話してもいいか?という相手の許可が必要になるため、使ってもOKです。
ですが、お客様から電話をかけてほしい、という場合や謝罪など電話をすべき時には、相手の許可は必要がなく、相手から恩恵を受ける場面でもありません。
その場合は、「後ほど、お電話いたします」というように、「電話する」の「する」を謙譲語の「致す」にしましょう。
※二重敬語に注意!
さらに注意すべきは、
「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語となるので、「謙譲語+させていただく」と使ってしまうと、二重敬語になってしまいます。
拝見させていただく
頂戴させていただく
伺わせていただく
申させていただく
拝察させていただく
拝受させていただく
拝読させていただく
拝聴させていただく
参らせていただく
おいとまさせていただく
上記は「謙譲語+させていただく」の二重敬語です。正しくは、
拝見する
頂戴する
伺う
申す(申し伝える)
拝察する
拝受する
拝読する
拝聴する
参る
おいとまする
です。
「させていただく」の言い換え表現は?
「致す」を使うことで、ずっとシンプルに出来、敬意を表すことができます。
「致す」はこちらが一方的に「する」という意味に加え、「率先する」という意味も含まれます。
本日中にお送りいたします
お電話いたします
ご説明いたします
ご案内いたします
確認いたします
早退いたします
謙譲語の単語はシンプルに「です」「ます」などを使いましょう。
拝見しました
担当しております
頂戴しました
拝聴しました
相手にとって喜ばしくない場合の言い換え表現
値上げさせていただきます
中止とさせていただきます
閉鎖させていただきます
中止や閉鎖は「させていただく」が使える場面もありますが、イベント会社などが決定事項として、相手の許可を必要とせずに(もちろんやむを得ない場合も含めて)中止を決め、周知と謝罪をする場面が多いのではないでしょうか。
心待ちにしていたお客様からすると、喜ばしいことではありません。
その場合の言い換え表現としては、
〇〇の理由から、やむを得ず値上げをする運びとなりました
中止することを決定いたしました
閉鎖することになりました
「中止いたします」「閉鎖いたしました」でも間違いではありませんが、「いたしました」が連続してしまう時は、「運びとなった」「することに至った」などという言い換えも使ってみてください。
「させて頂く」とは書かないので注意!
これ、ご存知でしたか?
「させていただく」は補助動詞。そう、動詞です。
補助動詞はひらがなと覚えておきましょう。
「頂く」と漢字を使用する場面は、何かを「もらう」とき、「食べる」といった意味の謙譲語として使用するときです。
お土産を頂きました
→もらいました、食べましたの意味
お茶を頂きました
→お茶を飲みましたの意味
夕飯を頂きました
→食べましたの意味
メールや手紙などで使用する際に、気をつけてくださいね。
いかがでしたか?
「させていただきますマン」から脱却するだけで、相手に敬意を表しながら、きちんと伝えたいことが伝えられるようになります。
また今度、混同しやすい「いただく」についても取り上げますね。
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