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恋愛とか結婚とか

はじめに

たまにdmで恋愛相談を送ってくれる人がいたり、恋愛について書いてくださいと言われることがあったりするので、今回はわたしが恋愛とか結婚について普段考えていることを言葉にしてみようと思います。

ほんとうは恋愛観や結婚観についてなにか全体的なことを書きたかったんだけど、それだと何から手をつけていいかさっぱりわからなくて途方に暮れてしまったので、いままでわたしがぶつかってきた問題とか壁とか、そんなことを中心に書いてみました。

これを読んでくれた誰かが、自分の恋愛と哲学のつながりを発見してくれたらうれしいです。
ちなみに、わたしはいつも、恋バナってめっちゃ哲学だなーと思ってたりします。





1. 2人がよければそれでいい、にもやもやする

ひとつめ、恋愛というワードを思い浮かべていちばんに出てくるのが、「2人がよければそれでいい、ってほんと?」という問題。

友達に恋愛相談しているときだったり、恋愛のあり方というか、ふたりの関係性みたいなものについて議論しているときだったり、セクシュアリティについて話しているときだったり、、、そういうふとした瞬間に「まあ、2人がよければそれでいいんじゃない?」みたいな言葉がどこからともなく出てくることがあります。もちろん、自分から出てくるときもある。

2人がよければそれでいい。
それってなんだかもっともらしく聞こえるし、いろいろな問題をふわっと解決してくれそうにも見えるけど、でもよく考えると、本当にそれでいいのかなって思うケースがたくさんあるような気がします。

例えば、暴力をふるわれているケースとか、経済的に不平等な(搾取されている)ケースとか。
被害を受けている人がそれでもいいんだってどれだけ言い張ってきても、やっぱり「健全じゃない」関係とか「正しくない」関係みたいなものはある気がして、よくないよ!って言いたくなるけど、でもそれはわたしの価値観の押し付けになってしまうのかなあと思ったりもします。

一方で、セクシュアリティみたいなことを考えると、2人がよければそれでいい、って言葉に救われたり守られたりするケースもたくさんあって、それがもっともらしく思えることもあります。
例えば、マジョリティとは異なる恋愛の関係性を持っている人たちに対して、それはよくないとかおかしいとか言うのは明らかに正しくなくて、第三者が口出すことではない、と多くの人が考えると思う。
「よくない」とか「正しくない」とか「不健全だ」とか、それってやっぱり個人の価値観に過ぎないのかなあ。

2人がそれでいいと言っているのに、そこに介入していくことはどれだけ許されるのか。あるいは正しいのか。
恋愛に限らず、当事者間の問題に対して、第三者に何ができるのか/口を出す権利があるのか、みたいなことは、今までずっとすごくもやもやしてきたし、いまももやもやしている問題です。

また、自分が当事者のケースを考えてみても、自分にどれくらい第三者的な視点を取り入れるべきなのか、という意味で同じ問題がやはり潜んでいると思います。

ふたりの関係の中で、つまり一対一の世界では、意見に客観的妥当性を導入することってむずかしい。
それ客観的にみて変だよ!なんて言ってみても、でも自分たちがそれで納得しているならそれでいいじゃん、って思う自分もいて、なんでふたりの関係性に第三者的な意見を持ち出してるんだろう、とか思うと本当によくわからなくなってしまう。

2人がよければそれでいいっておかしいんじゃないかと思いつつ、でもそういうケースがあることにも気づいていて、それをどう線引きしていくのか、なにがそれらのケースを区別しているのか、そんなことをよく考えています。


2. 相手も自分も大切にすることはできるのか

恋愛について個人的によく考えるのは、「相手も自分も大切にすることってできるのか」という問題です。

相手のことを大切にしたいという気持ちから、気づいたら自己犠牲的な行為が増えてしまう。あるいは、自分を大切にしようと思うと、相手を大切にできないことが出てきてしまう。
どっちも大切にしたいけど、そんなことって本当にできるのか。できないのなら、どちらを大切にするべきなのか。

大切にする、って言葉自体が曖昧で、なにが大切にすることに当たるのかはよくわからないんだけど、ひとつ例えば「優先する」みたいな言葉で言い換えてみると具体的な事例がイメージしやすくなるかなと思います。
意見が対立したときに相手と自分どちらを優先するのかとか、気持ちが別々だったときに相手と自分どちらを優先するのかとか。わたしのイメージはそんな感じです。

他人である以上、いつも同じ意見とか気持ちでいることはむずかしくて、対立してしまったり折り合いがつかなかったりするのは当たり前のことだと思います。
お互い譲り合うとか思いやり合うとかそういうやさしい言葉で片付けてしまうこともできるけれど、でも、問題ってそんな簡単じゃないしもっと現実的なことだと思う。

そういうふうに譲り合うことや思いやりあうことって、傷つけあうことじゃないのかなあと思って。誰かとともに生きていくことは、常に自分も相手も傷つけて傷つけられていくことなんじゃないのかなって思ったりします。
どっちも大切にしたいのに、そのために譲り合ったり思いやりあったりしているのに、結果的に相手も自分も傷つけることになっている。
大切にするって傷つけることなの?と思う。

もっとほかの大切にする方法をわたしがまだ見つけられていないだけなのか、それとも誰かと関係していく・ともに生きていくとはそういうことなのか。
わからないけど、でもやっぱりわたしは相手も自分も大切にしたくて、傷つけたくなくて、わたしはどうしたらいいんだろう。

諦めきれずに、いつもそんなことを考えています。


3. 結婚願望ある?って質問にうまく答えられない

恋愛が話題になると、結婚願望ある?って質問がよく出てくると思うんですが、わたしはどうもこれにうまく答えられなくて、この気持ちをどう言葉にするか最近よく考えます。

まず、わたしの一歩目のつまづきは、結婚ってどこまでのパッケージを指しているんだろう、ということ。
結婚したい!って言っちゃったら、異性愛とか夫婦同姓とかを前提とした婚姻制度に賛同することになってしまうんだろうか。そうだとしたら、わたしは現行の婚姻制度に対する答えを出せていない状態では、結婚したいとかしたくないとかまだ何にも言えないんじゃないかと思うわけです。

つぎに思うのが、結婚したいけど子どもは産みたくない!って通用するのかなあ、ということ。
わたしは現時点では子どもを持ちたくないと考えていて、それはいろいろ思うところがあるしまだまだ勉強中・考え中なので省略するんですが、子どもを産みたくない自分は誰かと結婚してもいいのかなあ、と思ってしまうことがあります。
相手が子どもを持ちたい人だったらそのとき自分はどうするのかとか、子どもを産まないのに結婚する意味(メリット)はあるのかとか、あとは子どもを産まない自分が結婚して世の中の未婚男性を1人減らすことは日本社会にとってマイナスになっちゃうのかとか。まあ自分でも考えすぎなのはわかっているんですが、そういうことに対する態度が自分のなかで決めきれないので、まだなんて言ったらいいわからない状態にいる、ということです。

あとは、自分の知っている結婚生活というものが限られている(自分の両親くらいしか知らない)のに、したいとかしたくないとか判断できないなあ、という問題もあります。
わたしが自分の見てきたものから判断するに、結婚生活とはあまり良いものではない(婚姻制度とは別にして)と感じてしまうけれど、そうではないケースもあるかもしれないわけで、でもどれくらいのケースを知れば十分なのかというのはわからなくて。
だから、したいともしたくないとも言い切れず、自分でもどう思っているのかわからず、さらにかといってこれを全部説明するわけにもいかず、聞かれるたびに困ったなあという感じでふにゃっとした顔をしています。


4. わたしの理想の恋愛

最後に恋愛観らしきことを一つだけ付け加えておくと、わたしは「自分が女性らしくあることを求められること」が好きではないし、相手を「男性として魅力的に感じること」はない(現時点では)と思います。

役割分担した恋愛というか、女性としてのわたしと男性としての誰かが付き合う、というのはわたしにはできなくて、人間として生きていけるような関係がわたしの理想の形です。
いまの恋人を「男性だから」好きになったわけではなく、人間として好きになった相手が蓋をあけたら男性だった、みたいなことで、男性らしさに惹かれる気持ちや男性らしくあってほしい気持ちはわたしにはあんまりないかなあと思います(これが、わたしが恋人を彼氏って呼ばない理由でもあります)。

結婚願望あるわけじゃないのに付き合ってるんですか?という意見もありそうですが、とにかくずっとそばにいられたらいいなというのがいまの恋人に対する気持ちで、それが結婚という形になるかならないかは不明、みたいな感じです。
「付き合う」っていうその中身だってきっと実はいろいろあって、誰かがイメージする「付き合う」っていう形とわたしが思っている「付き合う」っていう形は違うかもしれない。そう考えると、わたしたちの関係を「付き合う」と呼ぶのかすらわからない気もしてくるけれど、とにかく、暫定的にもっとも近そうな言葉として「付き合う」とか「恋人」とかを使っています。

いまの恋人、文字通り非常に有難い存在です。いつもありがとう。



おわりに

恋愛について書いてくださいってリクエストくださった方、たぶん(というかかなり高い確率で)こういうことじゃなかったと思うんですが、とにかく、わたしの恋愛にまつわる考えを一旦机の上にどんと広げてみました。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
なにか有益な情報や気づきがあれば幸いです(なさそうだけど)。

書いていて、んんんなぞだなって自分で思う部分がいくつかあって、まだまだうまく言葉にできていないところがたくさんあるなあと気づかされました。
人生は長いので、ぼちぼち考えていけたらなと思います。

・・・

余談ですが、件の恋人とポッドキャストをはじめました。聞く哲学対話みたいなものを目指しています。
気になった方はぜひこちらから覗きにきてね↓


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