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6.22 thu 丁寧に日々をこさえること

 写真は言わずもがな、シャッターを切るまでが重要である。物を用意し、光をこしらえ、シャッターを押す動作は本当に一瞬指を動かすだけなのに、写真を撮ることはイコールシャッターを切ることとイメージされることが多い。まあシャッターを押したら画像が生成されること自体もはや写真なのかよって話なんだろうけど、まあ写真のはず。現代においてはさ。
 であるはずなのに、スタジオでの撮影と違って(と言うと語弊があるけど)屋外での撮影は成り立ちやすい。自然光があるし、物は世界に既に鎮座している。散歩に出掛けてうまくフレーミングしシャッターボタンを押せば、一応見れる写真は出来上がる。
 そのお手軽さに慣れるのは恐ろしい。私は元々根気強い練習が苦手だ。同じフレーズを何度も繰り返すのが苦手だ。手っ取り早く結果が欲しいし、だからお手軽系な写真をやることは性に合っていたんだと思う(お手軽は言い過ぎだけど、そういった感じの写真を仕事にしています)。

 軽いシャッター感に慣れてしまうと、全てにおいてそういう態度が現れる。シャッターボタンを押すまでが存在することを忘れているかも。土台をこしらえ、それがあるからその上で自由に動けるのだ。土台と向き合うことについて考えている。生きる態度についての話です。

 具体的な話だけど、同じフレーズ繰り返して今練習してた。やっぱわりと楽しいし、続けていこー。そういう成功体験の積み重ねだ。

確かならたしかと言うわ確信はいつでも井草の香りみたいだ

黙っても伝わるものがあるなんて信じてなかったの 梨を剥く

雑炊をよそわれていて涙したことを一生笑ってほしい

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