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【歌集】nowplaying•town

 昨年から作っていた歌集が刷り上がりました。もうできるわと言い始めて一年近く。お知らせに添えて、あとがきに書ききれなかったことをちょっと話させていただきたいと思います。

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《 nowplaying • town 》2021
新書版 / 104ページ / 約70首と詩1篇
¥1,200
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気が付いたら高速道路を走っていた。
歓楽街は海の底。ドローンが飛んだ。
車窓を横切るすべてに追いつけなくて、きっと曖昧に忘れていくんだ。
それでもいいからよく見ておきなさい。母が言った。

この町を芯まで吸い尽くそう。
改名後初、ラジカルにメルヘンでありたい歌集第三弾。
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 2020年からの歌を収録した本です。そこに散文を挟むようなかたちで、物語ではないですが、ゆるやかなシークエンスを作ろうとしております。

 前作のあとがきで「現実も夢もどちらも夢というか、真実とするには強く信じないといけないような虚構なんじゃないでしょうか」と書いたんですね。私。そう書けたのは当時の自分が何かを信じられていたからだよなあと、今作を作り始めて痛感しました。
 信じる。今はそれが何なのか、考え始めると結構追い詰められます。くさくさした悩みを抜きに「信じてるよぉ」と言えてしまえる状態ってめっちゃ信じてるよな。とか。時代の事情や私的なモードで今はとてもそう言えず、代わりに「信じたい」と言うようになりました。信じられる自身を希求している。何をとか誰をとかでなく、何かをって感じです。極端に言えば、絶望したくない、に近いかもしれません。きっと何にも絶望することなんてないですけど、心に灯を持ち続けるのはそれなりに難しいことなんじゃないかと私は思っているんですね。だから「信じて」と思う。それは他者と自身に対してです。

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 あとがきに書くには思いの丈っぽすぎて、ここに赤裸々あとがきとして書かせていただきました。読んでくださった方に「ああそういう本ね」と納得いただけるといいな…!発表した今すげードキドキしてます。

 販売はBASEと手売りで行っております。下記のURLがBASEのリンク。気軽に覗いていただけると幸いです!
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https://chanitowork.thebase.in

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 正しいWBで見るとこんな感じだよ写。まるで私が持ってるみたいな撮り方ですが、友人に持ってもらいました。ありがとう。
 刊中写真のモデルをしてくれた友達にも頭が上がりません。彼女たちだけでなく、色んな人の支えで作れたよ〜ありがと〜と思うばかりです。思うばかってたら、今月のWORKのことをすっかり忘れてました。では今週中にまたそちらで。

 どうぞよろしくお願いいたします!

魚だったはず。覚えてる?まだ痛むなら冷めるまで寝ててもいいよ

洪水の中にいたよね スニーカーにはあんまりな雨だったでしょ?

このあたり一面パーキングに変わる日を救済として待ちましょう

さいわいちょう すてきな名前集めては燃やすように幸せと生きたわ

LED掲げるたんぱく質たちはさざめきながら廃線をゆく

(すべて作中より)

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