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この記事の骨子

前回記事「リファーラル採用」と同じく人脈を活用する
過去の退職者を採用するので「出戻り」採用と言われる
アルムナイはもともと「(教育機関の)卒業生」の意味
メリットはミスマッチ防止とモチベーション高い人財確保
デメリットは退職者の組織化に苦労するかもしれない点
中小企業でもアルムナイ採用は可能 
次の記事は「無料で作れる採用ページ」を取り扱います

企業退職者の同窓会

今回の記事は、前回のリファーラル採用の記事に続いて
お金をかけない人財採用の第二弾記事です。
いわゆる「出戻り採用」ともいわれるアルムナイ採用です。

アルムナイとは、もともとは大学等の教育機関の卒業生を指す言葉です。
慶応義塾大学「三田会」、早稲田大学「稲門会」、一橋大学「如水会」など、有名大学の卒業生だけが所属できる団体は有名です。
これらの団体は独自に、新卒採用において同門のOB、OGを通じた「就職説明会」が開きます。

ただ、アルムナイ採用という場合は、ここから転じて「ある企業の退職者」を組織化した団体を通じた、中途採用のことです。一度は退職した人から、
もう一度雇用するということ。

アルムナイ採用のメリット

一つは、雇用のミスマッチが起こりにくいことです。過去に働いていたことがありますから、企業文化その他の「社風」は熟知しています。
仕事内容や雇用条件は事前に確認できますが、社風に代表される職場の雰囲気は、入ってみなければ本当のことはわからないものです。人事担当者も
ミスマッチを防ごうといろいろ手を尽くしはしますが、おのずと限界があります。この点での心配が少ないのはメリットです。

また、モチベーションが高い人財を確保できる可能性が高いこともメリットです。
過去に退職に至ったのは嫌気がさしたのでなく、家庭の事情などやむに
やまれない事情からであるなら、その事情が解消された場合には、再入社して働きたいと思う人はいます。
場所と時間に縛られない柔軟な働き方を提供できる企業であれば、退職に至った事情を解消できる可能性が高い。もう一度チャンスが得られたことに
おのずとモチベーションは高くなる
でしょう。

アルムナイ採用のデメリット

もちろんいいことばかりではありません。
まず一つは、過去の退職者が「嫌気がさして」辞めた人が多いなら、
退職者を組織化しようとしても人が集まりにくいこと
でしょう。
嫌気がさしたのは多くの場合人間関係に起因するものでしょうから、
その原因となった人物がまだ社内にいるとしたら、多くの方は
再入社をためらう。

また働きたいと思える魅力的な組織づくり、職場づくりと両輪でなければ、アルムナイ採用は機能しません。リファーラル採用と同じく、アルムナイ採用を進めようとすることは会社が社員にどう思われているのかを白日の下にさらすことでもあります。

さらには、会社の卒業生を組織化するには、それなりの時間と労力をかけないと作れないですし、維持も大変なのもデメリットです。
定期的な連絡、有益な情報提供、会員同士のつながりを促す懇親会等の機会も定期的に持つなどが必要です。きれいな水の確保と安全な社会は、普段から努力してメンテナンスをして維持運営をしていないと、実現できないのと同じです。

そういう意味では、アルムナイの組織を通じた採用は、コストがかからないとは言えません。しかし、会社にとっては人財の供給源であり、優秀な人財の情報源でもあります。有益な情報を得るには、それに見合う対価を出さないといけません。

中小企業でもアルムナイ採用は可能

アルムナイ採用は、退職者がそれなりの数にのぼる、規模の大きい会社にしか使えないようにも思われるでしょうが、中小企業でも可能です。
もちろん1社では難しいでしょう。なので、同業者や地域の組合、工業団地単位など、何社ものネットワークを活かした情報共有と組織化を図れば可能であると思います。

人手不足の解消はこれからますます大きな問題になります。今までのやり方だけでなく、多くのやり方を試してみることが重要です。

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