今夜は「おかゆ」にする?「激辛チャーハン」にする?
最近、一回り以上年の離れた彼がおすすめしてくれたのがきっかけでハマっている深夜番組がある。
それは、テレビ東京で土曜日にやっている「二軒目どうする」
司会のTOKIO・松岡昌宏さんと芸人の博多大吉さんが、女性ゲストをお迎えして、
実在する居酒屋さんに足を運んでお店のおすすめの肴をいただきながらざっくばらんにトークをするという番組。
酒と肴とおじさんが大好物の私には、たまらんの一言。
「なんて最高な番組なのだ」と初めて見た日から毎週のように欠かさず見ている。
画面に映る司会のおふたりとお店の方や店内の雰囲気、肴全てが私のツボをピンポイントに押さえて来る。
いつもこの番組の視聴中はお酒を飲まないよう気をつけている。間違いなく飲みすぎる。
おそらく日本中を探しても女性ゲストではなく、司会のおじさん二人と出てくる酒と肴に目をハートにしているアラサー女子視聴者は私ぐらいでは無かろうか。
とまあ、番組の魅力を少し語ったところで今日は、数ヶ月前にO.Aされたとある回のことについて綴っていきたいと思う。
穏やかな日々であるほど ”危ない橋を渡りたくなる” 女
この回の女性ゲストは、人気モデルのトリンドル玲奈さんだった。
少しお酒が進んだ頃合いに、司会の松岡さんから
「最近どうなの?ラブの方は。どういう人が好きなの?」
と聞かれたトリンドルさん
する彼女は、
と答えていらっしゃった。すると松岡さんは、こう返した。
きっと、世の中の大半の女性はこの松岡さんの発言でガツンと右ストレートを喰らったのではないだろうか。
例外なく、私自身も一昔前の自分自身を思い出しては「嗚呼」と声に出してしまった。
若い頃であればあるほどに、それは顕著に出る。
男性に対して当たり前のように「優しさ」や「穏やかさ」「誠実さ」「寛容さ」を求める。DVにモラハラ、浮気なんて言語道断。
それなのに、なぜだか女という生き物は自ら求めたはずの相手の気質を「飽きた」か「つまらない」という簡単な一言で突然手放すのである。
「おかゆ」に飽きて「激辛チャーハン」にいき、後悔する女
続けて松岡さんが、なんとも独特な比喩を交えてこう話す。
本当に絶妙な表現だなと、視聴中首がもげるほど頷いてしまった。
「おかゆ」は消化に良くって、胃にやさしい。
「おかゆ」を食べて、何か体に異変が起きることはまずない。
だけれど毎日「おかゆ」を食べていたら、だんだんと飽きてくるのは当たり前だ。原材料は水とお米だけ、なんの面白味もない。
面白くしてみようとトッピングを加えてみたり、雑炊やおじやにしてみたり。アレンジを加えてみても、なぜかイマイチしっくりこない。
食感がなく単調な食べ応えで、すぐに飲みこめてしまうから。
そんな「おかゆ」に飽きた女は刺激を求めて旅立つ。そして「激辛チャーハン」の元へやってきた。
「激辛チャーハン」は、食べる前から女をドキドキさせる。
塩分濃度高めな味付け、お米だけではない様々な具材の食感、そして何よりも唐辛子を始めとするスパイシーな刺激……
毎日味気のない「おかゆ」を食べ続けてきた女は「激辛チャーハン」の最初の一口に、今まで経験したことがないようなゾクゾクする刺激に虜になる。
だが食べ進めていくにつれて、異変を感じるようになる。汗は吹き出すし、喉が異様に乾く。
ピリつく舌も気になるけれど、水を飲めば少し紛れてまたチャーハンを口に含んでしまう。
そうしていくうちにどんどん汗が滴り、乾いた喉が痛くなってきて、最終的には翌日になって刺激に腸が耐えられず腹痛を伴ってしまうのだった。
「おかゆ」は女を優しく労ってくれる愛情深い存在ではあるけれど、単調な食べ応えで味気のない ”つまらない男”
「激辛チャーハン」は味が濃く最初の一口はゾクゾクする刺激を与えてくれるが、中身に愛情はなく食べれば食べるほど女の体に異変と痛みを与えてくる ”くだらない男”
そんな ”つまらない男” と ”くだらない男” を行き来するのがそう、私たち ”学ばない女” である。
”つまらない男” の本音は 「見ればわかるのに」
松岡さんの表現で例えられた「おかゆ」の男性について、大吉さんは
と、話すと続けてトリンドルさんはこう言った。
こうはっきりと言い放っていた。私はなんとも言えない気持ちになった。
すると、一緒に番組を見ていた彼が突然、こう言った。
私は、彼のことを「つまらない男」などとは一度も思ったことがないので、驚いた。
そして、こう続けた。
と。その時、私はハッとした。女同士でよくある会話を思い出した。
これは実際に高校時代に私が同級生との会話で遭遇した内容だったりするのだが、
結局はこれが男性同士でも起きているのではないのだろうか。
「あざとい」だとか「清楚系ビッチ」だとか。
女から見て ”そういう女” ってのはすぐわかるものだけど、案外男性はコロっと騙されていたりする。
それと同じように「あいつは遊び人」だとか「すぐ頭に血がのぼってキレる」だとか「金と女にルーズ」だとか。
男性から見たときに、”そういう男”っていうのはすぐわかるものなのかもしれない。
冷静に考えれば「同性同士」なら当たり前の感覚なのかもしれないが、この感覚って、結構抜け落ちてることが多い。
そして比較的、抜け落ちてるのがひどいのが女のほう。
「私だけは特別なの!」と思いたい生き物だから。
危ない目に遭いたくないのなら、身近な男性にその男について相談してみるのが吉かもしれない。
(「俺にしときなよ」的なこと言われて、無駄な悩みが増えるパターンもあるかもしれないけど)
”本当の幸せ” に気づいた女は「刺激物」と距離を置く
この回を見終えてから彼の話を聞いて、今までどれだけの体に優しい「おかゆ」男子を切り捨ててきたのだろう?とやや虚無感に襲われた。
私も今ある関係がダメになりそうになったら次の男を探しては乗り移っていた。そしてそれはいつも決まって「激辛チャーハン」な男たちだった。
ロリコンにストーカーに浮気性、パチンカスなど「なんてくだらない男なんだ」と、気づいたところで後の祭り。
それを繰り返して、ボロボロになって今がある。
そして今の彼とお付き合いを始めてから気づいたことは、
ということ。(もちろん米の硬さや水分量にはそれぞれ好みがあるのでその辺りは割愛)
その普通というのは、見た目や経済力とかそういった類の話ではなく。
家でまったり過ごしたり、家事を一緒にしたり。
スーパーへ買い物に行ったら「見て〜!今日これが安いよ!」と一緒に食材を吟味してみたり。
お天気が良かったらちょっと散歩に出掛ける。
そんな普通の日常であったり。
「今日もお疲れ様」と伝えたら「お疲れ様だね」と返ってきて、
「ありがとう」と伝えたら「こちらこそありがとう」と返ってくる。
「おはよう」と伝えたら「おはよう、よく寝れた?」と返ってきて、
「おやすみ」と伝えたら「おやすみ、愛してるよ」と返ってくる。
こんなありふれすぎた日常の瞬間の全てが、紛れもない ”本当の幸せ” であったりするってことに気づいた女から、パートナーシップが良い方向へ進んでいくのだろう。
ありふれすぎた日常そのものが実は奇跡的で、有難いものだって気づけたら。
その有難いものを脅かすような危ない橋をわざわざ渡る必要性はなくなる。
だからこそ、すでに幸せな女は「刺激物」と距離を置く。
日本人にとって、普通のお米に飽きることはない。
多少マンネリが出た時は、少しふりかけをかけてみればいい。
卵や納豆をかけてみてもいいかもしれない。
お米の本来の甘さをかき消さないご飯のお供は、よりあなたの体にエネルギーを与えてくれること間違いなし。
さあ、あなたは今夜はなにを選びますか?
おかゆ?ご飯?それとも、激辛チャーハン?
今後も執筆に勤しんで参ります。いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!