インディー・ジョーンズを観に行って日本語を考えながら劇場を出て来た話

インディー・ジョーンズを観に行ってきた。

作品の感想は?と言えば、正直そこまで期待をしたようなものではなかった。

「期待」というが、アクション映画に期待するものといえばまず第一にも第二にもアクションシーンである。

確かに、アクション面に関しては良いアクションをしていた。冒頭のドイツ軍に捕らわれてからの脱出劇、からの列車の中での攻防、決着からの橋の上からのダイブ…。今度は場面が変わって60年代を舞台に、年老いたインディーとヒロイン?の女優、敵役との追いかけっこもほどほどに…、モロッコに移っても追いかけっこ、地中海では捕まったと思いきやヒロインの機転でダイナマイト…、洞窟で追いかけっこ…、飛行機に乗ってタイムスリップ…。

2時間半のうち、アクションシーンだけで2時間近くあったんじゃないか?と錯覚するくらい、アクションシーン盛り沢山でした。

そういう意味では、アクション映画だった。しかしながらこれを「インディー・ジョーンズ」として見た時には、果たしてどうだろうか。

アクション映画としてみたら、なるほどこれは及第点かもしれない。息をもつかせぬアクション映画、とはこういうものだよ、と周りに吹聴してもバチは当たるまい。

ただ、それでは「どうだい、これがインディー・ジョーンズなんだよ」とは、お世辞にも言えない。

過去作と比べて、とかそんな野暮な事は言わない。ハリソン・フォードも寄る年波には勝てぬと、鈍い動きだったから不満なわけでもない。というか年齢を考えたらむしろ動き過ぎていて凄い、やっぱハリソン・フォードはすげーなぁー。

言ってみれば、喜多方ラーメン(醤油ラーメン)を頼んだら極太麺の豚骨醤油ラーメンが出て来たような、そんなイメージだ。

いや、美味しかったけどね。豚骨醤油。でも僕は喜多方ラーメンの気分だったのよ、縮れ麺にさっぱりした醤油スープの喜多方ラーメンの気分だったのよ。

百歩譲って、映画はまだ良かった。アクションシーン多めで、ストーリーらしいストーリーも無いし、謎解きとか咄嗟の機転とか、インディー・ジョーンズらしいものは皆無だったけど、まだ良かった。

でも他のモブキャラとか、インディーの旧友とか、よくわかんない黒人女性のCIA工作員とか、死にすぎ。

ただし日本語字幕(戸田奈津子)、オメーはダメだ。

「言いなり」を「言うなり」と誤訳したり、「ヤンキー・スタジアム」を「ヤンキー球場」と訳したり、あのマジでエグいです。勘弁してください。ほんっとに頭痛く…。

という事で、劇場から出て来た私の頭に去来したのは、アクション映画を観た高揚感でも、インディー・ジョーンズを観た爽快感でもなく、日本語が不自由な翻訳家によって果たして「言うなり」ってそういう意味だったっけ?という疑問であった。

その30秒後、スマホで意味を調べて「やっぱ誤訳じゃねーか!!」と叫んだのは御愛嬌である。




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