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マインドフルネスを日常に

季節は、一年でもっともじめじめとした梅雨をむかえようとしています。
外出の際、雨が降っているとおっくうに感じますね。
でも、ふっと視線を外へやると、道々で大地に水が吸いこまれ、草木の葉がみずみずしく潤っています。
こういう景色をみるとハッとさせられ、雨って貴重なのだなとあらためて感じます。
雨音に耳を澄ますと、気持ちが少し落ち着いたりする方もいるかもしれません。
そんな梅雨の季節に、マインドフルネスについて考えていきたいと思います。

情報過多の現在

現代は、誰しもスマホを身近に携えていることが多くなりました。
電車の中や駅の待ち時間、お休みの時に動画を見たり、友人や知り合いとSNSですぐに繋がったりできるのは、便利な反面、見方を変えると、自分の時間が常に情報や他者とつながっていることでもありますよね。
更に、ふと疑問に思ったことや知りたいことがあると、すぐにスマホで世界にアクセスをして調べることができます。
でも、これって、必要以上に情報の波にのまれてしまっていることでもあるかもしれません。

スマホをさわっていると、知らぬ間に数時間が経ってしまうことも多々あります。
その時、脳は「今、ここ」を離れ、ネットの世界を旅しています。
それと連動し、呼吸も浅くなり、目がしょぼしょぼして首肩がとても凝ってしまい、いいしれない疲労がどっとおそってくることも多々あります。
いわば、自分が情報の波に漂流し、脳と身体が「今、ここ」から離れてしまっているのです。

脳内・心身、過去と未来をぐるぐる巡る

現代はストレス社会と長くいわれてきました。
厚生労働省の調査によると、現代人の53%が仕事や職業生活で、強い不安や悩み、ストレスを抱えているといわれています。(文章下に引用元記載)

日常生活を振り返ると、過去の出来事を反芻し、辛い気持ちになったり、未来の出来事に不安を感じることが多々あるなと思う方も多いのではないでしょうか。
身体は電車やバスに乗ったり、PCで仕事をしたり、ご飯を食べたりしているのですが、何か、心ここにあらずで何となくこなしているってことはありませんか。
生活を送ることは、やはり人間としての幸福度がないと味気がないものになってしまいます。
「今」に意識を向けて、心を「ここ」に傾けていく事が、「マインドフルネス」なのです。

マインドフルネスの定義

マインドフルネスの定義は、「今この瞬間に、価値判断を気にせずに、意図的に注意を向けることで得られる気づき」とKbat.Zinnが云っています。
マインドフルネス、=無になることと考えられがちですが、自分の価値判断をせずに、「今、ここ」にあることに気づきを向け、自分や出来事を俯瞰する姿勢に近いです。
そして、ここで大切なことは、いかなる体験に対しても自分のバイアスを持たず、公平に客観的に観察することです。

価値判断をしないで今、ここで起きたことに気づきを向けることで、自分の心身の状態、行動、周囲のことに気づきをえることができます。
そうすると、自分の思考のパターンが見えてきたりします。

脱中心化や価値判断からの解放

生活の中でマインドフルネスを実行すると、様々な良いことがあります。
価値判断をしないで物事をみつめられるようになると、視野が柔軟性をもって広がります。
認知行動療法でも、出来事から作動する考えを書き出すこと=外在化することで、出来事からの自分のストレス反応を客観視できるように、マインドフルネスでも自分のストレス反応を客観的は視点で観察できるようになります。
結果、主観が現実と捉えていた世界から、出来事を冷静にみつめる視点が育ち、脱中心化ができるようになります。
自分のこともラベリングしないで、あるがままの自分をその時々に受け入れられるようになります。
そうすることで、日常生活でのストレスが大分軽減されます。

日常の中でプチ・マインドフルネスを

マインドフルネスと考えると、静寂な場で座禅・・・といった大げさなイメージを抱いている方もいるかもしれませんが、「今、ここ」にコンセートレイトすること、いわば心に磨きをかけることです。
手軽に取り入れられる方法として、「呼吸瞑想」をご紹介します。

①楽な姿勢で椅子に座ります。
背もたれには寄りかからない方がいいでしょう。
頭頂部が天井から糸でつられているように姿勢を苦しくない程度に真っすぐにしましょう。

②足の裏は床にべたりとつけて、大地と呼応するようなイメージにしましょう。

③軽く目を閉じるか、半開きで下を見ても構いません。

④呼吸は最初、鼻から吸って、口からゆっくり吐き出します。
深呼吸をしないとと思わないで、自然で苦しくない呼吸をおこないましょう。
呼吸によって、息を吸う時に身体のいろいろな場所が膨らみ、吐く息で身体のいろいろな箇所がしぼむのを感じましょう。

⑤呼吸についてあれこれ考えてしまうようでしたら、「呼吸に意識を取られているのだな」とその考えを手放しましょう。
ただただ、身体が自然に身体が呼吸するのにまかせます

⑥他に生じてくる体験も、水に流していくように手放しましょう。
あらゆる体験、考えをありのまま、このままにしてする感じです。
それらをコントロールしようとしている自分に気が付いたら、その意図的な考えを手放し、「今、ここ」に戻しましょう。
自分の注意がいかに動こうとも、穏やかに気が付き、「今、ここ」に親しみをもって戻しましょう。

これらの呼吸エクササイズを5分程を繰り返し、生活の合間に行ってみましょう。
そして、自分の生活がどのように変化していくか観察してみて下さい。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r03-46-50_kekka-gaiyo02.pdf(厚生労働省  令和3年労働安全衛生調査)





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