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無職が及ぼす不安とまともの定義

仕事の契約が終わった。契約を結ぶ時から3月末までってことだったし、2月の頭には「契約は延ばせないから、当初の通り3月末まででよろしくね」と課長に言われたので、仕事が終わること自体には何のダメージもない。わかってたからね。
定期的な収入があり、通うオフィスがあるというのは、こんなにも安心するものかという気付きがあった。ほとんど毎日、会社のある港区に通って、ずっしりとした21階建のオフィスビルの回転ドア(!)から小さく歩幅を踏んで館内に入るとき、まともな人間になれた気がしていた。そこにいる人たちがどんな人かも知らないけど、こんな立派なオフィスでそれをフロアまるまる借りられるほどの資金力がある会社で働いていて、ランチにポンっと1000円払える経済力があるってことは、この空間にいる人間のマジョリティはまともなんだろうなと勝手に思っていた。本当のことは知りません。でも、その中にうまく溶け込めていると、言葉にできない安心感があったのが確か。その安心感は、会社との契約が終わった途端、あっさり私を突き放すような仮初の安心感なのですが。
ということで今は、言いようのない不安が押し寄せています。なぜなら転職活動が全くうまくいかないから。しかも、次の仕事が決まってすらいないのに4月21日発のバリ行きの航空券を買い、調子に乗ってジャカルタ発のペナン(マレーシア)行きも買い、陸路でタイに入国する計画を立てている。
せめて旅行中もお金が稼げたら、という思いで翻訳の仕事の面接を受けて、結構いいところまで言ったのに、これもちょうど3日前に落とされた。マジで悲しい。収入源から拒絶されるとき、心の中に不安の種が撒かれていく。それがじわじわと育っていって、心の中を覆い尽くしていく気がする。

ちゃんきえLinkedInデビュー

Linkedinというものを本格的に使い始めた。これはビジネス版のMixiってこと?そこでは好きな音楽や最近読んだ本、最近行って面白かったイベントや美味しかった定食屋さん、メンタルヘルスについて考えたことなどはシェアされず、どこの会社で働いたことがあるかをみんながプロフィールに書き、今の世の中に必要されるビジネススキルについて話している人ばかりだ。
なんだか私には思いっきり向いていない気がするけど、とりあえず登録して必要事項を埋めてみた。
あと、深夜にだいぶ酒に酔った勢いでふと、昔恋心を抱いていた人の名前を検索して、その人がどこの会社にいるのか見た(自分でもドン引き)。そうしたらさ、Linkedinって足跡残っちゃうんだね!!!次の日自分のページに彼からのアクセスがあって震えた。もうこの時点でmixiと混合しすぎている。いつだかぶりに「やらかした」と泣きたい気持ちになりました。
そういえば怪しいメッセージが来たこともあるよ。自称台湾人の好青年そうなプロフィール画像の人物から、「日本でビジネスを始めるために日本人を探している」と。結構面白い会話をしたからここに載せる。


怪しいポイント①前置きが長い
②仕事の詳細(JD)を欲しいというとはぐらかされる。あとなぜかLINEに移行しようとする。
③大きなことを言っているようで全然中身がない

情報量が多そうに見えるが、羅列されているキーワードにはなんの信憑性もなく、内容を明かしているようで全く明かしておらず、ちぐはぐな会話を繰り広げただけ。友人に聞いたら「間違いなく詐欺だわな〜」とのこと。Linkedin、恐るべし。あとインドのリクルーターからやたらつながり申請が来るんだけど、どうやって私を見つけているの???????

リクルーターともたくさん話した。日本の企業、外国の企業、日本人リクルーター、外国人リクルーター問わず。これまで自分がしてきたこと、どんなことを学んでどんなスキルがあるか、どんキャリア設計を描いているか…。そんなことを話すたびに、自分じゃない誰かになったような気がする。
とはいえたまに話しやすい人もいて(台湾の人材エージェントで、台湾に移住するかは未定と伝えたけど、あちらでの生活ぶりなど楽しく話してくれた)自己発見につながるような会話に導いてくれる人もいる。
リクルーターと話すのって正直すぎちゃいけないセラピーみたいで、ここは譲れない、ここは妥協できる、将来のために自分をこういう道に進めてくれる会社との縁が欲しい、ということは言えるけれど、あまり欲を出しすぎると仕事をもらえない気がして謙虚になりすぎてしまう時があり。。。。リクルーターのみなさん、どうですかね?

冒頭で「自分もまともな人間になれた気がした」って書いたけど、ふと、この文脈で語られる「まとも」とは何だろうか。と、記事を下書き保存したあとに出かけた図書館への道で考えていた。

道徳に背いておらず、何らかの尊敬に値するもので、正直さをふくむもの。と解釈したけど、みなさんはどうですか。
もっと噛み砕こうと思って「まともな生活」から連想できるものを単語で書き出してみる。
納税、社会保険、月給、定期預金、マイホーム、税金対策、老後預金、資格保持。国の定める税金をきちんと納め、かつ労働の対価でもらった通貨を予測できない未来のためにしっかり貯めていく行為がじゅうぶんにできる生活基盤を持つ人を、私は「まとも」とみなしているようです。みなさんはどうですか。
「まともが分からない」って、坂本慎太郎の曲のタイトルそのまんまが頭に浮かんだよ。


カラーコピーの何がまともなのか書いた時の自分が思い出せない

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