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質問があります。


Q

あなたは「就活してるの?」と聞かれました。「してませんよ」と答えると「そうなんだ。じゃあニートなんだね」と言われたとします。あなたはこういった人に対して、なにを感じ、どのように反応をしますか。あなたはどう考えますか。140字程度で教えてください。

A

その時のぼくの反応は様々だ。心の中では「うっ」ってなっていた。色々に、"悔しさ"が、大小様々湧き出てきた。故に文章を書くことを決意した。でも、反応は決めるのは自分だ。反応の選択権はぼくにある。「こういったことを2度と言われないように。言われたとしても堂々と生きる。じぶんの道を生きる」と考えた。(147字)

C

その時のぼくは、反射的に、その相手は、想像力がない人だと感じた(決めつけた)。「就職活動以外には道がない(つまりニート)」とその人が考えているように見受けられた。

被害妄想かもしれないが、その言葉から「あなたには企業に勤めること以外で、じぶんの力を発揮できるの?」と言われたような気がした。「あなたは無力だね」と言われたような気さえした。これは、冒頭にぼくがその人に対して感じた「想像力のない思考」でもある。

他人は鏡だから、その人の発言を、そのように受け取ってしまうのも、自分の選択・思考だ。つまりは、その人がどういった意図、背景から発した言葉なのかはわからない。それゆえに、ぼくたちは想像力を働かせて生きているし、喜怒哀楽は至極勝手な振る舞いによるものかもしれない。

O

しかし、その人はどういった意味で「ニートだね」と言ったのだろうか。就活をしない人は「ニート」以外にはありえないのだろうか。そして、書きながら、気づいたが、ぼくは「ニート」を「就活」より低くみていた。だから、その人の言葉に対して「低く見られた」と感じ、反応したのかもしれない。そういった思考の構造はラットレースだ。結局は、「起業など就活以外の仕事の獲得のほうが、就活より"えらい"」とマウンティングして、それは「ニートより、就活のほうが上」というマウンティングに繋がる。ぼくは就活もニートも否定する気はない。1つの生き方だ(と思おうとしている)。

ただ、ぼくが日頃から思っているのは、「世の中には2色で塗り分けられるCoinではないものも、案外多いよ」ということだ。これは確信を持って、ぼくは声を大にして言える。

I

例えば、「Gender」。男か女かの2択ではない。LGBTQにも、その範囲はおさまらないと考えている。

例えば、「好きな料理」。ラーメンとか、親子丼だけじゃない。食べることを嫌悪する人だって、なんでも好きな人だっている。

例えば、「宗教」。キリスト教、仏教、イスラム教だけじゃない。信仰の程度も違うし、他人の心の中まで見えないし、自分のことさえもわからない時もある。

例えば、「卒業旅行」。ヨーロッパにだっていきたいし、アジアにもいきたい。一緒に行く人によって、行きたい場所は異なるかもしれないし、国内だってありえる。「いや、そもそも卒業旅行なんていうのは、バレンタインのチョコや母の日の花などと同じで、商業主義による幻想的なイベントごと!本質的でない!」と考えて、"卒業旅行からの卒業"という選択肢もある。では。

例えば、「卒業後の進路」は、就活かニート化の2択だろうか。そういった様々を、コインの裏表のように、つい2択かのようにぼくらは狭めて考えてしまうことがある。

N

質問者の脳内にあったのは「就活orニート」という2つの独立事象だったと、ぼくは仮定している。もしそうだとしたら、それは古びた、使い物にならないCoinだ。博物館に飾られるような、時代遅れの代物だと思う。

では、この世界には、そのCoin以外にどのようなCoin or Somethingがあるだろうか。「卒業後の進路」と唱え振られたサイコロの目には、こんなことが書いてあるかもしれない。

0:詩人として生きる
1:水色で起業する
2:フリーランスと写真と文章の仕事を続ける
3:家業の整体院と鍼灸院を継ぐ
4:MITの院に進学する
5:エストニアに留学する
6:シーランド公国の伯爵になる
7:主夫(婦)になり生活を建て替える
8:スペイン巡礼をしてワ
9:奥能登で珠洲焼きの職人に弟子入りする

などなど。いくらでも選択肢はあるし、それらをいくつか同時にやってもいい。生きながらえるごとに、増える選択肢と、減る選択肢がぼくたちの目の前に立ち現れるだろう。今ぼくは、あなたのポケットを、様々な形のコイン、サイコロ、球体、謎の生命体、なにかしらのsomethingで溢れ返させてみたいという欲求に駆り立てられている。

そして、可能ならば。あなたにぼくの知らない形のコインを1枚見せてほしい。コインじゃなくたっていい。見たこともない、美しいなにかを、ぼくの眼前に立ち現せてほしい。あなたのポケットには、なにが入っているのだろうか。そして、何をポケットに入れて歩いていきたいのですか。

いただいたサポートは、これまでためらっていた写真のプリントなど、制作の補助に使わせていただきます。本当に感謝しています。