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スクラムマスターとして見る「プロセス」はどこを見れば良いの?

Scrum Inc. Japanでアジャイルコーチをやっています、庭屋です。
これからスクラムに取り組むぞ!という方もいる中でスクラムマスターの役割を担う際に、最近ようやく自身の考えが整理されてきたのでまとめようと思います。

プロセスを見る、といってもどこから?がわかりづらかった

自分自身も、スクラムマスターの役割を学ぶ中で個々の役割やイベントの理解は徐々に深まるものの、スクラムマスターとして「プロセスを改善する」の部分がなかなか掴めないままスクラムマスターとして振る舞っていることがありました。

まずはスクラムガイドから、スクラムマスターの役割を確認してみます。
「スクラムガイドで定義されたスクラムを確⽴させることの結果に責任を持つ」
ただ「スクラムの確立」といっても難しい。何をやっていればスクラムなのか?定義されているフレームワークをしっかりやればスクラムが確立されていると言えるとは思うけれど、いきなり全てやるのはまた難易度が高いです。
また、スクラムマスターは「スクラムチームのプロセスを見る」と言われています。
チームのプロセスに対して検査・適用を実施するイベントは「レトロスペクティブ(ふりかえり)」です。チームでスクラムを始める上で、取り入れやすいイベントではありますが、レトロスペクティブも議題によって効果が実感しづらいことがあります。プロセスの改善のためにレトロスペクティブでの議題を考える上で、どの点に注目すれば良いでしょうか?


まずは「スプリントレビュー」が機能しているか?

Scrumのフレームワークを紹介する1枚の図
https://youtu.be/ZiEcq9uvi4Y
by
 Scrum Inc.

チームのプロセスの中で、スプリントレビューが機能しているか?が初めにチェックすべきポイントと考えます。

スクラムは「価値を⽣み出すための軽量級フレームワークである」とスクラムガイドに記載されています。チームは価値のある作成物を生み出すために存在することを考えると、作成物に関して検査・適応を行うスプリントレビューはチームの存在意義を確かめる上でも最も重要なイベントと言えるかと思います。

スプリントレビューを機能させるには?の中身については@ryuzeeさんのこちらを参考にするのが良いです。
https://www.ryuzee.com/contents/blog/14577

スプリントレビューを機能させることを初めに実行していくことで、レトロスペクティブの議題も「作成物を生み出す過程でのプロセスで改善できることはないか?」「このスプリントでスプリントゴールを達成できたか」の観点で議題を上げることで、次スプリントでも良い作成物を生み出すには?の議論をチームですることが出来るようになります。

次のステップ

スプリントレビューを機能させる過程で、以下のような話題が持ち上がってくることが予想されます。
「スプリントゴールを適切に設定するには?」→スプリントプランニング
「スプリントバックログの準備が大事」→バックログリファインメント
「スプリントゴールを達成するために日々のコミュニケーションが大事」→デイリースクラム

チームメンバーがチームの課題に気づき、自律的に前進していくためにまずは「スプリントレビュー」に注目し、レトロスペクティブ等を活用してチームで課題にアプローチしていくことが重要と考えます。

まとめ

・スクラムマスターとして「スプリントレビューが機能しているか」のポイントからスクラムのプロセスを見るのが良い
・スプリントレビューを機能させるためにはどうすれば良いか?の観点でチームに課題を認識してもらい、スクラムのプロセスを徐々に改善する。


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