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【道は自分で拓く】 異業種・業界未経験から通関士へ

通関士って??

通関士は、輸出や輸入をする上で欠かせない存在であると、
以前noteでも書かせていただきました。

ここでも書かせていただいているように、私は転職して現職に至ります。
新卒で通関業者やフォワーダーに就職したわけではありません。
今回のnoteでは私が異業種から大手フォワーダーの通関部に転職した経緯、
苦労、努力、いろんな経験を記したいと思います。

貿易業界における中途採用の現実

国家資格である通関士の資格であるものの、資格より経験を求められる世界です。
業界的にも、貿易関係のお仕事は経験やスキルを求められることが多いため、
未経験者の中途採用は派遣や契約社員の割合が多いのが現実です。

ここは業界的にも改善してほしい点です。
派遣や契約社員にもメリットがあり、そのメリットを求めて働く方もいるので、
正社員が全てではないと思いますが、正社員で働きたいと思う人にとっては、
やる気はあるのに門前払いされてしまう、なんて悲しい現実があります。

ウチの会社で経験を積ませて育てよう、なんて余裕のある会社は一握りです。
即戦力がほしいという会社の気持ちもとても分かるのですが、
何とかならないものか、と思うばかりです。

私はメーカーでの貿易事務を経て、通関部のある会社へ転職を試みましたが、
やはり通関の経験がないため、自らの希望する企業での就職は叶いませんでした。

そのため、まずは派遣社員として経験を積むことを決めました。


通関士資格持ちの派遣社員

正社員雇用は全然ダメだったし、派遣社員もどうなんだろう…
通関なんてピンポイントの雇用なんてしてもらえるんだろうか…


って思うじゃないですか。
住んでいた地域が港や空港に比較的近かったこと、
そして国家資格である通関士の資格を持っていたこと、
この2点が味方し、なんと派遣会社からの電話が鳴り止みませんでした。。

派遣社員なので、人員削減を求められれば切ることは可能だし、
会社にとっても、やはり良いように使うことができるためか(ここは私の推測)、
そして独占業務ができる権限を持つ通関士資格を持っているならば、
有期雇用で良い使えるならラッキー!と思っているのかもしれません。

片手では足りない数の会社より、ぜひ採用したいと連絡をいただけました。
その中で国内大手フォワーダーでの勤務を決めました。

詳細は派遣社員から正社員になった際の備忘録に記したいと思います。
⇨Coming soon :)

なぜ自分は採用されたのか? 〜派遣社員編①〜

先ほどお伝えした通り、港や空港に近いという点はかなり有利です。
理由として、、、
以前noteに書いた通り、港や空港に届いた貨物は税関へ申告が必要です。
申告した上で、日本を出たり(輸出)、日本へ入る(輸入)ことができます。

申告をすれば必ずOK(=輸出許可/輸入許可)がもらえるわけではなく、
書類審査をするので貨物の資料を送ってほしいと言われたり(=区分2)
税関検査をするので貨物を税関へ持ってきてくださいと言われたり(=区分3)
税関との折衝、いわゆるコミュニケーションが必要となります。

区分2の書類審査であれば、今はインターネットを介して書類送付することができます。
しかし区分3となれば、貨物をX線検査するために運ぶ手配をしたり、
実際に税関で現物検査をするために通関士が立会いに行く必要があります。

そうなれば、通関業者や通関部は港や空港の近くに事務所を置かざるを得ません。
その点から、やはり通勤ができる範囲に住んでいることは大きなポイントです。

リモート化も進んでいますが、未経験者はしばらくはしっかりとした指導が必要。
となれば、出社ができる環境でなければ難しいのかもしれません。

あくまでこれは通関士として働く場合の話です。
メーカーや商社で通関士の業務はできないものの、
通関士の資格を活かして活躍されている方はたくさんいらっしゃるので、
自分は何をしたいのか?を軸に考えるべきなのかなと思います。

余談ですが、メーカー貿易事務も楽しいですよ(^-^)
それもまた今度。

なぜ自分は採用されたのか? 〜派遣社員編②〜

紛れもなく通関士の資格が有利になったことが2つ目の勝因です。
以前noteでもお伝えしましたが、
ネットで数ヶ月で合格した、これをやれば簡単に合格できる、
という記事も散見されますが、あくまでそれは一例。

それでみんなが上手くいくなら、今頃合格率は80%を超えているでしょう(笑)
しかし現実は合格率15%前後。

やはり通関を重んじている会社では、
難しい試験にしっかりと勉強して臨んだという姿勢は非常に重視されます。

これは合格率の低い年に合格したから凄いとかではなく、
また、合格足切り点を優に超えたから凄いというわけでもなく、
そして、1回で合格したのから偉いわけでもなく、
勉強に臨んだ姿勢やそれに合格できるほどの努力ができるか?の話です。

これは内定をいただいた全ての企業で評価をいただけた点ですので、
恐らくほとんどの会社が重視しているポイントなのではないかと思います。

通関の世界は入ってからが勝負です。日々、勉強勉強勉強。
管の定義って?Tシャツやトレーナーの定義って?いや知らんがな。

と様々なことを勉強し、実際に案件をこなす上で引き出せるよう、
頭の中にぶち込んでいかなければなりません。

そして日々様々な製品が開発され世に送り出されていく中、
その解説や定義が変わることさえ有り得ます。
勉強する姿勢やその世の中の流れに柔軟に対応していける姿勢を、
通関士試験合格を通して、アピールできるといっても過言ではありません。

派遣社員で通関士登録

幸い未経験ながらも派遣社員として通関部で働くことになりました。
しかしすぐに通関士登録、というわけではありませんでした。
通関士の前段階のような登録ができる「通関従業者」というものがあります。
これは試験に受かっていなくても登録をすることができます。

通関士と違って何ができないのか?と、ここでも超ざっくりとお伝えすれば、
・税関への申告業務や陳述(輸出申告や輸入申告)
・通関士としての記名
かなと思います。

また、通関士とは名乗ってはいけません。
通関士資格を持っていても、「通関従業者(通関士有資格者)」になります。

結局は選ばず行かなかったけど内定を頂いていた大手某社では、
派遣の満了在籍していても、通関士登録できるか分からない、
そんな簡単なものじゃないよ、と言われていました。
他社さんはどんな感じなんでしょうか?
人手不足に悩まされているところなら、とりあえず登録させることもあるんですかね。

今の会社でも能力次第では通関士登録も前向きに考えていきましょう!と
面接時にお話をいただいていたので(ここでもYESと明言されなかった)、
絶対1年で登録まで漕ぎ着けてやるわと決心し、クソみたいに努力しました。

今となっては、「ねぇ、その自信どこから湧いてきてたの?ww」
と自分に問いかけそうなのですが、まぁ結果が出たから目を瞑ろうじゃないか(笑)
ある程度の勢いとそれに伴う気合いは、流れに身を任せても良いのかもしれない。

余談を挟みました!結局半年で通関士登録に漕ぎ着けました!
この努力の結果が正社員登用に繋がったと言っても過言ではありません。
むしろここの頑張りがなければ無理だったと思う。

これも正社員編で記せたらなと思います。
本当は1つの記事で正社員編まで書こうと思ったのですが、
思いの外、長くなってしまい今回はここまでにします。


かみつれ。

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