見出し画像

【通関士って?】日本と世界を繋ぐ影の立役者

通関士 - 輸出や輸入に関わり、日本を支えるクロコ


私は通関士という仕事をしています。
資格知名度ランキング138位(私調べ)のマイナー国家資格です。

主な仕事は、税関へ輸出入をする上での申告業務を行うといったところです。

人間が海外へ行く時、パスポートを提示して出国審査を受け、他国へ入国します。
入国する時にはもちろん入国審査を受けます。

モノも同じです。
モノが日本を出る時には税関に申告をして出国し、
モノが日本へやってくる時には税関に申告をして入国します。

通関士は、こんな内容の荷物を輸出(輸入)するよ〜と代理で税関に申告するお仕事です。
(かなりザックリすぎて怒られそうですが、簡単に言えばこんな感じです。)



ツウカンって???

税関が輸出や輸入をして良いよ!と許可を出してくれなければ、
モノが日本を出たり入ったりすることはありません。

船や飛行機で運ばれれば、到着後に荷物を運搬する方、
港や空港から全国各地へその手配をする方がいて、
そしてクロコとして通関士が存在しているのです。
関わる人を挙げれば正直キリがないのが貿易です。

普段、簡単にMade in Chinaの製品を目にすることが多いですが、
実は色々な努力や苦労があって、日本にたどり着いているのです。

個人輸入したことがある方はご経験があるかもしれませんが、
一部のモノには関税という税金がかかります。
通関士はこの税金に関わる、いわば貿易部門の税理士のようなものと
例えると少しイメージしやすいかもしれません。

日本を支えるクロコ

しかし表舞台に出ることはあまり無いかもしれません。
私生活で通関士さんにお世話になったという方はごく少数かと。
通関士は通関業者に勤めている人が登録して業務をしているので、
基本的にはBtoBのお仕事かと思います。

クーリエ(国際宅急便)では個人の顧客と関わることもあると思いますが、
大抵のクーリエはお客様係(この業界ではよくCSと呼ばれる)と
コンタクトを取ることになるので、直接的な関わりを持つことはやはり少ないかと。

強いて言えば、輸出や輸入を許可した証明書(許可書)に5桁のコードが書かれるだけ。
通関士になると、5桁の通関士コードが発行されます。
あなたの貨物はこの通関士が申告しましたよ〜と表記されます。
そのコードで個人が特定されるのはまず無いでしょう(笑)
(それでも通関が大変だった貨物の許可書に自分のコードが載っていると達成感が凄いし、自信にもなる。)

昔から貿易と深い関わりを持ってきた日本にとって、
我々クロコ(通関士)は欠かせない存在であることに間違いないのです。

「通関士」との出会い

私は大学時代、海外で1年ほど暮らしていました。
その間、家族から仕送りの荷物を送ってもらうこともありました。
しかし届いた荷物はボコボコだし、開けられた跡があるし!何だこれ?!な状態。

実は「さぞ日本食が恋しいだろう!」と気遣った母が梅干しを送ってくれ、
見事に現地税関に開けられていました。確かInspectedって書いてあった記憶。
(自国にない得体の知れない食べ物なんて当然警戒するよね〜〜(笑)
 今となっては税関の気持ちが痛いほどわかる….。)

モノが海を渡る時に税関を通ること、そして通関士の存在を知り、
私と通関士という仕事に出会うキッカケになりました。

異業種からの転職

実は私は新卒で海運やフォワーダーには就職していません。
元々は全く関係のない業界で働いており、転職して今に至ります。
それはまた別の記事で書ければなぁと思っています。 →下記リンク👇からどうぞ!

※海運:荷物を運ぶ船をオペレーションする会社。飛行機であれば、航空会社。
※フォワーダー:超簡単に言えば、荷物版旅行会社。荷物を届けるための手配をします。

なぜ異業種から通関士に?と言われると、
元々通関士の仕事を知っていたので興味があったというところでしょうか。

実はこの国際物流業界では未経験者を正社員で雇ってもらえることは、
中途採用ではあまりありません。
※通関士資格所有者は一部例外あり。それでも貿易事務経験は問われるかも。
そしてベンチャーや中小企業もまた例外があるかもしれません。

今の会社でお世話になるまでずっと正社員で勤めてきた私ですが、
やはり通関の経験がないということで正社員の道は険しく、
まずは派遣社員として今の会社でお世話になることになりました。

悔しかった。
けれどここで認められたら絶対に道は拓けると思ったし、私が拓こうと思った。

たくさん努力した結果、通関士として実力を認めていただくことができ、
正社員雇用でお世話になることになりました。
通関士として責任を持って仕事ができ、とても充実した毎日を送っています。

通関士試験の合格

通関士試験を受験し、合格したからこその今の自分がいるのですが、
通関士試験については、これまた別の記事で書いていこうと思います。

ただたくさん努力したことに変わりはなくて、
たったの数ヶ月で合格した!これをやれば簡単に合格できる!なんて
ネットで目にするけれど、合格率15%前後に国家資格なので、
上手くいった人はきっと自分の勝ち方を確立している人なんだと思います。
(超人です。私は他人の数倍努力して勝ち取れるタイプなので羨ましい。。。)
通関業者に勤めていて、そんなにすぐ受かる試験ではないと体感しています。

ただ賢い学校を出たわけでも、高レベルな教育を受けたわけでもない凡人でも、
努力次第で道は拓けることを記せたらなと思っています。

最後に

私が自身のnoteで伝えたいことは、大きく分けて2つです。

・異業種出身でも大手の通関士として活躍できること
・努力次第で道を拓くことはできること

今頑張って通関士試験を受けようとしている人、
今頑張って通関士の資格を持って就活している人、
いろんな人の希望になれたらなと思います。


かみつれ。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?